阿波 はじめから現在まで
その1.はじまりは,阿波 三村 隆範

 『日本書紀・上』(一書の第三)〈岩波書店刊 日本古典文学大系〉にこう書かれている。
  日神の,天石窟に閉り居すに至りて,(中略)
 下枝には,粟國の忌部の遠祖天日鷲が作ける
 木綿を懸でて,乃ち忌部首の遠祖太玉命をして
 執り取たしめて,広く厚く称辞を啓さしむ。
 すなわち,『日本書紀』に天照大御神が天岩戸に籠もった折りの祭祀に参加していたのは,唯一,阿波(粟)国の忌部であり,阿波の忌部が木綿(タフ)をささげて参加していたと記録されている。ここに阿波以外の国は登場していない。最初から阿波は重要な地域であったことが最も信用できる古代の文献からわかる。
 現在においても新しい天皇が即位するたびに,阿波の忌部の末裔である徳島県木屋平村の三木家からアラタエ(麻織物)を皇室に貢進している。その古事記・日本書紀に書かれた世界が,連綿と阿波に続いているという事実である。
 現在の日本には,天照大御神を基盤とした文化が広がっている。この天照大御神を基盤とした文化は,古代から日本に広がっていたわけではない。古事記を読めば,一地域から広がっていったことが書かれている。つまり,神武天皇が,奈良に入り,ヤマトタケルが,九州や出雲や関東まで広がったと書かれている。
 このように見てくると四国が中心となってくる。古事記などによると,淡路島が最初に出来た島であると書かれている。確かに淡路島は最初にできた島だが,それは子供の中で最初にできた島だ。子は親がいて子供が出来るわけだから,最初に親である阿波ができたのだ。
 『日本書紀』(一書の第七)・(一書の第九)などには,淡路洲を胞とすることが書かれ,
 『日本書紀』(一書の第六)には,「先ず淡路洲・淡洲を以て胞として,大日本豊秋津洲を産む」
 『日本書紀』(一書の第八)には,「オノゴロ島を以て胞として,淡路洲を産む」とも書かれる。
 淡路洲を胞とすると書いてはいるが,淡路洲の出来る以前に胞とするオノゴロ島がある。
 オノゴロ島は,淡路島のことではない。オノゴロ島は始まりの島で,淡路島は,最初にできた子であるからだ。

すべての思いを家族に 〈9〉
幸せをあなたに、親孝行を大切に。
                 田上 豊

 親孝行の思いと行いが,私達の幸せに多くの良い影響を与えます。
 祖先崇拝は,老人は,長年の生活の中で物事の前後を見ることが出来る。家族はその老人の知識のお陰で自分たちが利益を得るから,年寄りを養い又,尊敬と進んでいく。つまり老人の価値を知るのですが,親に安心をして頂くと言うのには,ほど遠い親孝行です。
 昭和三十年頃までの日本は,大家族で生活をする。大家族の良いところは壮年の親が高年の親に仕える姿を我が子に見せてきたので有ります。高年の親いわゆる「おじちゃん,おばちゃん」達は昔からの地域の神社のお祭りごと,お寺参り等をして「人間を越える働きをする者」に対して畏敬の念を持っていました。又,家庭でも,ご祖先に対して感謝のお祈りをしている姿を子供,孫達が見,聴ききしていました。その家庭で「おじいちゃん,おばちゃん」との別れも経験し人の命の神秘さ尊さを体験してきたのです。
 私達は取り違えた民主主義の名のもとに利己主義へと変化して行き,核家族が自由であるとして日本の大家族の良い伝統を放棄したのが弱い家庭,自分中心の人間が多く出来た一つの大きな原因である。日本人の美しい心(相手を思う心和を以て尊うし等)親孝行が死語に成りつつある今の社会を出現させてしまったと言っても過言では無い。
 先に親を捨てると,やがて自分も捨てられると言う因果律(原因と結果)を知るのであります。反対に親に孝行を尽くせば,自分もまた我が子から孝行をしてくれると言う事であります。
 東洋では「報本反始」と言う言葉が有ります。

アンティーク磁器    岡田 好史

 今回のテーマ「アンティーク磁器」をシリーズ化して,私の専門分野でありますチャイナペイントを東洋&西洋の絵付けについてご紹介します。また今回は,「お知らせ編」として,私の子供たち(受講生)の作品展をこの紙面をお借りしてご案内させて頂きます。今では,自分の描いた作品をプレゼンしてる人も居ます。そのまだ手元に有る作品を6月1日〜15日までDrエンドー鳴門店で展示致します。青汁を飲むついでに見て頂ければ光栄です。次回からは本題に戻り「アンティーク磁器」の第一弾として,伊万里をご紹介して行きます。

カミとトウヒ 8    田上 守

 毛包の一番深い所が膨らんでいて,ここに毛母細胞があります。毛母細胞は毛細血管から補給された栄養を素にして,分裂を繰り返しながら毛を作っている細胞ですが,その働きは体の中でも精子などとともに非常に活発な細胞の1つで,生活力の旺盛な細胞です。この分裂によって次から次と生産される新しく毛になる細胞は,上へ上へとおしあげられてゆき,やがて角化という現象を起こして水分を失い,毛にかわってゆくのです。

 ヘアーサロン タガミ