１月１日に日の出を見に出かける方もおられることでしょう。初日の出は一年の始まりとして，特別な思いで拝む方もおられます。確かに，夜明け，太陽が昇る時というのは，独特な高揚感があります。イスラエルに旅行した時，モーセが十戒を授かったというシナイ山に登りました。一緒に登った人達と太陽が昇ってくる瞬間を待ちました。寒さで凍え，震えながら，その時を待ちます。段々空が明るくなり，黒い空に赤みが掛かり，周囲の山々が赤く染まり始めます。そして，太陽が昇る，その一点からオレンジ色の光線が一気に走り，次の瞬間，まばゆい光が広がって行きました。山々は光が当たったところから赤が黄色に変わり，輝きだします。その一瞬の変化を見るために，山頂に登り，寒さに耐え，待ったのです。世界各地から来ている人々の口から歓声が上がりました。国と言葉は違いますが，感動は同じです。周りの人と思わず握手していました。暗い夜が明け，眠りから覚め，世界が動きだす，この瞬間が心に感動を与えます。感動が人に生命と元気を与えてくれます。
　エルサレムにベン・イェフダ通りという名前の通りがあります。最も人通りが多い所として知られています。このベン・イェフダという名前はヘブライ語再生の父として知られるエリエゼル・ベン・イェフダーから付けられました。彼は，聖書の中でしか使われなくなってしまったヘブライ語に命を吹き込み，もう一度日常語として再生させたのです。現在，イスラエルの公用語はヘブライ語とアラビア語です。標示には英語も併記されていますので，何とか困ることはありません。彼イェフダーが生涯貫いたことがあります。それは，太陽が昇るより早く起きるということでした。たとえ，病気の時であっても，旅に出ていても，彼はこの習慣を捨てることはありませんでした。夜明け前に起きることの幸いを彼は知っていたのです。
　新しい一年に新しいことを始めようと考えておられる方もいらっしゃるでしょう。夜明け前に起きると言うことに挑戦されてみてはいかがですか。恵まれます。
「私の魂は，夜回りが夜明けを待つのにまさり，まことに，夜回りが夜明けを待つのにまさって，主を待ちます」詩編130：6