店名                森 悦光

 私の店の名前は,陶業会館(梅里窯(うめざとがま))と申します。以前の店名は,春本陶業会館と申しておりました。これは,私の父である,春本三次郎が60才を過ぎてから命名したものです。父が89才で他界し,私が店を運業して行くには,陶業会館という店名は大きすぎるという思いが常に有り,ある日夕方に,10人ほどのグループの方が店にお見えになりました時,会長と呼ばれている70才くらいの方に,私は言い訳の様に「個人で営業しているのに陶業会館という名前なんです。」と語りました所,その会長と呼ばれている方は「どなたがこの名前を付けられたかは存じませんが,とても良い名前をつけたと感心しております。陶芸ではなくて陶業なんだから。私達も陶器を作って何十年と生活をたてております。芸では暮らしは成り立たないと言う事がよくお分かりの年の方がお付けになった名前ですね。陶業とは焼き物を生業として焼き物で生活を立てるという素晴らしい意味を持っているのです。大切にして下さい。」とおっしゃって下さり,目から鱗が落ちる思いでした。それから,胸を張って陶業会館(梅里窯)と名乗っております。梅里というのは父の書道のペンネームからもらいました。

阿木川の空を泳ぐ魚 吉川 直子

  昨日の魚?です。
 すぐ近くの阿木川に
 泳いでいます。

阿波の徳島      古代阿波研究所長 堀川 豐平

 歴史研究会の全国大会で,徳島で行われた時に,「徳島大会」でなく「阿波徳島大会」とするよう地元の森秀郷会長から申し入れて,その通り「阿波徳島」での全国大会が行われた。人形芝居でも「阿波の徳島十郎兵衛」で徳島には「阿波」がつかないと収まらない。
 よく「阿波藩」という表現をみかけるので史料を調べてみると正式な名は「徳島藩」で「阿波藩」は存在しない。阿波国の徳島藩である。徳島の前に,輝かしい「阿波」をつけないといけない風習があるらしい。
 みんなで掘り下げていけば「阿波」には,いままで想像もできなかったすごい意味が含まれているのではないだろうか。
 「阿」の波が世界へ広がっていく。明治以来の後退一方の時代は消えて,文化の発信地,阿波から,文化の波動が世界へ,宇宙へ広がっていく時を迎えたのです。


古事記が伝える阿波
二.よばい      三村 隆範
 イザナミ「まあ、なんて美しい男なの〜」
 イザナキ「なんて美しい娘だろう………」
      「オマエが,先に言うのはよくない?」

 から始まる「古事記」の物語。つまり「よばい」である。
 よばいは,結婚を求めて男女が呼び合うこと,あるいは,男が女の所へ夜しのびこむことである。
 「古事記」では,最初に女の方から声を掛けたのでよくないと,2度目は,男の方から声を掛けたことが書かれているが,いずれにしろ,よばいは男の方から女の方に出掛けて行くことである。
 「イザナギ大神は,淡路の多賀に祀る。」と「古事記」に書かれ,淡路島の多賀には,延喜式内社の伊邪那岐大神宮がある。
 淡路島に住んでいたイザナギは,どこへよばいに行ったのだろうか。
 延喜式内社から相方のイザナミを探すと,全国では,一社のみ阿波国美馬郡に祀られている事が,記録されている。
 その伊射奈美神社は,現在,徳島県美馬市穴吹町舞中島に祀られているのであるから,イザナギは,妻を求めてイザナミの住む阿波国にやってきたことになる。
 古くから「讃岐男に阿波女」と言われるように,阿波は,いい女がたくさん暮らしている所である。


【淡路島 伊邪那岐大神宮】

【舞中島にある 伊射奈美神社
 延喜式内社 日本一社】