アトピーカウンセリング講座 第15回

アトピーを知ろう。
アトピー性皮膚炎とステロイド剤
〜その4 薬物依存の特徴〜

 依存症になってしまった場合、どのような治療が行われるでしょうか?
 アルコールや麻薬、覚醒剤などの依存症を考えてみるとよくわかると思います。どの依存症でもその薬物を止めるというのが、最高の方法で、依存症から脱却するためにはこの方法しか今のところないと思います。
 ステロイド依存も依存症としてみれば、当然、ステロイド剤を断つというのが適切な対処ということがいえます。しかし、現在、アトピー性皮膚炎を初めとするアレルギーに関係している人(患者さん、ご家族の方、医師、薬剤師、看護婦などの医療スタッフ、製薬メーカーなど)にはこのような考えがほとんどありません。ですから、安易にステロイド剤を使用し続けるのです。
 薬物依存を起こしているとき、その薬物の使用を止めると禁断症状が出てきます。アルコール依存の場合は、手がふるえたり、幻覚が見えたりすることもあるでしょう。ステロイド依存の場合は、かゆみや炎症が激しくなり、皮膚は腫れたり、ただれたり、肥厚したりといった現象が出てくるのです。この禁断症状があるから、やっかいなのです。
 アルコール依存の方の禁断症状を止めるのは簡単です。アルコールを飲んでいただけば、そのふるえなどは一時的に治まるのです。麻薬なども同様に、麻薬を与えると禁断症状は治まるのです。一般的に、禁断症状を抑えるのは、その禁断症状を起こす原因になっている薬物を使用すると治まります。ということは、ステロイド依存の方が薬物を中止して禁断症状を迎えたとき、それを抑えることができるのはやはりステロイド剤ということになります。
 激しいかゆみと皮膚の炎症が襲い、なんとか抑えたいと考えます。その症状を見ている医師も同様に何とかしなければならないと考えます。その結果、より多くのステロイド剤を使用し、炎症を抑えることを考えるのです。特に、医師の場合は炎症が強すぎるとなんとかその症状を和らげたいと考えるのが当たり前です。そして、それを一時的に抑えられる手段を持っているのです。軟膏で駄目なら、内服や点滴といった手段を使えるからです。
 しかし、依存症としてとらえるとどうでしょうか? アルコール依存の方がようやくアルコールを止めて、禁断症状を迎えているときに、アルコールを飲むのと同じことをアトピー性皮膚炎の方は行っているのではないでしょうか?
 禁断症状は辛いのです。しかし、本当の意味で薬物から離れるためにはこの時期を乗り越えることがとても大切なことなのではないでしょうか?
 日本の場合、ステロイド剤が容易に手に入ります。薬局で購入できる虫さされの薬の中にも入っているものがあります。自分で使っていて知らず知らずのうちに依存症になっているということもありえます。また、病院でも簡単に処方してくれます。せっかくステロイド剤からの離脱を図ろうとしていても、「そんなことは止めなさい」とステロイド剤の必要性を説き、処方していただけることが多いのです。
 私的にはステロイド依存、薬物依存なのはむしろ医療スタッフなのではないかと感じてしまいますが、いかがでしょう?