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幸せな偶然に感謝する

このコラムは小説のような語り口調になっています。
もしあなたが不快に感じられたら、すぐに読むことをやめていただいて構いませんからね。

    先日、ふたご座流星群が見られました。
   ニュースなどで、あまり取り上げられなかったようなので、
   知らなかった方も多いかもしれません。


   ここのところ僕は夜眠れなくなっていた。
   正確には、寝つきがよくないために、床に入るのがイヤになり、
   ついつい朝方まで起きているという感じだ。
   夜の静寂が好きだという、ややカッコつけた理由にも、僕は肯定的でいる。

   12月15日、この日はいつもよりほんの少し遅く、午前4時すぎまで起きていた。
   そろそろ寝ようと思い、なぜかこの時間まで履いていたジーンズを
   部屋着のゆったりしたパンツに履き替える。
   僕はベッドに横になり、布団の中に入って
   "さあ、寝るか"
   と、覚悟を決めるその時までTVを消さない。消せないのかもしれない。
   だから、寝巻きに着替えた今も、朝のニュースは流れている。
   
   簡単な着替えが済み、部屋の電気を消したとき
   某局の女子アナウンサーはあることを僕に伝えた。
   「この時間、ちょうどふたご座流星群がピークを迎えているんですよ」
   それを聞いた瞬間、何時間か前に妹がこの流星群を見るため散歩に出かけたことを思い出した。
   「窓を開けて、空をご覧になってみてください、
    東京は快晴ですので、流星が見られるかもしれませんよ。」
   アナウンサーはこう続けた。
   
   この時間外は真っ暗なのに、快晴と言われても
   “どこか違和感があるなぁ”
   などと余計な事を思いつつ、窓を開けて夜空を覗く。
   わかってはいたが、やはり僕の部屋からは大きな空を見られなかった。
   
   流星が見られるかどうかわからない。
   この寒い中、外に出ることにはやはり抵抗があった。
   悩んだ挙句、僕は近所に住む友人に誘いのメールを打ち、外に出た。
   
   
   世の中の多くの人々が寝静まっている時間である。予想通り、彼も例外ではなかった。
   返答がないので無理矢理起こしてでも連れて行こうと電話をかける。
   携帯電話は便利なモノだ。皮肉にも。
   
   ときに事は驚くほど簡単に運ぶ。
   彼は足早に、いつもの待ち合わせ場所にやってきた。
   
   30分〜1時間ほどだろうか。その間に僕たちは10を超える流星を見た。
   
   
   流星群接近を伝えるニュースを見れたこと、漆黒の夜空に似つかわしくない好天、
   友人が電話に気づいたこと。どれもこれも、必然ではない。
   たまたま僕に降ってきた、幸せな偶然。
   
   それはラッキーという名の流れ星だった。





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