きかんしゃトーマスとなかまたち

その昔、「ポンキッキ」でやっていた「きかんしゃトーマス」をご存知だろうか。
森本レオの味わい深いナレーションとかわいい顔つきのきかんしゃたちのお話だ。
きっかけはPS用ゲームを息子に与えたことから始まり、今や、DVDを全巻そろえようかといういきおいだ(笑)
ポニーキャニオンから発売されているビデオの巻数とタイトルの一覧表である。

●トーマスビデオ一覧表

息子と一緒に週末にビデオを借りて見てるといろいろ不思議なことや面白いことがわかってきた。

ほんとにこども向きの話なのか?

たとえば「ガミガミじいさん」という話のなかでスマージャという乱暴なきかんしゃのはなしがでてくる。
なんども脱線を繰り返すので、車輪を取り外し、発電機にされているというお話だ。
また「にかいだてのバスのバルジー」も同様で最後にはニワトリ小屋、「ちょっとしたみもの」の船のバレストロードも最後には浜辺で子供たちの遊び場にされる。
バレストロードの場合には作業員たちに「これでおまえも少しは役に立つようになったな」といわれてしまう。
確かに因果応報といえどもかなり酷い話ではある。

付記)元々の対象年齢が原作と人形劇は違うとのこと。
参考)紅山さんの【紅山 尚人 の ほをむぺゐぢ】「原作と人形劇の違い」

ビルとベンの所属は?

ふたごのビルとベンというきかんしゃがいる。
これは「パーシーうみにおちる」の話でヘンリーに「ここはトップハムハット卿の機関庫だぞ」といわれるシーンがある。とするとこの段階ではソドー鉄道には属していないことになるわけだ。
ところがのちに「やったねビルとベン」ではトップハムハット卿に誉められている。
いったいいつトップハムハット卿に所有権が移ったのだろう?

トップハムハット卿ビジネスマン説

トップハムハット卿はなんとなく「いいひと」のように思われがちだが私にはあまりそうには見えない。
むしろ冷徹な経営者なのではないかという気がする。

・運賃払い戻し対抗策

「ジェームスのうれしい日」のなかで急行列車のゴードンが信号手のミスで環状線で逆戻りしてくる。客たちは口々に「金を返せ!」と騒ぐ。
トップハムハット卿は笛をふき「かわりの列車を用意する」といい騒ぎをとめ、ジェームスに「ゴードンの代わりに急行をひっぱってくれるか」と頼む。
一見するとゴードンが「俺は線路を間違えたことがない」と豪語したことに対する話に思えるが、別にゴードンが悪いわけでなく、信号手の責任である。ジェームスに接続するために一度切り離し再度客車を接続する手間を考えるとゴ−ドンにそのまま引かせた方が時間はかからない。
ではなぜジェームスにひかせたのか?
あわててそのままゴードンに再度ひかせるより、ジェームスに変え客の不満をそらし、運賃の払い戻しを阻止するためかと考えてしまう。

・ダック頭を冷やされる

GWR出身のダックは何かと出身鉄道のやり方をひけらかし、ヘンリー、ゴードン、ジェームスから顰蹙をかっていた。(ディーゼルがやってきた参照)
そこにディーゼルが登場する。ディーゼルはダックに恥をかかされてヘンリーたちの悪口をダックがいっていたと嘘をつきダックは機関庫にいれてもらえない。
もめている真っ最中にトップハムハット卿があらわれるが,ディーゼルに思わせぶりな質問をしてダックをエドワードの支線にまわす。(ディーゼルのわるだくみ参照)
そしてダックはエドワードから暴走した貨車をなんとかとこやさんにつっこませトップハムハット卿にほめられる。(とこやにいったダック参照)
その時卿は「わしははじめからディーゼルのことを信用していなかった」とダックにむかって話している。

ではなぜ、いったいわないの論議をしているときにハット卿はいわなかったのだろう。
最初は単純に「ディーゼルが嘘をいった証拠がなかったからだ」と考えていた。
証拠がない以上、あえて犯人としてではなく配置転換をさせ問題から遠ざけ余計な揉め事を減らすためと考えていたのだ。
問題が解決すれば以前のようなひけらかしがなくなりうまくいくという見通しかとおもった。
しかし別にダックでなくてもディーゼルがエドワードの支線にいってもよかったわけで若干の疑念がのこる。

「もしかしたら、ディーゼルが予想通りのはたらきをしたらそのまま置いておくつもりだったのか?」

物語りの中ではダックがいなくなってからのディーゼルのはたらきぶりは紹介されない。
しかし、ダックがもどったときの歓迎振りからするとそうとうひどかったのであろう。 
 
また微妙ないいまわしだが「ディーゼルを信用していなかった」のであって「ダックを信用していた」わけではない。
実に怪しい発言に思える。

・ドナルドとダグラス裏交渉

「ふたごのきかんしゃ」でドナルドとダグラスは2台派遣され、そのどちらかを残し、どちらかを返却することになっている。
そして最後にハット卿は「さてさてどっちを残せばいいのかな」とつぶやくが、
ナレーションは「でもハット卿はとっくに考えが決まっていた」という。
次の話の「みんなのだいひょう」で正式に2台とも仲間になるわけだ。

でもなんで前の話でいわなかったのだろう?
実際、「みんなのだいひょう」の中で、戻された方はスクラップにされるという会話がある。
この話、スクラップ直前の2台を借りていい方だけを買うつもりだったと考えられる。
それを2台引き取ることになるので買い叩く交渉をしていたのかなとも思う。

参考サイト

紅山 尚人 の ほをむぺゐぢ
ネットをしらべているうちに紅山さんのHPにたどり着けた。すばらしい内容である。
特に「原作基準エピソードリスト」は完成されたものといえよう。