天岩戸が開くとき 人は神に帰る
               三村 隆範

 人間はもともと神ですが,
「人間は,神でない」という人がいます。
 神でないという人は,自分で「神でない」といっているのですから,神であっても神でないのでしょう。このように自分は神でないと,多くの人は思っていると思います。
 もともと,ビッグバンによって宇宙が広がっていますから,すべては神と共に広がっています。すべては神ですから,神の一部の人間も神です。
 ただ人間は,神の一部を見て「神である」とか「無い」とか言っているに過ぎないのです。
 ですから「神でない」といっている人には,それは神でないのです。
 このように,人間は,区別する力を自らが持っています。すべてのものは,ただそれがあるだけで,それ自身が判断したりせず,自然の流れに従っているのですが,人間は,自由に選ぶことができるのですから,自ら滅亡の道を選んで歩むこともでき,逆に人間は,永遠に生きることもできるのです。
 日本人は,それらの知恵を獲得してきましたが,古代から自然を尊び,「言挙(ことあ)げせぬ」風潮がありますから,生活の中の何気ない言葉の中に,生き方の深い真理が潜めているのです。
 ですから,それを知っていて,ことさらに口に出さないのか,知らないのに
 「いいえ私は,まだまだです」と謙遜してみせ,さも知っているかの如く振る舞っていますが,知っていて知らないと言うことは大切なことです。
 天照大御神が天岩戸に籠もったので,禍があちらこちらで起こり,困ってしまいましたが,困ったあげくに,みんなが笑い出しました。すると
 「私が籠もっているのに,何を楽しくしているのですか」と天照大御神が顔を覗かせました。
 困ったときに「もうだめだ」と思うか,「まだまだ頑張ろう」と思うか,それが人生の大きな分かれ目になります。思うくらいなら,すぐできる。「まだまだ頑張ろう」と思い続ける。それが明るい明日を開けていくコツであると思います。
 人間は,全てを良い悪いに分け物事を考え判断しますが,この世には,ただその事実があるだけで無意識の世界では,「頑張ろう頑張ろう」という力が,常に働いています。


〔編集後記〕

 ビックバンによって宇宙が始まったという。
 生命も,また,あらゆる方向に向かって広がりをみせる。
 善も悪もあらゆる方向に向かって広がってゆく。
 誕生と消滅は,宇宙の働きだが,広がっていくということにおいて,広がる事は善である。
 阿波では,暑い夏の本番にも繰り広がる。踊る阿呆に見る阿呆…

       【真瑠吾視比古(まるごしひこ)

 発 行 サークルアマテラス 阿波風の会
           題字 坂本真人
           制作 三村隆範
           編集 真瑠吾視比古

 「阿波風」(投稿誌,無料)を,月一回の予定で発行しています。投稿していただく内容は,書く方の自由な題材で,その月にあったこと,感じたこと,考えたことなど,何でもいいのです。
 「書いていただけませんか。」とすすめられると,「書けない」とか,「また後で」とか言って,ありのままの自分を見せようとしなくなりますが,実は,いつも,話したり,何かをして生きているのは自分を表現して生きているのです。しかし,書くことは文字が現れてきますから,自分を振り返り,自分が自分を見ることになるのです。
 ですから,書くことは自分を他人に見せているのではなく,本当は,自分を見つめ,自分を知ることになるのです。つまり,自分の力を自分がより知る事になるのです。ですから,書き続けていると自分が大きく向上していくことがわかります。
 今の自分が,望むこと・体感したことを,この「阿波風」に写してはみてはいかがでしょうか。
 四〇〇字か八〇〇字までの原稿をお待ちしています。もちろん一行でも一文字「あ」だけでもいいのです。   締め切りは毎月15日です。
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