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Stuttgart  シュツットガルト市の歩行者専用道路
                 整備事業全体計画概要

                         (人口 58万人 1978年現在)



 シュツットガルト市の都市開発整備に対する基本方針としては、町から車を出来るだけ排除し、歩行者のための道路に回復しようと試みている。
 特に都市交通問題に対しては、自動車を街の中心から排除していく一方、これに変わる公共輸送整備に重点を置いている。シュツットガルト市の公共輸送手段は、高速鉄道、地下鉄、市電、バスの4つがある。
 中でも、市電は中心市街地に網目を張り、市民の足として重要な役割を果たしている。しかし、この市電網が、一方では歩行者への、路面開放に阻害となっているため、現在では、道路下の地下鉄方式へ切り替え、路面を歩行者に開放していく試みが実施されている。
 ケーニッヒ・シュトラーセ整備事業で代表されるとおり、出来るだけ路面は市民に開放し、例え莫大な建設費を投入しても、歩行者優先の大原則をつらぬこうとしている点である。
 一般的には、わが国の例を見ても理解できるように、歩行者の案是mmを諮るため、歩行者専用道路の確保と市街地に出来るだけ車を入れないように工夫しているが、シュツットガルトしのように市電を地下に入れて、路面を市民に開放するといった計画はなく、単に市電を廃止し、変わりにバス輸送に切り替えるといった方法が多い。
 特に市電などの専用線化及び地下鉄方式へと転換させるには、公共負担の建設費が莫大になるであろうし、採算性がどうかも大きな問題となるから、なかなか実現できないことであろう。
 しかし、シュツットガルト市のように赤字覚悟で都市圏の公共輸送事業に莫大な建設資金を投じているのは、市のみならず、ドイツ国民の気質ともいえる。
 いずれにしろ、西ドイツの都市開発制度はわが国と異なり、歴史的な背景もあって、地方自治体の権限が強く、中央集権的な制度体制ではない。
 したがって、ドイツが東・西に分けられる以前の首都であったベルリン市を除いて、巨大都市と呼ばれる都市はなく、中規模程度の都市が分散しており、今日、これらの都市がその地域の行政、経済、文化の中枢として発展している。
 また都市環境を支える交通施設・住宅施設等の社会資本のストックは水準が高く、しかも都市交通の基盤施設に対する、国・州・地方自治体の建設費用負担の原則及び制度が確立されている。
 さらに、都市整備に対する方針も、現在の主要都市で見られるように、一歩都市部を離れると、アウト・バーンが整備されて、かつ都市部は、第2次世界大戦で、ほぼ壊滅したにもかかわらず、その復興事業を見ると戦前以前と同じ姿に復元している都市もいくつか見うけられる。
 このことは、都市の中で、人々が、互いに接触を保つため、それによって得られる親近感を大切にしようとすることの現れである。
 これらのことから、西ドイツの主要都市の整備目標は、中心市街地を出来るだけ生活空間に望ましい形で整備し、一方郊外では車の走行にとって望ましい交通整備を目標にしていることである。
 シュツットガルト市もこれと共通した整備目標をかかげ、都市再開発事業を推進している。
 シュツットガルト市も西ドイツの中で古い歴史をもつ都市で、第2次世界大戦の被害を受けている。
 戦後、戦災復興事業により、街は再建され、州都として著しく発展し、人口も急増すると共に自動車も増加し、車が中心市街地に溢れるようになり、市民の生活空間は脅かされはじめた。
 市当局は、この状況を解消する対策として、市民が自動車に阻害されることなく自由に、安全に街の中を歩けるようにと、市独自で現在の都市整備構想案を作成した。
 この構想によると、歩行者最優先の観点に建って、車の乗り入れ禁止ゾーンを面的に設けると共に、歩車分離の完全化を計画する一方、現在ある公共輸送の強化に重点を置き計画された。

       * 【シュツットガルト市の項は『都市開発と人工地盤 海外の実例集』社団法人 鋼材倶楽部 発行昭和53年3月 を参考とした。
                  予備調査としては、出発以前にシュツットガルト市都市計画局より資料を取り寄せた。現地でそれを踏査したものである。】
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