<上弦の月を喰べる獅子>

夢枕獏 著(早川書房)本体2427円

夢枕さんの小説はそれこそ「陰陽師」の原作2〜3册しか読んだ事が無い私でしたが、この作品が
先日とあるラジオ放送番組で紹介されたのを聞いて思い立ち、図書館で借りて読んでみました。
**
作品自体は1986〜89年にかけて「SFマガジン」という雑誌に連載されて1989年の
第10回日本SF大賞を受賞した、仏教がテーマの(?)SF作品だそうですが、今読んでみて、
なにやらとっても最近の『「岡野」陰陽師』に近い作品(^^?)だなという、時間的に
あべこべな感想を持ってしまいました。近いというか、通じるというか。。。
たとえば、全編をつらぬく「螺旋へのこだわり」
たとえば、物語の二重螺旋構造(並行宇宙?)
十章構成という物語の構成へのこだわり
テーマとして宇宙や時間や空間を扱っているところ
 等等。
特に並行宇宙(?)を描いた物語の二重螺旋構造という視点は、岡野陰陽師の
最近のエジプト&平安時代の間の振れを連想させられました。
(※もっとも最近の岡野版では、二重というより多重(^^;?)、みたいですけど、、)
また夢枕さんはこの10章構成の小説の事を「10年の旅」であったと後書きに書いてますが
岡野さんの方はきっと12巻構成の足掛け12年にわたる旅(連載)になるのだろうな〜とか
いろいろ思わされました。
***
最近の岡野陰陽師の独自路線ぶりに夢枕原作との乖離を感じる向きも、
この作品を読むとその違和感が薄まるかもしれません(^^:)。
(原作者がSF作家という事で、陰陽師という作品も本質的にはSFだったのかも??)

   【追記】
2006年7月、松島にて開催された第45回日本SF大会「みちのくSF祭ずんこん」にて、
『陰陽師全13巻』がコミック部門の「2006年 星雲賞」を受賞しました!!
つまりは、、やっぱSFだったんだ(^^)って事で。。
(※結果的に12巻は13巻に&12年は13年になってますけど、「読み」的には的中?)

戻る>