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原判決は第1審で認定された弁護士費用について認めないという判断を
した。
しかし、この判断は、最高裁判所第一小法廷昭和44年2月27日(昭和
41(オ)第280号・民集23巻2号441頁、以下「昭和44年2月27日判
例」という)と相反する判断である。
わが国の現行法は弁護士強制主義を採ることなく、訴訟追行を本人が行
なうか、弁護士を選任して行なうかの選択の余地が当事者に残されている
のみならず、弁護士費用は訴訟費用に含まれていないのであるが、現在の
訴訟はますます専門化され技術化された訴訟追行を当事者に対して要求し
ており、一般人が単独にて十分な訴訟活動を展開することはほとんど不可
能に近い。
とりわけ、相手方の故意又は過失によって自己の権利を侵害された者が
損害賠償義務者たる相手方から容易にその履行を受け得ないため、自己
の権利擁護上、訴を提起することを余儀なくされた場合においては、一般人
は弁護士に委任しなければ、十分な訴訟活動をなし得ない。
今日においては、このようなことが通常であるから、訴訟追行を弁護士に
委任した場合には、その弁護士費用は、事案の難易、請求額、認容された
額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものである
以上、不法行為と相当因果関係に立つ損害というべきである。
現に、実務では、不法行為による損害賠償請求訴訟の場合には、損害
額の一割相当額を弁護士費用として認め、これを付加した額を不法行為者
に支払うよう命ずるのが通例となっている。
本件のこれまでの審理経過に鑑みれば、本件は、上告人が単独で十分
な訴訟活動をすることが不可能なことは専門訴訟の範疇に属することは明
らかである。
にもかかわらず、原判決は、被上告人栃木県の過失を認め、被控訴人ら
の損害賠償請求を一部認容しながら、第1審で認容された弁護士費用の全
部について何ら判断することなく判決を言い渡した。
これは、正当な理由がなく、上告人らを不利益に取り扱うもので、憲法1
4条1項に反するものである。
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