リアル:バーチャル     中山 昌男

 千と千尋の神隠しの中の,煤のマックロクロスケは働きつづけなければマックロクロスケでいられないだから働くのだと,言っていたように思います。
 私達も時間に追われスケジュウルをこなしながら働いているように思う。今,ここ,という時まで架空現実,バーチャルにしてしまっているように思います。
 花や草の香り,湿った風,少し雲った黒い雲,目や耳に触れて知覚されている物,事実をリアルとすると,そこから立ち上がるイメージ,このぶんだと明日は雨かもしれないと思う,思っていること自体リアルですが,その思いの内容がバーチャルであると,言うことが出来ると思います。
 まだ起きてもいない実在していない事に,昔の体験の思いが過去にいったり,未来を予測しては,取り越し苦労をしてしまう。
 本来「今,ここ」にないバーチァルなものが「今,ここ」に居る人間の心を悩ませたり,喜ばせたりしている。今がリアル,客観的時間がバーチャル,時間は思考による二次生物で,脚色した概念は想像の産物であるように思います。
 過去,現在,未来,というすでにレールの敷かれた,時間という乗り物,その,時間に対する新しい理解が出来れば,時計を眺められスケジュウルをこなして,大切な一瞬,一瞬を自らの生を押し込めなくても,「今,ここ」という生の舞台にどれだけ比重を多く置くことが大切かが,理解できると思う。今,という生きている時間,乗り物に乗っていけるように,あるがままの今を,受け入れていきたいですね。

踊りに似合うヘア・スタイル     幸治 泰代

 幼稚園へ子供を送った後,散髪に・・・。何故,散髪かというと。散髪屋さんで切るから。でも,女性の理容士さん。
真ん中の子供の時のまま友です。
私のカットの注文は・・・
踊りの時にアップに出来るくらいの長さ。でも,うちっかわは沢山すいてもらって,サッパリしました! ほんとにサッパリしました!
長さも20センチ以上は切りました。
幼稚園のまま友2人に,「色っぽい髪型」と言われました。でも,ちゃ〜んとポニーテールもできるくらいの長さもあります。シャンプーも楽ぅ。
すぐ乾くわ〜。人一人分の髪の量を切ったように思います。
「針山にしたらいいよ」と言ってくれたので,自分の髪の毛を持って帰って来ました。
 カットが終わって,昼はお昼寝ばっかりしてました。寝ても寝てもねたり〜ん。その代り,夜はハッスルハッスルです。
いや〜ん,踊りですよ〜。阿波踊り。
ハッスルしすぎて,膝が痛んでます。やばい!
でも,本番まであと少し。舞台の演出も何度も何度も繰り返し合わせていきます。
まだまだ,バラバラ。
頑張ってキッツリ踊れるように練習練習!
家に帰るとバタンキューです。

モネの家の紹介      月岡 功

 モネの家という商標登録した家がある。
 直線で構成した個性的なデザインを持ち,力の象徴である鉄をふんだんに使って強さを確保し住み心地を木で演出を試みた家である。
 重量鉄骨高床式住宅で超耐震と津波防災を標榜している。
 床下高さが2.1メートルあって大概の洪水や津波の浸水は逃れることができる。
 高床式を支えている柱は,直径が23,厚さ1.5cmの鋼管で作られており,浸水に対しては時速36kmで襲い掛かる水流の圧力に対してその3倍の強さを持っており,自地震に対しては阪神大震災の818ガルを越える1000ガルに耐えられる強さを持っている。
 床面積は136.94平方メートル(約41.5坪)でそのうち38.54平方メートル(約12.8坪)がベランダ部分で残りが居住スペースとなっている。
 室内は,98.4平方メートル(約29.8坪)で中間に柱や壁がないので広々としており,ワンルームの大広間としても使用できる。
 床は,無垢材のフローリングで,床材の中に床暖房用の温水パイプを組み込んである。
 窓は,普通の住宅にはない幅3.4m高さ2.9mの大面積の窓ガラスを使用しており,日当たりと眺望は申し分なしである。
 いすやテーブルにはジョージ・ナカシマ作のものが,照明にはポール・ヘニングセン作のものがよく似合うと思っている。
 これを海が見える小高い丘の上に立て晴れた日に室内やベランダから海を眺める生活はどんなものとなるだろうか。
 設計者は自分が住むためのいい住まいを夢見てこのような家を設計してみた。
 現代版の郷に成り得るかどうか。

古事記に見られる 阿南今昔
               三村 隆範

 「天照大御神は,阿南市の見能林で生れた」という降って湧いたような話も7月3日に夢ホールで開催された日本地名研究所長の谷川健一氏の講演で信頼性が高まり,益々,勢いづくと思う。
 谷川氏は,全国の神主さんが唱える払い詞の「竺紫(つくし)の日向(ひむか)の橘の…」とは,知る知らずにかかわらず,阿南市見能林付近の話だろうと推定している。
 私は,那賀川橋の南,津乃峰のすそ野を横切る国道バイパスを走るたび,
「ああ,ここがイザナギが禊払いをして,天照大神が誕生した阿波岐原か」と想いを巡らせる。せっかく,全国の神主さんたちが宣伝してくれているのだから,それに便乗して阿南市活性化に生かしたいものだ。見能林には延喜式に記録された「賀志波比売(かしわひめ)神社」も存在する。来年からは,数珠繋ぎになった観光バスの姿が見られることを期待したい。
 地元の古老は,「この神社は昔,恐ろしい感じがするほどの鬱蒼と木が茂る鎮守の森があった」と話していた。今はその面影もないが,いつの日か,元の姿に戻り,
「村の鎮守の神様のきょうはめでたい村祭り。ドンドンヒャララ…」と,元気な子どもたちの声が響き渡ってほしいものだ。

 以上は,阿南市の広報「リレー随筆」に投稿したものです。
 講演会が終わると7月31日は,徳島観光バスで,奈良の香具山に日帰で行くサンデーツアー。9月18日・19日は,同じく「黄泉の国」サンデーツアーで,上勝町の月ヶ谷温泉で一泊して相生町・阿南市へと走り,「竺紫(つくし)の日向(ひむか)の橘の小門(をど)」へ観光する。
 10月の下旬には,神山町の天岩戸立岩神社に看板を設置し除幕式を行う計画だ。
 そのほかにも,東京での観光セミナーの講演依頼や古事記観光マップの制作話やラジオ放送の話,など色々な話が目白押しだ。
 谷川先生の顕彰碑も設営したいと思っている。