天の岩戸が開くとき 人は神に帰る 32
 人間読み   三村 隆範

 心の貧しい人々は,幸いである,
 天国は,その人達のものである
              【マタイ5-3】
 イエスキリストは,山上に腰を下ろすと群衆に向かって先ずこう言われた。

 心の貧しい人とは,
 誰のことを言っているのだろうか?

 これまで私は,他人事として読んでいた。

 キリストは「神は,唯一の主である。」【マルコ12-29】を「第一の掟」として掲げられている。この掟が,すべてを包括している。
 この「一つである」が,わかっていなければ,「聖書」を読んでも,「聖書」を読み切ることはできない。それは字面を読んだだけで,人間読み(人の考え)で読んだに過ぎないから,天国・神の国がみえているわけではない。だから,人間は,いつまで(何千年)経っても苦しみと迷いの世界から抜け出すことができない。

 心の貧しい人々は,幸いである,
 心の貧しい幸せでない人が,なぜ幸いなのか?
 幸せな人,幸せを感じている人は,すでに天国で暮らしているのですから,幸せにならなければ成らないのは,幸せでない人々です。
 心の貧しい人々は,それを幸せと思えないのですから幸せでなく,天国で暮らしているわけではないのです。
 ですからキリストは,「一つである」を,まず最初に掲げている。幸せな所にいて幸せを感じることができない心の貧しい幸せでない人々。
「幸せを心に感じない(貧しい)あなたは幸いだ。」幸せでないから,あなたは幸せになれる。
「幸せは,幸せでない,あなただけのものだ。あなたは,必ず幸せになれる。心豊かになれば…」「幸せは,ここにある」と語りかけているのです。

 門が開くと同時に,
 天国は,あなたのものです。


〔編集後記〕

 年年歳歳花あい似たり
 歳歳年年人同じからず
   【劉廷芝(りゅうていし)】

 新年度の始まる人の世は,始まりがあり終わりがある。
 悠久の大自然の中に暮らしながら,狭い穴ぐらに暮らすことを好む人間は,自らを苦しめる事もできるし,楽しむこともできる存在だ。
 当たりハズレを感謝し。有ると無いを感謝する。また,当たりハズレを楽しみ,有ると無いを味わう。

【真瑠吾視比古(まるごしひこ)

 発 行 サークルアマテラス 阿波風の会
           題字 坂本真人
           制作 三村隆範
           編集 真瑠吾視比古

【ご投稿の おすすめ】

 「阿波風」(投稿誌,無料)を,月一回の予定で発行しています。
 阿波に暮らす人が「阿波」の文字の意味をもっと意識していたい。ということが「阿波風」を発行する最初の動機でした。しかし,現在は,書く方の自由な題材で,感じたこと,考えたことなどを書いて投稿していただいています。
 「何か書いて投稿してみませんか。」とおすすめしても,書くことは,話したりすることと違い,自分の恥を残すことになるので「書けません」とか,「また後で,いいことが書けたら」と言って断られる場合が多いのです。今よりもっとすばらしい自分があると思い,すぐ書けないのです。
 今,ありのままの自分を見せ,すばらしい自分を現わして生きていますから,すぐ書けるのです。
 いつも自分を表現して,話したり,何かをして生きています。書くことは,自分が自分を見ることになり,自分の考えを修正し,自分が向上していくのです。現れなければ見る事はないのです。
 自分の気づいた事を,文字に変えるとすごいパワーに変わります。
 書くことは,自分を他人に見せているのではなく,本当は,自分を見つめ,自分を知ることになるのです。ですから,書き続けていると自分が大きく向上していくことがわかります。
 自分を見つめてどれだけの時を生きているでしょうか,日々,浮世に流されて生きてはいないでしょうか? 意織を持つ人間が,何も感じず,何も表現せず生きているわけがありません。人は,生きること(人生)を楽しむために生きています。
 阿波では,踊る阿呆 (踊らな損そん)です。上手い下手はありません。あなたは,傍観者ではなく,この世の主役です。楽しんでいる自分を,あなたは見て生きていますか?
「楽しい方が楽しいよ」と囃す,阿波の心意気で,一緒に「阿波風」で表現したいと思います。
 今の自分が,望むこと・体感したことを,この「阿波風」に写してみてはいかがでしょうか。
 四〇〇字か八〇〇字までの原稿をお待ちしています。もちろん一行でも一文字「あ」だけでもいいのですよ。   締め切りは毎月15日です。

   心より,ご投稿お待ちしています。




  風となり波となり
  宇宙に漂い現れ
  広がっていく

見えないものは
見えるものを通して見える
それが見えるなら
幸せのつつまれる