天地（あめつち）始めて開けしとき，
　　　高天原に成れる神の名は・・・
　　　天之御中主神（あめのみなかぬしのかみ）。
　　　次に・・・
　　　高御産巣日神（たかみむすびのかみ）。
　　　次に・・・
　　　神産巣日神（かみむすびのかみ）。
と「古事記」の冒頭に書かれています。
　これまで私は，天之御中主神（あめのみなかぬしのかみ）をあまり重要に考えていませんでした。北斗信仰とか北極星とか…，後から付け加えられた神様…。とぐらいに考えていませんでしたが，天之御中主神（あめのみなかぬしのかみ）は，「古事記」の初源，根幹を成すもので，それは，物事を判断する上で大変重要な事であるということに気づきました。
　天之御中主神（あめのみなかぬしのかみ）は，文字に書かれるとおりの意味ですが，それがすなおに読めていなかったと思いました。
　「天（あめ）」というと，天（てん）とか，大空，或いは，空のまだ上この世のことではないような所とイメージしていました。辞書には，「人の上にある大きなるもの」と書かれていますが，「天（あめ）」とは，上にあるものではなく，すべてを指し示すことだったと気が付いたのです。
　天之御中主神（あめのみなかぬしのかみ）は，すべての中に存在する「主の神」だったのです。高い所に存在するのではなく，すべての中にあるということだったのです。
　その高見（たかみ）を見つめているのが，高御産巣日神（たかみむすびのかみ）だったのです。高見（たかみ）といっても，高い所を見ているということではなく，そのものの根源を見ている人のことです。
　私たちは，日々の生活の中で，自分自身を見ずとかく，人のことを見て暮らしています。
　目の前にある物，或いは，目の前に起こった事を他人はどう判断しているか？或いはどう判断するだろうかということに目を向けて，自分は，どう判断したのかという答えを出さないままに時に流されてしまって生きています。
　しかし，答えを出さなかったことが，その人の答えとして，人は評価するのです。
「それは私の考えでない」と言った所で，自分が下した判断になるのです。

　「阿波風」（投稿誌，無料）を，月一回の予定で発行しています。
　阿波に暮らす人が「阿波」の文字の意味をもっと意識していたい。ということが「阿波風」を発行する最初の動機でした。しかし，現在は，書く方の自由な題材で，感じたこと，考えたことなどを書いて投稿していただいています。
　「何か書いて投稿してみませんか。」とおすすめしても，書くことは，話したりすることと違い，自分の恥を残すことになるので「書けません」とか，「また後で，いいことが書けたら」と言って断られる場合が多いのです。今よりもっとすばらしい自分があると思い，すぐ書けないのです。
　今，ありのままの自分を見せ，すばらしい自分を現わして生きていますから，すぐ書けるのです。
　いつも自分を表現して，話したり，何かをして生きています。書くことは，自分が自分を見ることになり，自分の考えを修正し，自分が向上していくのです。現れなければ見る事はないのです。
　自分の気づいた事を，文字に変えるとすごいパワーに変わります。
　書くことは，自分を他人に見せているのではなく，本当は，自分を見つめ，自分を知ることになるのです。ですから，書き続けていると自分が大きく向上していくことがわかります。
　自分を見つめてどれだけの時を生きているでしょうか，日々，浮世に流されて生きてはいないでしょうか？ 意織を持つ人間が，何も感じず，何も表現せず生きているわけがありません。人は，生きること（人生）を楽しむために生きています。
　阿波では，踊る阿呆 （踊らな損そん）です。上手い下手はありません。あなたは，傍観者ではなく，この世の主役です。楽しんでいる自分を，あなたは見て生きていますか？
「楽しい方が楽しいよ」と囃す，阿波の心意気で，一緒に「阿波風」で表現したいと思います。
　今の自分が，望むこと・体感したことを，この「阿波風」に写してみてはいかがでしょうか。
　四〇〇字か八〇〇字までの原稿をお待ちしています。もちろん一行でも一文字「あ」だけでもいいのですよ。　　　締め切りは毎月１５日です。

　　　心より，ご投稿お待ちしています。