北 京 訪問記 -その1 ホテルまで-         藤井 久美子

 アテネオリンピック開催中の8月26日から4日間,2008オリンピック開催地の北京へ行った。中国沿岸部は近年,市場経済開放で外国資本が入り,急速に近代化している。オリンピック開催のため,都市整備に拍車がかかり,故宮博物館付近の紫禁城より歴史が古いといわれる胡洞も取り壊されるというので,見ておきたく台風の合間の慌しい旅である。中国へもビザがいらなくなって,一週間前の申し込みでもOKで,東京ステイのホテルパックと変わらない手軽さである。
 関空より中華航空で3時間(時差が1時間)である。機内で隣に長春より神戸学院大に留学している杜 麗華さんと親しくなった。長春の短大を卒業して来日し,神戸南京街のラーメン屋で,呼び込みもしながら夜9時まで働いているという,バイタリティーあふれる女の子である。卒業したら日本の企業で働きたいと言った。質素さ,逞しさ,瞳の輝き…豊かさの中で日本の若者がどこかに置き忘れてきたものを持ち合わせていた。
 機内放送は英語と中国語のみ。英国航空もエアフランスも日本語放送があるのに,こんなところにも反日かと少し思った。
 北京空港の到着ロビーで出迎えの添乗員が大勢いるのだが,我々のプラカードを持った添乗員の陳さんは一番最後にいた。いやな予感は的中!暗い,やる気が見えない,必要なことを最低限言った後は,運転手と中国語でおしゃべりばかりしている。
 ホテルは北京駅の真向かいであった。チェックインをすませると,部屋に荷物を置き行動開始……知り合いが出店した北京の美容室を目指したのである。
 (この先どうなることやら????)

 (写真,
 北京のキララ美容室,店内にて)

山の風に吹かれて               陶久 敏郎

 8月の最後の週末,高知県馬路村に家族で旅行した。毎年,家族でどこかに旅行するようになって,もう20年という歳月を重ねた。今年は山へ行こうと,前々から決めていた。
 阿波古事記研究会を仲間と始めて何年になるかは分からないが,それを契機として私は山の人々の暮らしに関心を持つようになってきた。山の民,野の民,海の民という分類をするならば,私の家は代々,野の民に属する。
 阿南から台風16号の影響で高波が押し寄せる海岸線を横目にして走り,私達は安田川の河口から馬路村を目指した。段々と上流へ進めば進むほど,空が狭くなっていく。私が生まれてから育った自分の村から見上げてきた空の広さが馬路村にはない。
 魚梁瀬オートキャンプ場のログハウスで泊まった。魚梁瀬ダムが湖を作り出し,湖上に浮かぶ島のような所に泊まった。家族で手分けし協力して夕食を作り,これ以上楽しくておいしい食事はないと思いながら家族団らんのひとときを過ごした。山の風に吹かれて,妻と3人の子どもが笑う顔がとても眩しい。
 馬路村は,かつて魚梁瀬杉で隆盛を極めた時期があったが,今はそれに代わり「ゆず」で全国的に有名である。馬路村農協の前の清流で泳ぐ我が子を眺めながら,私は山の人々の暮らしを想像してみた。馬路温泉に入りながら色々と想像してはみたが,あまり実感が湧いてこない。それがまた,私に山の暮らしへの憧れをかき立てる。
 驚いたことに,魚梁瀬の東側の峰の向こうは,徳島県海部郡海南町の平井という轟の滝のある村である。現代の車社会に慣れきっている私にはとても新鮮な発見であった。古事記の時代の人々は,山を越えて往来していたことだろう。山が道路なんだと強く思った。
 車で最短コースを取れば,自宅から3時間ほどで魚梁瀬へ行ける。山から見れば結構近い。新しい発見をした家族旅行になった。

すべての力と思いを家族に            田上 豊

 本来家庭は,家族が知恵をしぼり,家庭の中で苦労し,お互いに支え合い,愛し合う事が基本だと思います。
 ですが,今ほど子供の命,親の命,人の命が粗末に扱われている時代はないでしょう。夫婦,親子,家族,親族,一族に危機が迫っています。
 何故でしょう。
 家庭が一番,温かい家庭,明るい家庭,家族の絆,など多くのテーマで問題の解決を図っているのが昨今でしょう。家庭は,生まれるものでなく造るものである。
 現代社会は,価値観の多様化,親子の価値基準の差で多くの人が苦しんでいます。日本の憲法が悪いとか教育基本法が悪いとか,学校社会が悪いとか言いますが,廻りが悪いのでしょうか。私たちは自分の価値基準を相手に押し付けていないでしょうか。
   家庭問題は,解決するよ。
   簡単に解決がするはずはないよ?
   いや問題は,解決するよ。
   知っている?解決の方法。
   私の所,解決したよ。