病の元は,心から。(全ての事に心から感謝!!)
                 山田 章

 昨年の初秋,S君と二人でニューモラル9月号を近所の小学校に配布して別れた。其の数日後,S君が脳梗塞で倒れた。急ぎお見舞に行った。
 会って驚いた。右半身が不随であり,口を開けて声にはならない,最悪の状態であった。その様な状態にもかかわらず,S君は普段と変わらない顔をして私を迎えている。又,別れる時には「ニコ」と笑う様な余裕さえ見せた。彼の人格に感服をした。
 その後,12月の下旬に入って,私達夫婦は鳴門病院で持病の診察を受けた。私は前立腺癌の疑いでした。家内は右肺中央に影が有る疑いでした。その後,家内も私も平常心では生活が出来ず,とてもS君の様な気持ちで生活は出来なかった。
 モラロジーの教えで,千九郎博士は,お助け一條の本の中に,次の様に書いて有る。我が心の事を「心一つは,吾の理」とあります。何事に於いても心の働きが唯一大切である。と述べられています。
 語録139頁に次の様に有ります。最高道徳の完成は,精神伝統の恩を感じ,これに報恩することによって成立す。自分との血統もなく国家もなく。金力なく。かつ権力なし。ゆえにこれに報恩するので,病がなおり,長命し,大運を開く。を得。理解して報恩するのは「知なり」。感じて実行するのが道徳なり。この区別を知る要す。
 私は,知で終わって来た。大自然も人間界も全てが大自然の働きの中にあって,平均と調和の中にある。此の事を知って常日頃に報恩の心が沸いて実行することが,人心の開発救済であります。今年こそ,此の心で一新して実行に取り組んで行きたく思っております。未熟な私ですが,一層のご指導をご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

すべての思いを家族に 77
好き 嫌い
         田上 豊

 人間の判断基準は好きか嫌いか損か得かです。
 私達は人の好き嫌いを勝手に分けているのです。本人は幸せなのです。
 人の不幸比べ,不幸せコンテストはみな横から見れば十分幸せです。
 私達感謝が足りない分,自分に不平,不満が満ちているのです。
 何に感謝したら良いのか判らないのです。呼吸もイライラも満腹も腹ぺこも生きられて居ること自体に感謝が出来れば幸せです。
 幸せって単純なのです。感謝と善い行為で人生は動くのです。単純すぎて信じられないのですね。見れば感謝は近くにあるのです。
 今まで数多くの知識,常識とか習慣,要らない物を整理整頓ができれば新しい物が入るよね。
 心に詰め込んだ不必要な物,汚い物を捨てれば軽くなるよ。自分の価値基準を見直すのも良いでしょうね。余りにも不必要な物を持ちすぎているよね。

電気カミソリ      石渡 修司

 このところ,毎朝,髭を剃るのが楽しみになった。電気カミソリを使っている。剃りあとが気持ちいいのに満足している。それだけではなく,この電気カミソリが,子どもたちからの誕生日プレゼントであることも,気持ちを嬉しいものにしてくれている。
 子ども達が,それこそ子どもであった頃,誕生日には家族でお祝いし,いつもという訳にはいかなかったが,プレゼントを渡し,喜んでもらえることが,何よりも嬉しいことだった。
 私たちは,喜ぶことを求めがちだが,本当の喜びは,他の人を喜ばせ,人が喜ぶことを一緒に喜べることほど,大きな幸いはない。人を喜ばせ,自分も喜べる,喜びが2倍にも,数倍にもなる訳である。喜びは,そのように増殖するものなのである。だから,喜びは自分でひとり占めするなら,それだけで終わってしまう。喜びは分けてこそ,喜びとなる。本物の喜びかどうかは,案外,人と分かち合うことができるかどうかで,判断できるものなのかもしれない。もしかしたら,人と分かち合えない喜びは,どこか歪んでいて,素直な喜びとはいえないものであるのかもしれない。
 そんな,色々なことを考えながら,今朝も,子どもたちからのプレゼント(クドイ!)の電気カミソリを気持ちよく使っている。もちろん,感謝の気持ちを忘れることなく。
 「受けるよりは与える方が,幸いである」使徒言行録20:35

「太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男- 石渡 路子

 「波阿波」で,平澄子さんが自己紹介されておられましたが,その大ファンの竹野内豊主演映画「太平洋の奇跡―フォックスと呼ばれた男―」を連れ合いと一緒に見て来ました。太平洋戦争のサイパン島であった事実に基づいた話です。
 サイパン島がアメリカ軍によって占領されてから,512日間,生き残った日本兵47人が抵抗し続け,最後に生きて投降しました。その間に,民間人を保護し,その民間人を無事に収容所に送り出します。そこに貫かれているのは,「生命の尊さ」でした。「生きて,日本に帰ろう」の言葉に凝縮されています。
 このような極限状況の中では,苦しさから逃れたいということで,死に走りがちになると聞いています。映画の中でも,そのような場面がありました。「死ぬために闘うのではなく,一人でも多く殺すために闘うのだ」と,竹野内豊演ずる大場栄大尉が言います。その言葉が,幾つかの出会いによって変えられていきます。「生命を守るために闘う」兵士へと変わっていきます。守るべき民間人と別れた後,次は生き残った兵士を守ることが大場大尉の使命となっていきました。
 大場大尉という稀有な指導者と彼に忠実に従っていった兵士たちの信頼があって,生まれた奇跡だと思います。信頼とその信頼に答える,その関係こそが奇跡を生み出すのだと思いました。
 「わたしが父の内におり,父がわたしの内におられると,わたしが言うのを信じなさい。もしそれを信じないなら,業そのものによって信じなさい」ヨハネによる福音書 14:11
 現在,生命が軽んじられています。そのような私達に,「生命の尊さ」を,もう一度考えさせ,爽やかな感動を与えてくれました。
 平澄子さんは何回見るのでしょうか。元気がほしい時に,また見ようと思いました。

「ピカマルくんとメルミちゃん」 澤田 織世

 NHK教育テレビで放送している「つくってあそぼ」は,息子と娘の大好きな番組の一つです。その中でしていた獅子舞ショーを見て,今度はこの作品作りに挑戦しようと思いました。
 息子が作った獅子舞は「ピカマルくん」,私が娘に作ってあげた獅子舞は「メルミちゃん」という名前にしました。
 鳥取では,古くから「麒麟獅子」という獅子舞が伝統です。麒麟獅子に頭を噛んでもらった子どもは,長生きをするという言い伝えがあります。
 春になると,パパは地域の人達と協力して麒麟獅子を舞います。その横で,息子と娘も手作りの獅子舞で楽しそうに舞っている様子が目に浮かびます。