先日の教室でイジワルした話のつづき。
「ファスナーをつけずにかぶって着たい」
そう言う人を私はほとんど無視してました。
ほとんど無視していただけで、完全に無視していたわけではありません。
教室のしょっぱなに彼女は「かぶりで作りたい」と言ったので、
「やせてらっしゃるのでそのままで大丈夫ですよ」
と私はちゃんと教えているんです。
彼女は、私の目測で身長が150センチ、バスト84センチ。
型紙のタンクワンピースは脇ファスナーあきで着るデザインで、
私の想定する基準バストは92センチ。
私の目測にやや誤差があるとしても、計算上は型紙のままで
ファスナーをつけずに作ってもかぶって着られます。
かぶりで着る服について多い誤解は、
かぶって着るにはえりぐりを広くすればいいというものです。
ファスナーのついた服の型紙をかぶって着る用にアレンジするときは、
えりぐりではなくて、身幅を広くします。
元がノースリーブなら袖ぐりもやや下げたほうがいいでしょう。
といって、身幅をやたら広くするとブカブカの、
いわゆる「アッパッパ」になってかっこ悪くなります。
かっこ悪くてもいいという場合はやたら広くしておけばいいことになります。
私が適切というか、自分用にやっているかぶりアレンジの法則は、
ファスナーのついた型紙+4センチ=かぶり
です。
ものすごくゆったりかぶりたいという人、
普段アッパッパ風衣服に親しんでいる人には
この法則の数値は適しません。
最近、私がこの法則を適用して作ったのがイラストのシミーズ。
ちなみ、私は「シミーズ」(シミイズかな?)という呼び名が好きです。
中学生のとき同級生だった清水さんという女の子を思い出したり、
10歳ころまで着ていた、胸もとにちっこいリボンがついた
木綿の白いシミーズを思い出したりします。
懐かしい、カサッとしたシミーズの肌触り……。
白っぽいワンピースとかは裏地をつけて作るという方法もありますが、
いったんつけて縫ってしまうと裏地なしで着たくてもはずせないし、
わりと重くなってしまったりします。
スカートやパンツの場合もそうですが、
私は白いもの、透けるもの、チクチクするもの対策に
シミーズやベチコートやベチパンツを作って対応することが多いです。
今回のシミーズに使ったのは、コウ・フリークにはおなじみの
東レの「サップ」。
これは春夏用の裏地として売られているもので、
裏地なのにツルツルしてないカサッとした裏地です。