忌部 ( いんべ ) 雑考(その3)     三木 信夫

 古語拾遺は,宗家の天太玉命が天日鷲命など支族の神々を「率いて」としているが,之よりも前の720年に編纂された日本書紀は,忌部の神々を対等に記載している。
 律令制による中央体制は,国政を総括する行政の太政官と神祇の祭祀をつかさどる神祇官等に分かれる。神祇官の組織は長官が「伯」(=従四位下)・次官が「大副(たいふ)」(=従五位下)以下少副(しよう)(=正六位上)・大祐(だいじょう)(=従六位上)・少祐(しょうじょう)(=従六位下)の管理職があり,伯以外は慣例として中臣・齋部・卜部のうちから任ずることになっている。中央齋部が少副や大祐に任命されていた事は,三木家文書にも多くの例をみる。
 京師にある忌部は,神祇官に仕える者が忌部氏長者を兼ねることで,その長者が中央祭祀に関して地方忌部氏族に対し祭祀官としての支配力を持っていたことから,「率いて」と従属的に記載したと考えられる。
 安房系図によると,天太玉命と天日鷲命は姻戚関係にあり,又後の天日鷲命の孫由布津主命と天太玉命の孫天富命の娘飯長姫命と結婚している。

 松本善之助著の「ホツマツタヘ」は上下2冊になっていた。上巻はどうして「ホツマツタヘ」を知るようになったか,そしてどこで手に入れたかどうやって解読したかを述べている。さらにそれに対する真贋の評価判定。下巻はホツマツタヘの原文を上段に,その下には日本書紀,最下段には古事記の文章を対比して並べてある。これで見ると日本書紀とは一致している所が多い。日本書紀がホツマツタヘを写し取ったのか,ホツマツタヘが日本書紀を写し取ったのか分からないが前者が漢文口調であるのに対し後者はすべて大和言葉で五七調の長歌形式。現在使われていない古語の部分を注釈してもらえば通訳無しでその意味が分かる。一方日本書紀はかなり漢文の素養がないとすんなりとは分からない。古事記には一致する所が少なく,特に国産みに相当する部分がホツマツタヘにはない。主に人皇になってからのことが書いてあって神様の名前が複雑に入り組んでややこしい。印象としては古事記とは別個の物語のような感じだ。いずれにしても件の彫刻家がこれの研究者に引き合わせたいというので三村さんと行ってみることにする。

満身創痍         サイトウ シゲジ

武器と弾薬を持たされて
見知らぬ土地に下ろされた
ヘリは飛び立ち
おれはひとりぼっち
傷だらけでもう歩けない

何の変哲もない田圃の真ん中で
おれは生死のことを考えねばならない
くらい闇夜の中で
おれは命のことを考えねばならない

その朝
兵隊のかわりにぼくが目ざめていた
布団の中でぐっしょり汗をかき
手には手榴弾
もうすこしで窓ガラスに投げつけるところだった

殺されはすまい
どこかでそんな声がした
生まれた場所と時間が違うだけで
ぼくにはまだ希望があった
ぼくにはまだまだ時間があった

朝の風はひんやりとして
ぼくの身体を吹き抜けてゆく

信じられないが
生死のことや命のことを
世界のどこかで考えているひともいるのだ

田園交響楽     琴江 由良之介

 青葉若葉はたちまち色濃くなって,生きとし生きるものがせっせと営みにはげんでいます。
 暗くなると,カエルの大合唱が始まる。すでに産卵し終えたか? それとも,これからか? やがて,おびただしいオタマジャクシが孵って,あぜの縁に真っ黒にかたまって,足音が近づくと,ぱっと八方にかき散ります。
 ミズスマシもいれば,ゲンゴローも,その下ではノソノソとヤゴが這っている……田んぼは水生動物たちのパラダイス。
 小学校の理科室で,バケツにすくってきたのをビーカーに移して,水族館みたいにして眺めていた頃がずんずんよみがえってくる。
 教室の窓のすぐ下から水田だった。それは,どこまでも,どこまでも,海岸の松林に行き着くまで拡がっていた。

すべての思いを家族に 80
ウイークポイントとプライド
   田上 豊

 私達はそれなりにプライドを持って生きています。こちらから,お願いをすると借りをした事なります。相手にこれだけ,したのだから今度は貴方がする番です等と思うのも一つのプライドです。貸し借りのプライドです。プライドで人生とか運は向上しません。
 コンプレックスは一つのウイークポイントです。ウイークポイントをチャームポイントに変えることが出来るのです。弱点,劣等感を背中に背負い,心に弱点を抱え自分を守ろうとして必死なのです。我慢心では身も心も疲れるのです。もっと素直になり屁理屈や警戒心を取り除けば楽に,楽しく生きられるのです。
 トヨの仲間では自分の欠点や,醜い心をさらけ出せる人が居るのです。汚い心に綺麗な水を入れる訓練をする人がいるのです。少しずつ綺麗な水を注ぐのです。注ぐことを皆の前で宣言する事で,ウイークポイントがチャームポイントに変わってくるのです。でも人の前でウイークポイントを晒すと,それを聞いて人の不幸を喜ぶ輩も居るのです。信頼出来る人か,そうでない人かを見なくてはいけないですね。
 汚れたものを捨てると荷物が小さくなって少しは軽くなるよね。その分幸せに向かうのです。毎日の訓練状況をチェクする事で日々前進するのです。私達の人生は日々刻々変化しているのを知ろう。

『BBQ』がしたいんです    陶久 大樹

 皆さん,GWはいかがお過ごしでしたか? 僕は遠くにも行かずひたすら野山と海を行き来してアウトドアライフを満喫していました。徳島にはいろんな遊びが出来る自然があり,外遊びの天国ではないかと思います。ビルや映画館は作れますが,カヌーくだりが出来る川やトレッキングができる山はちょっと作れないですよね。田舎環境に感謝です。
 アウトドアライフを過ごしていたため,今,無性に,バーベキューがしたいんです。ただそれだけなのですが,この気持ちは半端ないくらい純情なのです。最近,焼肉生食関係では暗いニュースが飛び交っています。翻って僕は炭火でカリッと焼いてジューッジューと滴る肉汁を口に運びたいのです。もちろんバーベキューの醍醐味は外ですることです。新緑のやわらかい草木と時折薫るエグミのある栗の香り,水田には蛙が泳ぎまわり,蚊はいなくて,昼は暑いけど夜はちょっと肌寒いくらいが丁度いい季節。あぁあの炭火で焼いた肉の香りを想像するだけでいても立ってもいられなくなってきました。この文章を書いていたらもう夕方,いい時間じゃないですか。我慢できん! 今から火を起こしてきます。
 そんなこんなでこれからBBQをやることにしました。思い立ったが吉日,行動に移してなんぼですよね。今日は田舎に美味しい香りが漂い,舌鼓が響き渡ることでしょう。近所を気にせず,BBQができる環境にも感謝,ですね♪