イースターの来客          松林 幸二郎

 例年雪に見舞われるイースター(復活祭)休暇は,ことしは時期が早いのに拘らず,穏やかな天候に恵まれました。しかめ面のスイス人を横目に大雪に大喜びのロンドンっ子は,3年ぶりのアッペンツェルでの休暇は珍しく一度も雪に見舞われることなく,イースターマンデーの朝5時オランダにむけ出発しました。
 我が家は今年のイースター休暇に3年ぶりにロンドンっ子7人を迎えてて伴に彼らと過ごす幸いをえました。ハイディが28年前,数ヶ月ボランティアをしたのが縁で,ロンドン北東部South WoodfordにあるMill Groveという養護施設(自らはホームと呼ばずファミリーと呼び,ここで育った子どもは,それ故,家族の一員である)のリーダーの旧友キース ホワイト氏に連れられて1987年から9度,39人,のべ54人の子ども,青年,ソーシャルワーカー,そしてキース氏の家族5人が,我が家の貴重な“客人”(初めの2回は広いアパートであった我が家に宿泊)となった訳です。
 銀行員であったキース氏の祖父ハーバード ホワイト氏が1899年に,一人のみなしごを引き取ったことを機に始めたこのMill Groveは,以後100年に渡って孤児や遺棄された子どもや青年ら1200人以上に,公的な補助は今日まで一ポンドも受けることなく,純粋に個人や教会の寄付,すなわちチャリティによって,必要な衣食住と家族愛を与え続けてきたわけです。英国の底力があることも事実でしょうが,これが奇跡でなくて何でありましょう。
 リーダーのキース ホワイト氏は博士号を持つ社会学者で,カレッジでは美術,聖書学の教鞭を取るかたわら,牧師としても年300回説教をこなしています。そんな彼が皿洗いや家事を率先してやり,子どもや青年にはベストフレンドとして,私たちには深い尊敬の態度で接する姿に,私は弟子の足を“私は仕える為に来ました”といい腰を屈めて洗うイエスの姿を重ねてみたものでした。


見えないものが見えてくる      中山 昌男

 私の購読している平和財団の機関紙の中で,シュタイナー教育の「ひびきの村.ミカエルカレッジ」のインタビューのコメントが載っていた。
 芸術教室の中でオイリュトミーのことが書かれていた。オイリュトミーは,言葉や音楽を目に見える体の動きで表現するそうで,目で見る,言葉,音楽だそうです。
 又,子供たちがイマジネイションの世界が生き生きするように,五感全部を働かせるように導くようです。
 吸い込んだ息を吐くように,子度たちが吸収したお話を表現することで吐き出す,その,吐き出す表現する方法として,手芸,粘土細工,にじみ絵であったりするそうですが,そこで感心したのが,先生が初めて水彩画(にじみ絵)を体験した感想に,
 「私は今,天地創造に立ち会っているんだ」と,書かれてありました。
 凄い,素晴らしいと思いました。真白いキャンパスか紙かしりませんが,純白の紙に色のついた筆をもって,創造の主が今ここに立っていると,自分自身に感動されたのかなとおもいました。
 シュタイナー教育に少し感心があるのは,今までの教育はテストのための智識で,あらゆるものが評価の対象で,全体と自分と切り離された教育で,シュタイナー教育はあらゆる授業が,全体と人間と結びつく,数学,植物学,動物学,天文学,すべてが繋がり合い影響しあっていることを体得できる教育のようにおもいます。
 言葉や音楽は聞こえてくるけれど,目には見えないでも感じることはできる。
 愛や思いやりは目には見えないけれど,家族や人を思いやる行為,行いは目に見ることができる。
 生命じしんは見えないけれど,働きとして見ることができる,人に親切にしている行為を見たとき美しいと観じることができる。
 これからは,五感をとぎ澄ますことで,見えないものが見えてくる,感じられなかった事が観じられるようになってくる時代のようにおもいます。

質問 大谷忠先生へ           正木 学

 前の質問で私の質問のしかたに問題があったので「大和国に忌部がいないのは重要な問題である」という記述は理解できませんとありましたが,これは神武天皇が大和国へ攻めていくまえに大和国に忌部はいたかということなのです。日本の神話は歴史的な神話ですから,神話の舞台となる地域の選定には歴史的な整合性が必要であると思います。天香具山の神話を大和国にすると,天皇家の先祖のいるところに神武天皇が攻めていくというのではわけがわからない。

 NHK学園(通信教育)大谷忠講師よりの回答
 「大和国に忌部が……」という貴方の記述,ご説明いただき了解しました。忌部氏が品部の忌部を率いて朝廷内の祭祀をつかさどり,宮殿の造営にも関与したと言われている点から考え,貴方の主張は正しいと思います。ただ忌部氏についてはわからない事が多いので,さらに研究する必要があると思います。

ストレス                       南谷 幸久

 現代人にとって健康最大の敵と思われているのがストレスです。
 人は多かれ少なかれ何らかのストレスを感じながら生きています。
 ストレスは強すぎると,体や精神がおかしくなりますが,刺激の中にも多少のストレスがあった方かえって,健やかに生きられるといわれている。つまりある程度のストレスが,あったほうが健康に良いと言うことです。
 私はストレス解消と健康作りの為に,毎日雨の日を除いて約1時間自宅の周辺を歩いている。もともと腰痛の持病に悩まされてきましたが,歩くことにより何となく体調もよくなり,腰痛も無くなりました。
 気分のすぐれない時は,近所の商店街,公園,神社と出歩くことにより,外からの刺激で頭の回転もよくなります。又小旅行に出かけると違った文化にふれることも出来るし,新しい人との出会いもあります。とにかく外出して出歩くことで,気分も爽快になり,ストレス解消にはなにより良い方法ではないでしようか?