振り返れば奴が居る

InterTrax2 + Cy-visor DH-4400VP

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◎その後の調査報告

2日間に渡りエーアイキューブ様からお借りしたデモ機の InterTrax2 + DH-4400VP のレビューは前回までで完了しましたが、今回はその後製品版で調査した結果をお送りします。

そうそう、4/8 発売の Online Player 誌にも、件の Fuji 氏による同システムのレビュー記事が1ページ程載っています。こちらは FS2002 関連の記事の一部として取り上げられています。…妹に被せて、飛行中バンクしながら翼の下がってる側のドアを開けるとは悪人め。(謎

さて、本題に戻って。

ヘッドマウントディスプレイ DH-4400VP の画質で一番気になっていた「画面のちらつき」ですが、これは単に私の調整不足であったことが発覚。一度ピント調整を試みて、誤って DH-4400VP のリセット操作をしてしまった後、時間が無く再調整せずに使用していたのが原因でした。(- -;;

DH-4400VP の調整メニューにある "FLICKER-L" "FLICKER-R" を調整することで、左右別々に画面のちらつきをキャンセルすることが出来ます。

 

ちらつきが無くなって俄然良好になったヘッドマウントディスプレイの画像ですが、やはりフライト中画面の4隅に表示される文字を読むのは大変辛いです。800x600 画面で行う IL-2 の Multiplay で、画面左上に出るチャットの、プロポーショナルフォントの(間が詰まった)ローマ字を読みとるのは極めて困難でした。丁度目が疲れたときに霞んで見えるような状態に見えます。

しかし、画面中段の左右の端に出てくる文字等はクッキリハッキリとしており、全く問題なく読むことが出来ます。

 

こういった光学系製品であれば、普通確実にピント調整機能が付いている筈なんですが…あれこれ探してみたものの、目の間隔を調節する機能はあるのですが、ピントの調整を行う手立てが無いのです。(T^T)

このため、私のように視力が両眼 1.0〜1.5 の人はクリアに見ることが出来るのですが、メガネを使用している人はボケボケに見えてしまうようです。メガネの上から被る方法もあまり具合がよろしくないそうで、当家に遊びに来たメガネ使用者は、例外なくメガネを外してボケボケの画像のまま試しておられました。(^^;

アイピースから眼球までの距離を変えることで、ある程度のピント調整は出来るようですので、付属の長い方のゴム製ライトシールドを装着し、自分の目に合うピント位置を常時保持出来る長さに切ってしまうのも手だと思います。しかしこれでは視力が極端に悪い場合は調整不能となるのが目に見えてますので、やはりコンタクトレンズを併用したが良いと思います。

現行の DH-4400VP に一番必要なのは、このピント調整機能だと強く感じました。

 

前述の「長い方のゴム製ライトシールド」ですが、これを装着するとピント位置が安定し、周囲が見えなくなることによる没入感が激しくアップすると同時に、全く手元が見えなくなります。

そこで手元が見えるよう、両眼の目の下側にあたるゴム部分を1.5cm×1.5cm程ハサミで切り取ってみました。

これ、非常に良好です! ピント位置はしっかりホールドされますし、左右からの光は遮断され、手元は膝頭ぐらいまでを見ることが出来ます。

あまり大きく切りすぎると、装着したときゴムが立たなくなるので注意してください。

ついでに自分の鼻の形にあわせてライトシールドの接顔部のラインをカットすると、フィット感が増します。ピント位置調整を兼ねますので、慎重に少しずつカットするようにしてください。

カットに失敗したときや、カット後経年劣化で破れてしまったときのために、このライトシールドを消耗品として別売りしてくれないかなぁ…

 

残念ながらこの問題は未だ解決していません。しかしエーアイキューブで Athlon + A7M266(AMD761チップ) という構成のマシンでチェックしていただいたところ、全く問題無かったそうなので、「Athlonマシンだと×」というわけではなさそうです。

この問題はエーアイキューブでも引き続き調査していただけるそうで、新しい情報が入り次第お知らせします。

また私のPC環境が変わったときの動作状況も逐次報告します。

 

WW II 時代の機体を用い、仮想国家に別れて大規模なオンラインプレイで人気を集める AceHigh ですが、このシムでは残念ながら InterTrax2 を上手く機能させることは出来ませんでした。

AceHigh では「マウスによる視界移動」はドラッグを伴う必要があるため、現状の InterTrax2 のゲーム互換モード(InterTrax2 をマウスとして機能させるモード)は利用出来ません。

もう一つ、AceHigh では「ジョイスティックアナログ軸による視界移動」も可能です。そこで InterTrax2 のネイティブモード(InterTrax2 をジョイスティックアナログ軸として機能させるモード)を利用しようと色々頑張ったのですが…どういうわけか思い通りの方向に動いてくれません。ちょっと動かすとそのまま視界が動かした方向に流れていき、視界移動の制限範囲にぶつかって最終的に自分の股間を見つめる視界に行き着いてしまうのです。(- -;

ためしに普通のジョイスティックに視界移動を割り振ってみたところ、スティックを動かして任意の位置で止めると、視界の追従がジョイの動きにリアルタイムには追従せず、ジョイの動きを後追いする形でついていく仕様になっているようです。どうもこの辺のアルゴリズムが、InterTrax2 による視界移動と相容れないようです。

視界が流れていく動き自体は極めて滑らかであるだけに、残念でなりません。

5/16現在開発中の新コンセプトドライバでは、極めて良好に動作。詳細は次ページで。

 

AceHigh と同じく WW II 時代を舞台にした Microsoft 製コンバットフライトシム、CFS2。

この視界移動は MSFS2002 等と同じ仕様にみえるのですが、何故かゲーム内設定メニューで出てくる「使用するジョイスティック」として InterTrax2 が表示されません。(- -;

MSFS2002 とは、仕様が何か違うんでしょうね〜残念。

5/18追記:

5/16現在開発中の新コンセプトドライバでは、CFS2 に InterTrax2 を「ジョイスティック」として認識させることに成功しました!

しかし…CFS2 って、ジョイスティックのアナログ軸を視界移動に割り付ける機能そのものが、無かったっす…(核爆) ハットによる視界移動は出来ますが、それでは InterTrax2 を利用することは出来ません……。

 

これまた WW II 時代を舞台にしたコンバットフライトシムです。ちょっと古い作品ですが、名作の一つに数えられます。私が「スティックを思いっきり引っ張り続けない」ことを覚えたのは、このシムでした。

このシムもマウスによる視界移動が可能です。ただし、InterTrax2 を Mouse として認識させる JMouse を常駐させる前に、操縦に使うジョイスティックのコントローラIDが、InterTrax2 を含む全コントローラID中で一番大きな数字になっていることを確認しておく必要があります。(EAW が一番数字が大きなコントローラIDのジョイスティックを、フライトに使うジョイスティックとして認識してしまうため)

また、ゲーム中のコントローラ設定において、マウス感度の調整をうまくやらないと、思った通りに視界を動かすことができません。それから首を縦に振る方向の感度が、横に振る方向の感度よりかなり低いように感じられます。

そのほか、このシムで InterTrax2 を使う場合、あまり後を見過ぎないように注意せねばなりません。視界移動の範囲が左右120度辺りに設定されており、この範囲を超えて振り向くと、正面に向き直ったとき、後を振り向いて視界が動かなかった範囲だけ、モロにずれます。

視界移動の動きは非常に軽く、自分の思い通りの速度で、なめらかに視界移動できます。(o^-')b シム側でマウスの挙動設定をきっちり調整すれば、大変楽しめるシムです。

 

またまた WW II 時代を舞台にした、今は亡き Jane's の名が冠されたコンバットフライトシムです。

CONTROLLER OPTION で ACTIVE MOUSE を ON にすると、フライト中にマウスの動きを視界移動に使うことが出来ます。視界の移動範囲制限も後方のごく一部だけであり、また視界移動の動きも滑らかで、InterTrax2 の恩恵を十分に受けることが出来ます。

このシムは European Air War とは逆に、フライトに使用するジョイスティックのコントローラが、全コントローラID中最も小さな数字になっている必要があります。両者を1台のマシンでプレイしようとすると、一々コントローラIDを変更する必要があるのが面倒ですね。

 

なんだかレシプロばかりなんですが…これも WW II 時代のヨーロッパ戦線を舞台にしたシムです。内容は、映画「メンフィスベル」そのままです。戦闘機に乗ることも出来ます。インターフェースは、私には極めて異質に感じられます。(^^;

このシムでの視界移動は、基本的にはキーボードやハットのみのようです。マウスでもオブジェクト外部視点での視線方向を変えることが出来ましたが、Jane's F/A-18 と同様、ドラッグを伴わねばならないため、現状の InterTrax2 を用いた視界移動は不可能です。

5/18 追記:

B-17 II では、どうやらコックピット内部視点からは、マウスドラッグでも視界移動出来ないようです。外部視点であれば左ドラッグにより視点方向を変え、右ドラッグ(マウス前後)で対象オブジェクトをズームすることは可能です。

というわけで、B-17 II では InterTrax2 による VR 感覚は味わえません。

 

DIが作りかけのまま放置した F/A-18 のシムです。(爆) 作られた時期は丁度 Jane's F/A-18 と同じ頃ですが、地形のグラフィックは Jane's F/A-18 に比べるとかなり貧弱です。そのかわり、F/A-18 の機体ディティールはそこそこです。また、このシムの醍醐味は空母のクルーの動きに凝っている点だと言われています。

このシムは、F2 キーを押すことでバーチャルコックピット画面になり、マウスによる視界移動が可能となります。JMouse で感度設定を上手く調節すると、バーチャルコックピット画面における視界の制限範囲も後方の一部だけですし、視界移動もそこそこ滑らかに感じられ、結構いけてます。

ただ、アビオニクスの操作が、基本的に2Dコックピット画面にてマウスによるクリックで行うようになっているため、バーチャルコックピット画面だけで総ての操作をまかなうのは辛いところがあります。バーチャルコックピット画面にしたときの計器類および HMD の描画も荒く、モニタで見ても字がまともに読めるとは言い難いところもあります。

正確に言えば、2Dコックピット画面でも、マウスを画面の端に持っていくことで視界移動することが可能ですが、これでは「自分の頭の動きと視界の動きが追従する」とは言い難いです。

Quick Mission で格闘戦を楽しむ程度なら十分に InterTrax2 の恩恵にあずかることが出来ますが、アビオニクス操作をきっちりこなして任務を遂行するのはちょっと辛いと思います。

 

「家族の目が…」という点に大いに関わってくる装着姿ですが、意外に奇異ではないです。ていうか、一瞬で慣れます。(爆) こんな感じ。「絶景かな」とバカやってみたり。(w)

あ、私の前のモニタに映ってる画面は、シムを動かしているPCの画面じゃないのであしからず。(笑)

 

言葉であれこれ説明するだけ無駄かと。このシステムを使って IL2 を飛んだときの画面の様子をキャプチャしましたのでご覧下さい。(動画ファイルデカイので、そのうちファイルは消すことになるでしょう。あしからず。)

ビデオエンコードで使用したコーデックは、Microsoft MPEG-4 Video Codec V2 です。Windows Media Player 7.1 には標準で入っているコーデックですので、Windows Media Player で普通に見れると思うのですが…WMP だと「音しか出ない」という人も居ました。その方は RealPlayer で無事見れたそうです。

IL2inHMD.avi (31,560,120Byte)

Quick Mission シングルプレイの格闘戦です。連れ墜ちしてパニクってる有様が秀逸。(爆) 私、エンジンを "e" キーに割り当ててるんですが、つい Flanker2 の癖で脱出時に CTRL+E,E,E を連打してしまい、何度もエンジンかけにいった後逃げ遅れて爆死してます。

絵に描いたような悪役っぽい最期で、我ながら気に入ってしまった。(笑)

…フライトと戦闘の技量に関するクレームは、現在受け付けておりません。(爆)

「ハットを押してる間だけ滑らかに視界を動かしたい」向きにはちょっと抵抗がある IL2 の視界移動(ハット一押しで動く一定角度が大きい)ですが、InterTrax2 を使用することでこんなにも自然な視界移動が出来ます。その効果は絶大なものが。

かつて、フライトシムでこれほどまでに自然な視界移動をしている動画を見たことがありますか? (^^)

 

以前デモ機を使用した折の Pentium4 PCから、多少構成を変えました。

Dual Display をサポートする Radeon 8500 を利用したことで、ビデオ映像信号分岐器を使わずとも、ヘッドマウントディスプレイとモニタ(or TV)に同時表示することが出来ます。

CPU Pentium4 2.0G (Socket478)
M/B ASUS P4T-E/WA (intel i850 / ICH2)
Memory N/B RDRAM PC800 256MB w/o ECC x2
Video ATi Radeon 8500 128M
ATX VGA VO DVI ENG NTSC
Sound Philips Acoustic Edge PSC706
LAN corega FEtherW PCI-TX
SCSI Host Tekram DC-390U3D (U160 x 2ch)
IDE HDD Seagate Barracuda ATA IV ST380021A(80G)
SCSI CD-R/RW Plextor PX-W1210TS/BS BP/121032/SCSI
DVD-ROM Pioneer DVD-305S(TS)
FDD N/B 3.5inch 3mode
JoyStick CH F-16 Fighter Stick USB
Throttle CH Pro Throttle USB
Ruddar CH PRO PEDALS USB
USB Hub Elecom U2H-C4SID (CH3点セットを接続)
KeyBoard + Mouse ACER AIRKEY WHITE
Power ENERMAX EG451P-VE(450W)
Monitor EIZO E141L (14.1inch 液晶)
OS Windows ME

 

InterTrax2 新コンセプトドライバでのレビューに続く


2002/05/01(水) 01:54 HUQ
mailto: huq@ah.wakwak.com