日記一覧

2009/01/17

オシャレなヒト

彼女には定住している家がないようで、いわゆるホームレスのようだが、そういう人たちの典型的な外見とはまるで違う外見をしている。はじめて見かけたのは何年前かもう忘れたが、髪がちゃんとしたボブカットなのが気になった。それがときどき、プロがカットしたみたいなショートカットになっていたりする。ボブならまだ自分で切ったのかとも思うが、段のついたショートカットである。年のころは60歳くらいに見えるけれど、70歳だとしたら肌がきれい過ぎるような気もする。

私が住む街は新宿から電車で7分のところにある。新宿でいっせいにホームレスが締め出されたころに少しまとまった人たちがこの街に移動してきたと聞いたことがある。今ではだいたい顔ぶれが一定している。女性は彼女ひとりだ。何年も着替えていない男性陣と交流はあるようだ。「オシャレ」は仲間の異性を意識したものなんだろうか。

私が最も気になるのは彼女の服装がいつも流行中のものなことだ。コーディネートも今風。拾ったものをひっかけただけみたいではない。昨年の春はベビードール風の切り替えでパフスリーブのチュニックワンピースを長袖のカットソーと重ね着していた。サイズは13号くらい。チュニックはフツーのデブなオバサンも着ているから不思議じゃないとして、若い子に人気の細みの少年風ハーフパンツもはいていた。13号のパンツは簡単に拾えないと思う。

ユニクロの服が50円や100円で売られている店もあるというが、そういう店はたいてい郊外だし、あのサイズの流行服を彼女はいったいどこで調達しているんだろうか。現在の彼女の服装は、ファーつきのフードのあるベージュのダウンジャケットである。大きくて汚いズタ袋を提げていなければ、フツーのオバサンと区別がつかない。どころか、ヘタなオバサンよりもファッショナブルだ。

某女性作家が「露出度の高い服を着るのは異性の視線よりも同性の視線を意識したもの」と書いていた。露出度を高くするかどうかは趣味または簡便さの問題として、中高年女性が服装に気を使うのは異性よりも同性の視線を意識したものだと言い切る人もいる。私自身もどっちかというと、服装に詳しくない男性の視線はほとんど気にならず、同世代の女性にかわいいと言われる服装をしたい。男性の多くは流行中の服装よりもよくも悪くも定番のスタイルを好むし、彼女が流行中の服装なのは流行中かどうかが認識できる相手にしか意味を持たないものだし、とするとやはり同性の視線を意識したオシャレだろうか。

女性ホームレスの服装は特に露出度の高いものではない。でも、夏にはわりとえりぐりのあいたカットソーを着ていたり素足にハーフパンツだったりする。わき毛に関しては不明だが、処理されているのかもともとなのかスネ毛はツルツルだった。こうして私が彼女の外見をすごく気にしていることが女は女の視線を気にしてオシャレする、と言っているようなもんだけど。

ヒコイチの話によると、彼女は毎朝、通勤通学ラッシュの時間に駅の改札前に立っていてサラリーマンやOLの姿をじいっとながめているんだとか。ファッションチェックしているんだろうか。