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8.Frankfurter Stadt Wald
 (フランクフルト都市林)                                         

 フランクフルト都市林が市有(林)財産となったのは14世紀後半である。
カール4世の財政窮乏により、1372年に現在の都市林の王室林(5,600ha)の購入に踏み切った当時の市議会の英断に今日のフランクフルト市民は感謝すべきだと言われている。 
 フランクフルト市は森林を所有して以来
、従来の無秩序な森林放牧に対し、秩序ある規則正しい森林放牧経営を行うよう努力してきた。
 当時、ブナやドングリの実で牧畜が行われてきた。この森林放牧もやがて18世紀の終わりから19世紀の初めにかけて、屋内飼育が導入されるようになって、漸次廃止されるに至っている。
 森林放牧が後退し、廃止に至った背景に燃料用材・建築用材に対する需要の確保の必要性が高まってきた。
 そのため、森林看守の業務を徹底し、採取や伐採に厳しい制限を課す一方、植林にも努力が払われてきた。
 フランクフルト都市林は、1426年までは完全な広葉樹林であったという。
 建築用材を目的とした高木林(針葉樹)経営が行われてきたのが15世紀後半頃からと言われている。
 1830年頃、都市林の中で特に訪れる人の多いところを修景し、Oberforsthaus(森林作業員宿舎のことと思う)の回りに、公園のように200種ほどの樹木を植え、さらにユリノキ林を造成した。
 これがErholungを目的とした都市林本来の利用形態への足がかりとなった。
 Erholungとしての本格的な計画と経営は、1845年から1901年まで営林曲に奉職し、のちにその局長となったヘンゼルによって始められた。
 今日、多くの市民に利用されている歩道、自転車道、乗馬道(それぞれ、Fussweg ・ Radweg ・ Reitweg と呼んでいる。)あるいは休養広場・記念広場などは彼の遺した大きな業績である。
 以上の歴史的素描からもわかるように、都市林=StadtWldがErholungを目的とした開発が行われるようになったのは、大体19世紀の終わり頃からである。
 コブレンツの場合も都市林の(Erholung地域の)社会的・厚生的価値が早くから重視され、すでに1880年には、多くの散策道が通され、展望所(コブレンツの都市林は丘陵地形から山地へと変化に富んでいる。)雨宿り用ヒュッテなどの施設を計画した。
 さらに、1909年ゲールハルト教授の指導によって3つの利用ゾーンから成る森林公園が設立されている。
 コブレンツ営林局ヤコビ博士(Dr. Jakobi)に提供していただいた資料を紹介すると大体下記のようになる。

                

         StadtWald Koblenz      2,513.1h
             その内 Hoch Wald 地区は 1,969ha

樹  種  内  訳 比率
Bucu (ブナ) 38.4%
Fichte (ドイツトウヒ) 24.1% (松の一種)
Eiche (カシ) 18.0%
Kiefer (マツ) 8.1%
eulop La:rche (カラマツ) 4.0%
Douglasie (辞書に不明) 1.7%
Birke (   〃   ) 1.3%
Bergahorn 1.1%
Esche 0.9%
Hain Buche 0.6%
Rot Eiche (アカガシ) 0.4%
Erle 0.4%
Poppel 0.3%
Tanne (タンネ) 0.3%
Jap La:rche (日本カラマツ) 0.2%
Robinie 0.1%
Sonstiges Laub - und Nadelholz


 その他、森林経営収益およびErholung施設管理費等内訳。
 樹齢分布・施設配置等詳しく表記されているので、興味ある方は資料を見ていただきたい。




 フランクフルト都市林の各種施設
 
  フランクフルトの都市林のうち Erholung を目的とした区域は、4,200haの内、約1/3と言われている。
 (尚、経済林と言われる区域においてもドイツ人の好むWanderung(ただひたすら歩きまくること)の出来る苑路が四通八通めぐらされている。)

 Erholunganlage(健康・保養・回復のための施設)
  (1)子供本位の子供公園 (Kinderspielpark (platz))
  (2)全年齢層対象公園 (Erholungpark)
  (3)300kmに及ぶ特別苑路網
  (4)特殊スポーツ施設
  (5)ゴルフ場
  (6)競馬場
  (7)総合スタジアム
  (8)鳥獣保護教育林
  (9)野生動物園
  (10)記念小動物園
  (11)五大陸植物園
 の、ような施設が設置されている。
 それぞれの詳細な施設も次のとおりである。
 (1)−1子供公園
     (a) 森の喫茶店
     (b) 徒渉池
     (c) メリーゴーランド
     (d) すべり台
     (e) 揺動施設
     (f) 登攀施設
     (g) 平衡施設
     (h) 砂場
     (i) 回転ブランコ
     (j) 懸垂施設
     (k) 跳馬
     (l ) 彫刻の森
     (m) 雨宿り施設
 いずれも材料は、都市林からの木材生産による木製のものである。
 
ここの施設、特に遊具施設や設備は出来る限り木製とし、都市的なものを排除しようとする趣旨に他ならない。
 コンクリートとガラスの中に住むことを強いられている都市の人間に対し、以下に深い配慮が払われているか、このことからも理解できるであろう。
 




(3)苑路系統
  林内には、営林業務のための林道とは別個に、Erholung のために訪れた人々のために、
  専用苑路として、歩道 (FussWeg)と
  自転車道(RadWeg) が四通発達し、
全てのErholungAnlage と結ばれている。


 東西に長い都市林を AutoBahn(自動車〔高速〕道路)をはじめ、
数本の幹線道路と鉄道軌道が貫通している。そこでまず第一に考慮されているのが歩行者の安全が確保されていることである。
 当然のごとく立体交差となり、歩道や自転車道をオーバ-パスさせている。
 この場合も階段を避けて弧弓状に緩やかな勾配とし、老人も乳母車も自転車も快適に横断できるようにされている。
 歩道も自転車道も一般には舗装しない。
 舗装に飽き飽きしている市民は舗装道路では少しもくつろがないからである。
 
 また、広大な都市林の中で森に入って来た人々を Erholung地区へ誘導するために、目的地へのシンボルの付いた木製標識が取り付けられている。
 
   鳥類保護教育林

 フランクフルトでは鳥に関する研究と保護がかなり古くから推進されてきた。都市林内においても、鳥類保護への努力は並々ならぬものがある。
約850haにわたって16,000この巣箱が設置されているのをはじめ、各種の施設がつくられ、また80haは最も厳しい保護区域としている。
 教育的な施設としては、鳥類保護教育林(Vogelschutzlehrgeho:lz)が近年設けられている。
 青少年が鳥類保護を理解する機会がここで与えられている。
 ここの野性小動物に対する配慮もまた行届いている。
 森の動物に必要な天然のえさは個体数意地に不十分であるため、林内のそちらこちらに各種の餌場を配置している。
 一つの大きさは、平均0.5haほどで、大抵しげみの中に置き、形はアメーバ状にして、道からはほとんど見えないようにしている。
 全体で50haある。また18haの区域を区画して、野生動物生態園(Wirdpark)がつくられている。
 広大な森林の中で、たくさんの動物たちを観察したり出会ったりすることが出来るようになっている。
 残念ながら、今回、森林内を踏査している間に、これらの野生動物とは出会わなかった。



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