三木家古文書について(その24の2)
               三木 信夫

 前号の(その24の1)で,花園天皇大嘗祭での麁服(あらたえ)に関する官宣旨について述べたが,その官宣旨と対である花園天皇大嘗祭に関する太政官符について説明する。この文章は,「太政官から阿波国司に対して麁服を受け取るために勅使が神部二人をつれて下向する。」旨を伝えたもので,特に鎌倉時代の太政官符は珍しく,朝廷の重要儀式のため,古例を尊重して発したと思われる。しかし後の後醍醐天皇の大嘗会の太政官符には,文中に「件の人荒妙の御衣使いにつかわす」と明確に麁服(あらたえ)受取に勅使派遣を明文化している。往古より阿波忌部氏が大嘗会のみに貢進する「麁服」が,いかに重要なものであるかがうかがえる。


 (太政官符訳)

 太政官符阿波国司
 使いとして従五位下 斎部宿禰□継
 神部弐人
 右神祇官の解を得るにいわく,大嘗會(だいじょうえ)に荒妙の御衣を織りまいらしめんが為に,件(くだん)らの人を差しつかわして,例に依って申し送ること件の如し,てへれば國宜しく承知して件に依って之を行え,符到らば奉行(ほうこう)せよ。
 修理右宮城使(しゅりうぐじょうし)従四位の上行(ぎょう)右中辨 藤原朝臣 判
 正五位上の行左大史 小槻宿禰(おつきのすくね) 判
       延慶(えんぎょう)二年九月 日

 昔は節分の夜は近所のあちこちから「鬼はそと」「福はうち」と豆撒きの掛け声が聞こえていたが,最近は聞かなくなった。我が家は相変わらずひつこくそれをやっていたが,近くのスーパーが昨年暮れに閉店したため炒り豆が手に入らなくなったのと,子供たちがみんないなくなったのとで,今年は止めにしようと思っていた。ところが嫁さんの実家から炒り豆が留守中に届いていたので,やることにした。本来は入り口や窓全部で,内から外へ,そして外から内へ豆を投げるのだが,横着を決め込んで主要な窓だけにした。そこで一首。

 だれも居ぬ家の内より鬼は外
   鬼でも客に来てほしいのに

裸足           サイトウ シゲジ

道ばたに座り込んで考えてみる
もう何十年も生きてきたんだなって
この世はやっぱり変なとこだ
自分ではいちばんだと思うことをやって来て
ふっと足元を見てみたら
なんだ靴さえも履いてない
昔のまんま 裸足のまんま
したいことをしてきたんだ 仕方ないだろう

これまでいろんな奴に会ってきた
この世は変な奴ばっかりで
俺から奪うことだけを考えている
毎日毎日がサービスだ
でももう売るものも尽きてきた
そろそろ19の時に戻りたい
年をとったと思うのは間違いで
時間なんて時計屋のせこい商売道具だ
俺はいまでも生まれたときのまんま
道ばたに座り込み裸足の指先をみつめている

俺はほんとのことを知っている
だから俺は[さよならみんな]って言うんだ
俺はほんとのことしか知らない
だから俺は[さよならみんな]って言うんだ
俺はいまでも生まれたときのまんま
道ばたに座り込み裸足の指先をみつめていた

メタボ        琴江 由良之介

 窓の外に野鳥がきている。
 研ぎ澄まされた ( やいば ) のように飛来してくるはずの,えっ あれがセグロセキレイ?
 着地するたびに,
 ドタッ!
 山鳩かと思った。
 ドタッ!
 おまけに,ブル,ブルルゥ〜ン 垂れ下がった下腹がふるえて……。
 排水溝は栄養価満点。加工食品をのべつ食い続けて,飽食は,ついにここまできた。
 しめ縄やお札を燃やしているその炎の脇で,お鏡を捨てている不届き者がいる昨今,神をも恐れぬ,そんな「人間サマ病」がうつったんだとしたら,ユリカモメがインフルエンザに罹っても仕方ないかも?

「はやぶさ」の展示場見学  近藤 隆二

 1月24日(月)板野町のあすたむらんどの子供科学館で,四国でははじめて「はやぶさ」の展示がされていたのを見学させてもらいました。
 県外の方もたくさん見学に来られていました。
 「はやぶさ」は小惑星「イトカワ」の探査機として三菱重工が製作して,平成15年(2003)5月に打ち上げられてより7年かけて宇宙を旅し,平成22年(2010)6月に地球へ帰還されました。
 プラネタリウムで「はやぶさ」の7年間60億kmに及ぶ探査の内容を見て,私は感動をいたしました。
 重さ17kgの小さなカプセルですが,説明ではロボットとしての機能を備えていて,探査の目標である小惑星「イトカワ」(大型タンカー位の大きさ)の調査をして,着陸できる場所を「はやぶさ」が見つけ出して,その場所へ着陸して採石し,すぐ離陸する。難度の高い事を1回目は失敗するが,再度試みて成功する。地球へ帰還しようとするが途中何ヶ月も地球との交信が途絶えてしまう。しかし,再び交信出来るようになり,無事宇宙から大気圏へ突入しオーストラリアへ着地した。大気圏突入時は約1万度の高温にさらされるが,燃え尽きることもなく無事地球へ帰還した。
 目的に向かって進む姿は人間のようで,見ていると自分自身が「はやぶさ」になったみたいで,情が移り,失敗しても又再度立ち向かって実行していく姿に感動しました。