天の岩戸が開くとき 人は神に帰る 22
自由を考える
     三村 隆範

 「人間は本能の壊れた動物である」と「ものぐさ精神分析」(中公文庫)で岸田秀(和光大学名誉教授)が書いていますが,いわれてみれば,確かに人間は本能の壊れた動物であると思います。
 普段人間は何事も自由に考えることが出来る。では自由とは,どういうことだろう?
 【広辞苑】には,心のままであること。思う通り。などと書かれている。
 「人間は本能の壊れた動物である」
 それは,人間が自由を獲得しているから本能を壊すことをやってしまうのです。大きく見れば,自然に逆らうことは出来ないことですが,自然のままに生かされるはずの生物である人間が,自然に逆らうのです。そして悩み苦しむのです。
 つまり,自由を獲得していなければ,悩みや苦しみは無いのです。あるがままにあるだけですか。あるがままを「よし」としない自由を持っているから悩み苦しみが起こってくるのです。つまり,自由の使い方が誤っているのです。
 人間は,自由を使って何をしようとしているのでしょうか?
 もし人間が,自由を自由に使えるなら,人間に悩みや苦しみは無くなることでしょう。
 自由をもう一度,考え直してみましょう。
 【 自 由 】
 自由は,自と由です。つまり,自ら由(よし)。由は,経る。あるいは,もとづくですから,周りがいい状態というのではなく,自分が良いと思えて始めて自由な状態になったわけです。
 つまり何が起きても良しと思える状態になったことが自由を獲得した状態です。自分が良しと思えない時には,自由はないということです。ですから自由を使って自由に良しと思えばいいのですが,人間は,人や他に頼ってしまうのです。自分で「よし」と思えないのです。自分で自分を「よし」と思えない不自由な状態を作ってしまっていたのです。
 いいかえれば,毎日不自由な状態で暮らしているわけです。
 自分が「よし」と思える日々が続きますように。


〔編集後記〕

 みんな知らないのでしょうが,生きている間しか生きることを楽しむことができないのですよ。悲しんだり,悩んだりしている間は,まだいいですよ。
 何もない時,平穏な時に何も考えることなく過ごし,まさかの事が起こった時に慌てふためく事の無いように暮らしていたい。
 楽しく歓んで暮らせるのは,生きている間だけです。

       【真瑠吾視比古(まるごしひこ)

 発 行 サークルアマテラス 阿波風の会
           題字 坂本真人
           制作 三村隆範
           編集 真瑠吾視比古

【ご投稿の おすすめ】

 「阿波風」(投稿誌,無料)を,月一回の予定で発行しています。
 阿波に暮らす人が「阿波」の文字の意味をもっと意識していたい。ということが「阿波風」を発行する最初の動機でした。しかし,現在は,書く方の自由な題材で,感じたこと,考えたことなどを書いて投稿していただいています。
 「何か書いて投稿してみませんか。」とおすすめしても,書くことは,話したりすることと違い,自分の恥を残すことになるので「書けません」とか,「また後で,いいことが書けたら」と言って断られる場合が多いのです。今よりもっとすばらしい自分があると思い,すぐ書けないのです。
 今,ありのままの自分を見せ,すばらしい自分を現わして生きていますから,すぐ書けるのです。
 いつも自分を表現して,話したり,何かをして生きています。書くことは,自分が自分を見ることになり,自分の考えを修正し,自分が向上していくのです。現れなければ見る事はないのです。
 自分の気づいた事を,文字に変えるとすごいパワーに変わります。
 書くことは,自分を他人に見せているのではなく,本当は,自分を見つめ,自分を知ることになるのです。ですから,書き続けていると自分が大きく向上していくことがわかります。
 自分を見つめてどれだけの時を生きているでしょうか,日々,浮世に流されて生きてはいないでしょうか? 意織を持つ人間が,何も感じず,何も表現せず生きているわけがありません。人は,生きること(人生)を楽しむために生きています。
 阿波では,踊る阿呆 (踊らな損そん)です。上手い下手はありません。あなたは,傍観者ではなく,この世の主役です。楽しんでいる自分を,あなたは見て生きていますか?
「楽しい方が楽しいよ」と囃す,阿波の心意気で,一緒に「阿波風」で表現したいと思います。
 今の自分が,望むこと・体感したことを,この「阿波風」に写してみてはいかがでしょうか。
 四〇〇字か八〇〇字までの原稿をお待ちしています。もちろん一行でも一文字「あ」だけでもいいのですよ。   締め切りは毎月15日です。

   心より,ご投稿お待ちしています。




  宇宙の漂いは
  風となり波となり現れ
  広がっていく

見えていて見えないものは
見えるものを通して見える
その瞬間が
あの瞬間に見えるなら
幸せ色のつつまれる