絶滅危惧種の人と草 |
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記録:平成15年9月13日 | ||||||||||
掲載:平成15年9月20日 | ||||||||||
志波姫町の農家 菅原 | ||||||||||
冬期湛水水田を始めてから、いろんな人達が俺の田んぼを訪れるようになった。訪れる人の中には自然に興味を持つ人が多いので、いろいろ自然環境の話しを聞かせてくれる。そして、俺の田んぼを観察しながら、名もなき田の草に指を差し、これは絶滅の危機にある植物だと教えてくれる。 イチョウウキゴケ、シャジクモ、ヒメシロアサザ、こ
俺にしても、迫町の及川氏にしていも、冬期湛水不耕起、完全無農薬で水稲栽培を行っているので田んぼに草は多いが、絶滅危惧種の植物も多い・・・と、こう書くと、絶滅の危機にないホタルイやイボクサ、ヒエなどの田の草は邪魔者で、絶滅危惧種は守るべき貴重な植物との感じになってしまう。だからと言って特に俺はホタルイやイボクサの保護活動を行うつもりはないが、絶滅危惧種についても取り立てて保護しようという気持ちもない。頼みもしないのにずうずうしくド
絶滅危惧種はレッドデータブックのグラビアを飾っているので、植物界のアイドルみたいにチヤホヤされがちだが、ホタルイよりミズアオイが田に必要な植物かと言うと、そんなことはないはずだ。田の草はそれぞれ意味があって田んぼに生えている。できるだけ自然の循環を円滑にしようと、それぞれの役割で田に生えている。ところが人間が田んぼにいろいろ干渉するので、草の中には自分の役割を見失うものが出てきてしまった。そういった草が絶滅危惧種と
基本的に俺の冬期湛水水田は自由放任主義なので、草達は存分に自分達の役割を演じることができる。ゆえに、今まで自分達の役割を人間に奪われていた絶滅危惧種も俺の出番だと復活してくる。 ちなみに、俺の田ぼや、及川さんの田んぼでは冬期湛水、不耕起、無農薬で水稲栽培したら自然に絶滅危惧種が復活してきたので、田んぼ土の中にはもともと絶滅危惧種の種が眠っていたようだ。
ただし、俺がこういった人達を個性豊かと感じるのは錯覚だと思っている。と言うのは、たまたま俺がこういった人達と身近に接しているので、それだけ彼らの個性を知る機会も多く、結果として個性豊かと感じているだけだと思うからだ。個性豊かでない人間などこの世にはいないはずである。
これは草達にも同じことが言える。雑草々といっしょくたんに田の草を一括するから、それぞれの草の個性が見えにくくなっている。一つ々の草を見つめてみると、それぞれの個性が見えてきて田んぼの中での役割が見えてくる・・・はずだと思いたい。 ちなみに本HPのタイトルは「稲と雑草と〜」で、俺もこのHPを立ちげた時点では「雑草」と呼んでいたので、あまりえらそうなことは言えない。俺が草に対する視線を変えたのは、ほんの数ヶ月前からである。 というわけで、絶滅危惧種も、絶滅しそうにないホタルイについても、特に俺は意識して保護しようと気持ちはない。ついでに言うと俺の田んぼに集まってくる人もとりたてて保護する気持ちもないのでよろしく伝えておく。 |
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