振り返れば奴が居る

InterTrax2 + Cy-visor DH-4400VP

(3)

 

◎TOHOHO発生。そして増殖っ!!

エーアイキューブの Web ページのFAQ にある、次のお約束を守っても改善見られず。

ドリフトが起きる場合は?

  1. アプリケーション立ち上げ時に5-6秒、水平に保ったまま動かさない

  2. 使用前5分間ほど通電しておき、ウォーミングアップをする

  3. 正面を向いて(InterTrax2 の)リセットスイッチを押す

 

何故だぁ〜〜!どーして勝手に視界が動き回るんぢゃぁ〜〜〜っ!!

と悶絶しながら、ALT+F4 で Flanker2 を強制終了しては次のような対策を講じ、再度 Flanker2 再起動。そして同じ症状。(T^T)

すべて効果無し。

続いて Flanker2 ではなく、エーアイキューブの Web サイトにて InterTrax2 を利用したフライトシムのプレイ設定例として紹介のある、Microsoft FlightSimulator 2002 でチェック。こちらはネイティブモードなので JMouse の常駐は無し。しかし…動きそのものは Flanker2 の画面撮影動画より滑らかで連続しているものの、やっぱりドリフトが起こることには変わりありません。

ここで、この AthlonXP マシンは FSB を 144MHz に OverClocking していたことを思い出し、定格の 133MHz に戻してみると…ドリフトはぐっと納まり、数秒で前方視界が消えていたのが、十数秒は保つようになりました。しかし完全には払拭されません。保つようになったとはいえ、勝手に動いていくことには変わりなく、これでは実用になりません。

また、PCI カードの USB ホストアダプタを利用した場合、USB ホストアダプタが使用する IRQ と、LAN カードが使用するの IRQ を共有させると、ドリフト量が大幅に増大する現象も見られました。

色々試すうちに、両脇を少し大きめのオーディオスピーカで囲んだトリニトロン管モニタから InterTrax2 を遠ざけるほど、若干ながらドリフトの移動速度がゆっくりになることが判りました。

InterTrax2 には3個の耐震性ピエゾ・セラミックスジャイロ、2個のシリコン加速度計、3個の地磁気計が内蔵されており、これらのセンサから得られるデータを内蔵プロセッサで処理することで、PC側に通信系以外の負荷をかけることなく、極めて精密に頭の向きを検出しているそうです。感度の高いセンサを使うほど、使用環境において定常的に発生している電磁波・磁界がセンサに与える影響は大きいでしょう。

しかしモニタおよびスピーカから4m程離れたところに InterTrax2 を置いても、30秒もしないうちに視界は正面から横斜め下方向に勝手に動いていってしまいます。

後日エーアイキューブ担当者の方から頂いたメールによると、「近くに金属や磁気製品がない状態でのご利用をオススメします。(会社で2台横に並べると必ずドリフトします)」とのことでした。

 

一晩徹夜で試行錯誤を繰り返した挙げ句、とうとう Athlon XP マシンでの InterTrax2 の使用を諦め、サブマシンである Pentium4 マシンに GeForce3 Ti500 カードを移植し、こちらのマシンで試してみることにしました。

 

Pentium4 マシンに InerTrax2 のドライバをインストールした後、本体を接続し、コントロールパネルのゲームオプションには "InterTrax2" の名前があることを確認。しかし…

InterTrax2 動作確認&Demoアプリ "Direct3D Demo" も、InerTrax2 検出アプリ "IsDemo"も、そしてゲーム互換モードにするための "JMouse" も、みんな 「InterTrax2が繋がってないで?」と曰うではありませんか!!!(火暴)   Σ( ̄∇ ̄lll)

ダミだこりゃ。こんなときは、一旦寝るに限る。

 

◎我に制せぬTOHOHO無し。(c)Foobar

翌日土曜は OFF 会当日。InterTrax2 は結局、昨夜のうちに動作させることが出来なかった旨を3人に説明し、折角遠路はるばる来て頂いたことでもあるし、マシン構成を元に戻して、とりあえず普通の OFF 会。

Flanker2 アクロ飛行隊 "KATANA" 隊長である Tinkerbell 氏と、Kali 古参だけど歳は若い(笑) 凄腕の「隊長機ストーカー」 AERO 氏の2人による、Flanker2 での見事な編隊飛行を堪能させて頂きました。各人1機のAI機を従えて、計4機で編隊組むとわ。すげ〜 (@O@)

寝不足でフラフラになりながらも、やはり楽しい OFF 会。いつもの Kali chat でやってるのと変わらぬ馬鹿話で盛り上がります。(笑)

そんなこんなで土曜日が過ぎ、AERO氏は即日帰宅。お疲れさまでした。

旅の疲れがどっと出て、深夜にして早々に眠りこける Tink 氏と okamasa 氏。

 

そして私は…第二ラウンド開始。このまま動かずに返却、となっては、折角の試用機会を与えてくださったエーアイキューブ様にも申し訳無い。なんとしてでもこれを動かさねばっ! と、気合いを入れて InterTrax2 との格闘を再開。

第2夜はターゲットを Pentium4 マシンに絞り、各種アプリケーションが InterTrax2 を見つけられずにいる原因を探るところから始めました。

夜も更けゆく丑三つ時、ふと常駐プログラムを全部落としてみよう、と、起動していた常駐ソフト類を総て終了してみたところ…なんとっ! JMouse が InterTrax2 を検出っ!! 「常駐プログラムの解除」は、ソフトが動作しなかったときの基本中の基本ですが、寝不足で朦朧とした頭には思いつかなかったようです。(- -;

それから常駐プログラムを一個づつ入れては JMouse を起動し、原因となっていたプログラムを特定。この Pentium4 マシンでは、キーボード・マウス一体型、赤外線ワイヤレス仕様である "ACER AIRKEY" というキーボードを接続しています。このキーボードのドライバをインストールすると、キーボード上のサウンド音量調整やメール・ブラウザ起動ボタン等の特殊ボタンを有効にするための常駐アプリ "Multimedia Keyboard" なるものがインストールされます。このアプリが原因でした。速攻でコントロールパネルの「アプリケーションの追加と削除」から "Multimedia Keyboard" を削除。これで Pentium 4 マシンにおける問題は解決ッ。(*゚▽゚)ъ (こうすることでキーボード上の特殊キーは使えなくなるのですが…まぁ、今までも使ってはいなかったので、ヨシってことで。(^^;)

 

これでなんとか、Pentium4 マシンにて InterTrax2 を使用できるようになりました。

(注)

実はまだこの Pentium4 マシン上における問題として、JMouse を終了させようとすると、JMouse がエラーダイアログを出して異常終了する、という問題が残っているのですが…これを解決するには、時間が足りませんでした。(^^; とりあえずは InterTrax2 を使えるってことで、放置。

この問題は AthlonXP マシンでは発生しておらず、最終的には OS の再インストールを行えば発生しなくなると思うのですが…それもなかなか時間がね。(^^;

 

さぁ、いよいよ Flanker2 を起動。ブラウン管前の比較的電磁波・磁界コンディションが悪そうな場所に陣取って(ここが私のメインの居場所なので(^^:)、InterTrax2 が地面に水平になるようにヘッドマウントディスプレイを卓上に置き、心を静め、床に正座し、居住まいを正して Flanker2 のアイコンをダブルクリック。さぁ…どうなる…

Flanker2 起動。メインメニューが表示されました。今度は見事、マウスカーソルは微動だにせず!!

本物のマウスでマウスカーソルを操作し、ミッションを選んでフライト画面に突入。見慣れたコックピット画面が現れました。普段どおりに操作出来ます。

でも、まだまだ。まだ判りませぬぞ。本当に動作してるんでしょうか? InterTrax2 のゲーム互換モード…

ドリフト防止待ち時間である5〜6秒間が経った後、いよいよ被るべく、ヘッドマウントディスプレイを手に取りました。と、

モニタの視界画面が動いたっ!!!!!!!!!!!!!!

(*゚▽゚)ъ (*゚▽゚)ъ (*゚▽゚)ъ (*゚▽゚)ъ ヤタッ!

そーっと、そーーーーっと、ヘッドマウントディスプレイを被り、視界を確かめます。持ち上げて被る動作を行ったときに視界がずれ、右横を向いた状態になっていましたが、装着後正面を向き、おもむろに InterTrax2 本体上部に付いているリセットスイッチを数秒間押下。パッと視界が前方視界に切り替わりました。

そのまま正座して息を呑み、硬直する私。視界は…ドリフトしませんっ!!!(*゚▽゚)ъ

そーっと、本当にそーっと、泣きそになりながらそーっと、右へ、左へちょっとだけ首を振ります。と、視界が首の動きに追従して動くではありませんかっ!!

我、TOHOHO退治ニ成功セリッ!!

今度は大きめに、首を右へ、左へ。視界は首の動きに従って、右へ、左へ。ひょいっ、と空を仰げば、視界もそれに追従してひょいっと空へ。そのままじーっと動きを止めれば、ぴくりともドリフトせずに視界は静止します。

(*゚▽゚)ъ

大成功。幸いにも、Pentium4 マシンの方では InterTrax2 をまともに使用できる模様です。

ここで鼾をかいて熟睡している Tinkerbell 氏と okamasa 氏を文字通り平手で叩き起こし、成功したことを報告。二人とも半分眠った頭でベッドの上に座り込み、ヘッドマウントディスプレイを装着して頭を動かす私と、画面の様子が映し出されている液晶モニタを交互に見比べ、何が起こっているのかじーっと考えた末…「おおおおおおおおっ 動いとるっ!」

とりあえず報告が済んだところで、これから、私はこのサブPCに各種マウスルック可能なゲームをインストールする作業を行う、とお二人に伝え、再びお休み頂きました。…フフフ。これで朝までワタシの独占もーど。(悪)

念のため、再び AthlonXP マシンに GeForce3 カードを戻し、こちらのマシンで使用しているロジテックのワイヤレスキーボードの常駐アプリを含む総ての常駐プログラムを解除してみたのですが…こちらのPCでは InterTrax2 の検出は元々問題無いし、ドリフトは相変わらず発生しました。何故でしょうね〜。結局 AthlonXP マシンでドリフトを止められない原因は、借用した物を返却するまで解決出来ませんでした。

(注)

後日、エーアイキューブ様から Athlon マシンにおける InterTrax2 の動作確認報告を頂きました。

Athlon 1.4GHz FSB 266MHz リテールパッケージ
ASUS A7M266 Motherboard with onboard audio (日本限定版)
256MB non-ECC PC2100 DDR RAM × 2本 (512MB)
GeForce3 64MB DDR AGP card - ASUS V8200
Windows 2000 OEM (Japanese)

という構成のPCにおいて、他のデモ機である Pentium3 900MHz マシンと同等に、ドリフトは発生しなかったそうです。

私の AthlonXP マシンとの構成上の大きな違いは、CPU が Paromino コアである AthlonXP ではなく、Thunderbird コアの旧 Athlon であること、マザーボードのチップセットが VIA 製 KT266a ではなく、AMD 製の AMD-761 であること、OS が Windows 9x 系ではなく、NT系列である Windows 2000 であることの3点です。CPU の違いはあまり関係ないと思うのですが…私見ですが、もしPC構成上の問題であるなら、マザーボードで使用しているチップセットの違いに起因する可能性が高いかな、と感じています。(もっとも、USB コントローラが内蔵されている South チップは、どちらのマザーも VIA 製のチップ(ただしチップの種類は異なる)なのですが…)

しかし問題がPCにあるとは限りません。エーアイキューブ様では「起動後のウォームアップ不足」や「InterTrax2 を使用した場所における磁場の影響」を主な原因ではないかと考えておられます。しかし同じ場所にて、Pentium 4 マシンでは問題なく、至極安定して動作しておりましたし、複合的な要因かもしれません。

今のところこの件に関する原因は不明のままです。何か分かり次第、新たにページを設けて報告したいと思います。

今回の目的はヘッドマウントディスプレイとヘッドトラッキングセンサー InterTrax2 によるフライトシムを体験することでしたから、AthlonXP マシンでのドリフト問題を解決することはやめ、Pentium4 マシンの方で時間が許す限り各種ゲームを試してみることにしました。

 

いよいよ次回、InterTrax2 と Cy-visor DH-4400VP による仮想世界体験をレビューします。(o^-')b おたのしみに。


2002/03/06(水) 01:23 HUQ
mailto: huq@ah.wakwak.com