猫ばっか/佐野洋子/講談社
「百万回生きた猫」で有名な佐野洋子さんの本。
なにげない話だが文と絵にどこかひきつけるところがある。
お気に入りは飼っていた猫がとなりのランチュウをとったといわれ、濡れ衣と思いつつもデパートで和金を買って返したら・・・・というお話。
猫は実用品である理由が知りたい人は読むべし。
ねこのお医者さん/石田卓夫/講談社
基本的にはフォーグル先生のシリーズと重複する部分があるので今ひとつ。
しかし、第5章「よい獣医さんの選び方、教えます」は獣医のガイドラインにはよいかなと思われる。
猫の健康関係の本を持っていない人におすすめ。
猫の王/小島瑛禮/小学館
民話が好きな人には実にいいかもしれない」。
本の帯には「猫の魔性の謎をさぐる知的冒険の旅」とある。
・猫はなぜ突然姿を消すのだろう
・招き猫ってどういうものなんだろう
・ 「猫をかぶる」ってどういうことなんだろう
などと思った人には絶対お奨め。
久しぶりに面白い本だった。
ワンちゃんネコちゃんおでかけBOOK/辰巳出版
犬や猫をつれて旅行にいくのにとりあえず情報が欲しい人はいいかもしれない」。
「ペットとトラベルQ&A」は気休め程度にはいいだろう。
このムック本の最大の欠点は「ペットと入れるカフェ・レストラン・テーマパーク」がメインであり、
宿泊できるか否かという部分には案外情報がない。
なぜなら大抵のホテルやペンション、旅館には犬はOKだが「ネコは要相談」となっているからである。
まぁ猫をつれていこうという人がすくないからであろうが今ひとつだ。
1500円は高い気がする。
カモメに飛ぶことを教えた猫/ルイス・セプルベダ/白水社
猫のゾルバが瀕死のカモメに猫の名誉をかけて約束したこと
・カモメの産んだ卵はたべない
・ひなが生まれるまで卵の面倒をみる
・ひなが生れたら飛ぶこと教える
本の帯に引かれて立ち読みで全部読んでしまった。その後2週間程たって買ってしまった。
こんなことは「銀河英雄伝説」以来である(笑)
とてもシンプルな物語である。が子供に読ませたいと思わせる内容だ。
イタリアでベストセラーになり、映画化も予定されているようだ。
ノラや/内田百閨^中公文庫
猫本の古典か。あちこちの猫サイトでは『いい年したオヤジが猫がいなくなって泣いているだけ』などと酷評されている。
何を読んでいるのか!
やさしい先生と奥さんがいろいろな思いをしながらいなくなった猫のことを心配している話ではないか。
普通猫が風呂のふたの上で座布団ひいて寝てたからといって風呂に入らない奴はいないぞ。
またノラの次に飼ったクルツについて書いた『猫の耳の秋風』は先生が晩酌をしながら
クルツに語り掛ける会話をそのまま文章にしたものであろう。
またクルツの臨終に至るまでを書いた『クルやお前か』などは実に猫を飼っている人の心情を描いた文章と言えよう。
是非おすすめする。
『獣医さんが教える犬猫行動学』[犬/猫シリーズ]続々刊行!!と帯に書いてあるが、
実際はどこかで読んだ話でしかない気がする。一般的な猫話に終始しているので特別感想はない。
三毛猫はみんな雌のはずなのにどうして雄が生まれてくるのだろう?
という疑問を解明するため著者はあちこち調べまわって・・・という話。
猫の日常の話はとっても面白いが、それ以外で面白かったのは図書館で意地悪された話と、赤川次郎の話だったか。
読み手のこちらが科学的な話を吸収できなかった。
メンデルの実験の話や遺伝学学会の歴史的な論争の話をされてもねぇ。
猫にとって快適な空間を作るためのHOW TOマニュアル。
非常に見やすい本である。手作りキャットツリーや手作りベッド、爪とぎ器等の作り方が載っているので参考になる。
また、市販のグッズも紹介されているのでとっても嬉しい。
定価2800円もする豪華な本。私の価値観とは天と地ほどの差がある。
猫に服を着せてアクセサリーをごちゃごちゃ付けたい人には向いているかもしれない。
ウルフルズのトータス松本さんが飼っている猫のことについて書いたコラム。
文章の間から関西弁が聞こえてくる。
特にミニまんがはとってもヘタクソだけどパワーが伝わってきて、もう『ロッケン・ロール』そのものである。
この本はすごいものに捧げられています。(爆)
ねこまんがのアンソロジー。
特に気に入っているのがまつうらゆうこさんの『ふとっちょけだま』。
まつこさんの独特の『間』が好きです。
あとは、『こんにちはむーちゃん』(桜井あしあ)で
ねこマンガっていってもなー
今みんな描いてるしー
今更私が描いてもネタだぶるだけで新鮮味とかないじゃーん!!
っていうのがとっても好き!(なんだそりゃ)
ニャイスライフ講座/井上彩名/どうぶつ出版
女優井上彩名(あやにゃん)が二匹の猫を飼っている体験をもとにした飼育入門書。
猫の手に入れ方から始まって、お葬式の出し方までの範囲の広い、しかしきちんと調べた本といえます。
飼いはじめに1冊あるとよいでしょう。イラストはまつうらゆうこさんで非常にかわいく、笑えるイラストも豊富です。
しかしながら、レイアウトがいただけない点があるのが惜しい。
サンデー毎日に連載されていた文章をまとめたもの。
『こぷるちゃんが死んだ』という文章があります。猫関係の文章はこれひとつしかありません。
あとは・・・読んでください。
『「ドイツ・ミステリ大賞受賞作」頭がよくてちょっと生意気、猫の名探偵フランシスが追う連続猫殺し事件の謎』−帯より
謎1:どうして猫が探偵役で調査しなければならないんだろう?(別に人間だっていいじゃないか)
謎2:なんでわざわざコンピュータをつかえる猫がでてくるんだ?(しかもパスカルだそうだ(笑))
謎3:どうしてこれがドイツ・ミステリ大賞を受賞できるんだ?
なるほどミステリだ。私はシャム猫ココシリーズの方が猫の書き方がすき。
空飛び猫/アーシュラ・K・グウィン 訳:村上春樹/講談社文庫
すてきな童話です。翼のはえた猫の四兄弟が荒れた町から森へいき、冒険のあと心やさしい幼い人間の兄妹にあうお話です。
絵も素敵ですが、猫の描写がとても猫らしく(↑とは違う!)愛らしいです。
特に訳注が私は好きです。
帰ってきた空飛び猫/アーシュラ・K・グウィン 訳:村上春樹/講談社文庫
空飛び猫の続編。街にのこるお母さんに会いに行ったら、壊される直前のビルに小さな妹がいました・・・というお話。
本の最後にミルクをなめて口のまわりを真っ白にした黒い小猫の絵がとてもかわいいです。
またまた訳注が私は好きです。
写真集ねこまんま−ねこはまんまが美しい/シンコー・ミュージック
そこらにいる猫をそのまんまとった白黒写真集。
ほとんど外にいる猫をまさしくそのままとっただけだが実に味のある写真集。
83年から87年くらいの十数年前の懐かしい日本の懐かしい風景のような気がする。
ここのところ一番おもしろかった本。
さらりとした文章で読みやすく、テンポもよい。
中でも一番気に入ったのが、忽然と姿を消した猫は皆、木曽の御岳に登って修行をしているという話。
日常の行い、立居振舞いに関して「自分は未熟だ」と反省した猫は、悟りをひらくまで御岳を下りないという話を聞いたそうだ。
非常に面白い。面白いが・・・猫の話はほんの少ししかない。
訳者あとがきによればこの本以降の猫に関する話だけあつめた本があるそうだ。
チャペックの文体(訳された文体かな?)は非常に読みづらく、シニカルに書いてあって意味を考えるのに暇がかかる。
ただそれさえつかめば動物好きの話ではあるのだが。
自分の責任は自分でとる[猫のトイレマナー]
感情はコントロールしよう[猫のつめとぎ]
ただそばにいるだけで[猫は最高のセラピスト]
私のものはあなたのもの[プレゼントをくれる猫]
等、目次だけでも面白いです。
猫本はまかり間違うとただの飼猫自慢になるのですがそんなことは感じさせません。
絵本作家(あとがきの中では絵描き)と著述家(あとがきの中では物書き)のすてきな雰囲気の本です。
1:猫舌の引っ込め方〜礼儀正しい猫になるための12カ条
2:猫の手の貸し方〜冷静な猫になるための11カ条
3:猫背の伸ばし方〜知的な猫になるための11カ条
4:猫のかぶり方〜分別のある猫になるための10カ条
5:シッポの鍛え方〜ひと味違う猫になるための10カ条
等の非常にそそられるタイトルだ。内容は自分のうちの猫とのことをただただ綴っただけなのだが著者の家での猫との生活が生き生きと書かれている。
自分のうちの猫と比較するのも楽しい。
イラストがとてもかわいらしく立ち読みしてでも見ていただきたい。
猫文字のひらがなにちなんだエピソード集。
「あ」愛想の良い猫と悪い猫、どちらがいいか。
「い」家の中にハエが一匹、これで猫が大騒ぎをする場合もある。
「う」薄目をあけて寝る猫がいる。
「え」映画に出演する猫の調教をやった。
「お」おっぱいを猫にかまれたことがある。
等楽しい話が多い。猫文字イラストは一見の価値あり。しかし『穴掘り人』(本を参照の事)はどうしちゃったのかな?
初心者を対象に心構えから飼育方法(飼い主のしつけ?)、さらには死んだ時の弔い方まで広範囲に解説している。
安楽死やペット名義の貯金について記述している本は珍しい。お勧め。
猫の日常を解説しようとする本
『貧しいノラ猫は猫舌にはならない』『雨の日のネコはとことん眠い』『猫はなぜ土産をもって帰ってくる?』等肩の凝らない解説をしている。
動物の精神科医をやっている著者が体験を元にした本。
猫の問題行動(トイレのしつけ・攻撃行動など)とその精神的な背景を解説している。
飼い主が猫の行動に悩んだ時に読むことをお勧めする。
例で面白かったのはアル中の猫!この猫は3年間毎日カンパリソーダを飲み続けているそうだ。
著者は一応カンパリを少なめにして、ソーダを増やしたらどうかと忠告したそうだ。
裏表紙に「緊急事態にあなたの猫を救う本」「猫も、あなたも、獣医も助かる、この1冊!!」とかいてあるがまさにその通り。
絶対おすすめ。
さまざまな状況での対処がチャートで判断できるうようになっている。
もちろん獣医に相談するのがベストだがその前に読んでおきたい一冊である。
ハチにさされた場合、針がささっているので『クレジットカード』で擦って抜くのだそうだ。
また毒グモ、毒ヘビ、毒サソリについての応急対処も書かれている。
英国ではそれが普通なの?
前述フォーグル先生が質問を寄せてくれた猫に対して、直接答える形になっている。
「はじめに」で、「ネコには字が読めません。だからどうか読者のみうなさんが代読し、著者のメッセージをネコたちに伝える努力をしてください」とある。
ユーモラスな質問と回答があってこれもお勧め。
前述フォーグル先生のちょっと真面目な猫の行動学の本。
かなり学術的な説明も多いが、根本的にはユーモアのある本。
「猫の精神構造、その解剖学的および生理学的検証」とあると、ちょっととっつきにくいかもしれない。
猫の不思議を飼い主レベル(学術レベルではない)で解き明かす(?)本。
『なぜ猫はドアを開けても閉めないのか』『ネコは本当に「集会」をひらいているのか』
漫画スタッフ・演芸台本作家の著者がおもしろおかしくあくまで個人的見解を述べているのが結構おかしい。
上の『雨の日のネコはとことん眠い』を参照・引用している部分が多数ある。
私が持っているのが第7版なので結構売れたようだ。
猫たちの隠された生活/Elizabeth M.Thomas/草思社
これはお勧めしない。著者がカラハリ砂漠でライオンの調査をしていた思い込みが延々かかれていてうんざりする。
猫よりも肉食獣についてかいている。前著『犬たちの隠された生活』がベストセラーになったのでついでに書いたのでは?
手に障害をもった男がたまたまリハビリのために動物愛護センターで犬をもらった。その犬は障害をもつ猫を探し出し保護する犬だった。
実話であり、最近日本のTV番組でも紹介されていた。
動物を虐待する例が淡々とかかれていてかえって恐ろしい。
個人的には著者の野良猫に対する姿勢には賛同できない。
BBCのニュースキャスターの著者がニュースに登場したネコの話をまとめた本。
ネズミ取りとして雇われて人間の労働組合に入れてもらったネコとか、ギリシア政府が海岸でネコが泳ぐのを禁止する法律を制定したとか等。
雨の日曜日に読むのはいいかもしれない。