食パンを作る           三木 信夫

 昨年の秋,奈良正倉院展を見学した帰り,久々に同期の友人と奈良市内で痛飲して,友人を生駒市宅迄送るはめとなりました。結局その晩は私も友人宅で1泊。朝食で焼きたてのパンがおいしく奥さんに聞くと,ホームベーカリーを買って作っているとの事。「簡単ですよ。夜材料を入れておくと朝には出来ています。」と教えてくれました。
 これ迄パン作りは手間がかかるものと思いこんでおりましたが,誰でも簡単に作れるこんなホームベーカリーが販売されていたとは知りませんでした。早速2〜3の電器店を回りましたが,器機は数種類もあり結構売れている様でした。郷里宅近くにはパン屋も無く,ホームベーカリーがあると便利なので機種を検討して,後日1斤用でドライイーストを自動投入するものを購入しました。説明書ではいろんなパンやケーキ類が作れる仕様でした。帰宅途中,百貨店ならドライイーストはあるだろうと思ったのが間違いで,食品売り場には無く健康食品売り場へ案内されたのにはがっかりでした。結局,スーパーへ行くと,全て販売されていました。先ず材料を選別してパン用強力粉(国内産小麦はグルテンが少ないので,外国小麦でパン用のもの)と,ドライイーストを購入して試食品を作ってみました。スキムミルクの購入を忘れていましたので,当初は牛乳を使用して作ってみる,次に牛乳の量を変えて作ってみる,砂糖をざらめに変えて作ってみる,卵を1個入れて作ってみる,スキムミルクで作ってみる等試作してみました。結局気にいった食パンは,既定の材料に牛乳120ccと卵1個使用したものでした。近所に配り試食してもらいましたが,結果は好評で配合を教えて欲しいとの先もありまずまずの出来でした。これは腕前でなく食パンの場合,材料を入れるとコンピュータが自動的に「練り・ドライイースト自動投入・寝かし・練り・発酵・焼き上げ」の工程で作ってくれるのです。食パンの時間は4時間程で出来る様ですが,8時間程かけた方が良いと感じました。しかし酵母類は温度管理が大切で,ホームベーカリーは外気温とか水温をコンピュータ制御出来ないので,おいしいパンを作る為には作る時の温度にも注意が必要でした。
 びっくりしたのは,ケーキ作りで無塩バターと砂糖を大量に使用する事でした。今迄は食べる事だけで材料まで考えませんでしたが,作ってみて食べ物の内容を考える様になりました。しばらくはメーカーの仕様にとらわれずに試行錯誤して,私好みのパンやケーキを作れる様にしてみます。これからは郷里宅でいつでも簡単にパンやケーキを食べる事が出来ます。機会がありましたら,皆さんに焼きたてのパンを食べて頂き味をお聞きしたいものです。

                   【完】

計るだけダイエット 5      芝山 靖二

 私は元来健康には全く関心のない男だったように思います。食事は腹が起きればよい,美味しければ良い,たくさん食べれば食べるほど元気になり,立派な身体が出来ると思っていました。ところが,大食いと美食はいろいろな生活習慣病を招きます。この生活習慣病で快適な生活が送れない人が今日本に大変な数います。「健康がすべてではないが健康でなければ何も始まらない」これは,私が20年来通っている,健康道場の会(主催濱馨先生)の道場に一時期掲げてあった標語である。私はこの20年の間に大変多くの健康に関する知識を教えていただきました。そのことを改めて再確認したのは今回のこの事でした。
 「計るだけダイエット」の素晴らしさを実感した私は,太りぎみの友人8人に「NHKためしてガッテン計るだけダイエットの法則」と言う本をプレゼントし,そのメカニズムの素晴らしさを一生懸命話ました。その時点では,8人が8人とも明日からでもすぐに始めると信じ切っていました。ところが,何ヶ月か経って,直接本人から聞いたり,回りの人から聞いたりしたところによると,本をプレゼントする以前からしていた,一人をのぞいて7人が7人とも全然していないとのことであった。7人とも太りすぎは身体に良くない,直したいとは言っています。
 私も濱さんの「健康道場」に通っていなければ,この7人以下の反応をしたとおもいます。

チーパンフィー     天羽 達郎

 昨年暮れより正月3日までイギリスにいた。上の娘が突然みんなでイギリスに行こうと言い出したからで,彼女がインターネットで予約をしレンタカーまで取っていた。ところが土壇場で故障が起こり計画した本人が行けなくなって,末娘の菜美と息子それに姪っ子の4人で野次喜多道中をする羽目になった。何しろ計画は上の娘にすべてを任せていたので我々は何の予備知識も持っていなかった。当然行き当たりばったりの旅になった。レンタカーは自信がないので取り消した。湖水地方をメインにしていたがあいにくの雨,12月31日ランカスターまで引き返してきたとき例のインド洋大津波のニュースを知った。それまで全然知らなかった。ランカスター家といえば15世紀後半にヨーク家と王位争いをやった家柄で,戦争中はライバルのヨーク家の白薔薇に対して赤薔薇を記章にして戦った。それでこの戦争は薔薇戦争と呼ばれる。約30年続いたそうだ。今でもクリケットで最も激しい試合をするのはランカシャー(ランカスタ郡)とヨークシャー(ヨーク郡)との試合で互いに赤と白の薔薇を記章にして戦っている。写真はランカスター城である。雨上がりだったが蔭気な城だった。それもその筈,正面入り口の脇の壁には青いパネルがあり白い字でHER MAJESTY'S PRISON LANCASTER CASTLE(女王陛下の監獄ランカスター城)と大書してある。え〜,監獄になっている! そしてその下には「1952年の法令により,囚人の逃亡を助けるもの,あるいは逃亡を企てるものを助けるものは最高5年の禁固刑を料す」とあった。ランカスターではファミリーレストランに入った。湖水地方の英語は少し発音が違いなかなかききとりにくいのだが,このレストランではひどかった。色白で可愛い顔した小柄なウェイトレスがテーブルに案内してくれた。が,何をいっているのかさっぱり分からない。発音は母音がはっきりしていてパラパラパラという感じで一つ一つの音は聞き取れるのだが,意味が全然分からない。末娘の菜美が『もう少しゆっくりしゃべって下さい,よく聞き取れない』といって何回も聞き直した。菜美は3年半ばかりアメリカの学校に居て下町の英語とか色々な人の発言にかなり耳が慣れているはずだが,それでも分からない。私に分かるはずがない。その子は英語圏以外のヨーロッパの国からきたアルバイトらしい。それでも英語なので分かるところもある。ビールのお変わりをカウンターで頼んで料金を聞いたところこのかわい子ちゃんは『チーパンフィー』といった。一瞬中国語かと疑った。レジのディスプレイの数字をゆび指したので見ると,£2.50.とある。ああ『トゥーパウンド・フィフティー(2ポンド50ペンス)』のことだったのだ。


雪ちゃん 「産(三)度目の挑戦」   岡田 好史

 自宅近くの事務所の前に,真っ白な小型の柴犬が居ます。名前は白いから「雪ちゃん」と言います。その雪ちゃんが寒い冬と暑い夏の二回「おめでた」でしたが,残念なことにお産を失敗しています。今回が三度目だから,仔犬が元気に産まれたら良いなぁ〜と家族全員で思っていました。何と去年の12月25日にサンタさんが雪ちゃんに3匹の子供達をプレゼントとしてくれました。産まれたのは雄1雌2です。最初見た時は10cmぐらいだったのが,今年1月10日には毎日タップリとお乳を飲んでるので20cmぐらいに育ってました。この「阿波風」が出版される頃には子供達も眼が開いてワン白ぶりを発揮していると思います。

 PS.雌二匹の里親を募集するかも分からないのでよろしくお願い致します。雪ちゃんは良く吠えるので,子供達も立派な番犬になると思います。