宇治は...「中編」(2005.07)


そして再び京阪電車に乗り、宇治へ到着です。
駅から出ると、右手に宇治川が迫力を持って流れていました。
...写真16:宇治川と宇治橋
...写真17:宇治橋より、朝霧橋、十三重石塔を望む

既に日も落ちかけ、お茶屋さん、土産物屋さんは軒並み店仕舞い。
まずは宿に行きましょう。

そして問題の宿に到着。
敢えて名前は出しません。 明治より創業、100年以上の歴史を持つ、由緒正しき料理旅館、が売り物でした。
到着して直ぐ、厭な予感がしました。 部屋を案内してくれた女の子の爪が今風に長いのです。 流石にマニキュアはしていませんでしたが、旅館のサービス業が務まるのか? と、思いました。
『ここ、温泉ありますよねー、それで、』と、話しかけると、
『温泉?  ...いや、無いと思いますよ』
何ですと?  いきなりな展開。 立派なホームページには、二種類の温泉と、抹茶ジャグジーが輝いていましたぞ! ?  どういうこと?
しかし、女の子は全く要領を得ません。 仕方なく、兎に角鵜飼を見に行きたいという話をし、帰ってきてから夕飯にしたいと言うと、
『遅くなると胸いっぱいで食べられない、って言うお客さんいますけど』
これで仕方なく、制限時間30分で夕食を食べるはめに。(鵜飼は午後7時から。15分前までに集合)
更に幾つかの呆れた不毛な会話の後、私は眉間に皺を寄せ、改めて夕餉を運んできた別の女将に、膨れ面で返事もろくにせず食事をかき込んで居りました。 かんぱちの煮付けがのどに詰まって、美味しく感じられません。

鵜飼とは、よく各地で風物詩として紹介されていますが、魚を丸飲みする鵜の習性を利用して魚を獲る漁法です。 、宇治川の上で、乗合船に乗って見物します。(大人一名1800円)
宇治で初めてという女性の鵜匠が挨拶してくれ、準備が済んだ頃には、とっぷり日も暮れ、辺りは真っ暗になっていました。 川岸は、お金を払わず鵜飼を見物しようとする人で一杯です。 乗合船の船頭さんが面白い人で、『お金はろてもろた分は、ちゃんと楽しんでもらいますで。』。  
かがり火が焚かれ、鵜飼が始まりました。
鵜匠になるのに2年は掛かるとの事でしたが、鵜は、結構大きく、力も強く、女性が綱で複数操るのは本当に大変そうです。 又鵜は、ゴジラのようにギャオー、ゴギャー、と、凄い声を上げ、迫力満点です。 噛まれたら痛いそうで...。
約一時間、「本日は有難うございました」との、鵜匠の声を合図に、鵜飼が終わると、鵜がぴょんと船に飛び乗り、「さー、ご飯だご飯だ」とばかりに(鵜は、魚を捕っても吐き出させられてしまうので、腹ペコなのです。)さっさと帰り支度を始めたのが面白かったです。
...写真18:日暮れ時の宇治川
...写真19:7時過ぎ、漁の準備
...写真20:デジカメではよく分かりませんが、鵜飼の様子 鵜の目が光っています

宿に帰ります。 部屋は既に布団が敷かれていました。 後は風呂です。
疑心暗鬼に駆られながら風呂へ行くと、表示はちゃんと「温泉」となっています。
(後にHPで調べると、ここの温泉は希有元素鉱物を含む天然鉱石を泉源としてできた人工温泉なのだそう。)
しかし、更衣室がガラス張りの上、簾が掛けてあるだけで、夜は外から見えるだろうが〜! と、アングリ。
取りあえず、と浴室に入ると、これまた下界に向かってガラス張りの浴室は、丸見え状態です。 ...ここ、高層じゃないんだぞー、オイ? 
サウナは店仕舞いされ、既に熱気すら残っていません。 仕方なく、屋外の「抹茶ジャグジー」とやらに向かいましたが、浴槽に抹茶が一掴み入ってたって、わかりゃしないように、何が抹茶なのか分かりません。 色も香りもありません。 何と言っても、湯が冷め切っています。 ...床には掃除道具が倒れており、申し訳程度に立ててあるヨシズは、壊れていて、これまた外から丸見えです。 肌が綺麗になる? これでっ? ?
落ち着いて湯に入れず、早々に引き上げ、トホホな気持ちで部屋へ戻る途中、ミネラルウォーターのクーラーがあり、サービスだというので飲もうとすると、水が一滴も残っていない状態...。
部屋で寛ごうとすると、小さな蛾が沢山飛んで来ます...窓閉めてるのに、なんでーっ?
「当旅館は、川岸にあり、虫や鳥が来ますので...」と、断り書きがあったけれど、毎日掃除してたら、ベランダだってそれなりに見える筈でしょう? ベランダは外に出るのがイヤになる雰囲気だし、使ってないユニットバスの排水溝に、誰かの髪の毛が残ってるのを見ると、掃除してることさえ疑わしいっ! !
そして床の間には枯れかけた菊の花......ちーーーん。
言いたくありませんけど、ここ、宿泊費一泊二食で一人16,800円です...。
ビジネスホテル並みと言えば、ビジネスホテルが気を悪くするこの扱いで、この価格は納得いきません。
『花やしき○○●』...多分もう、二度と来ませんね。

さて、兎にも角にも就寝。 蛾が降ってこないことを願いつつ...。
もし宜しければ、後日続報をお読み下さいませ。


写真16,17



写真18,19,20