-北の里山の会・有明の森ニュースレター-

Vol.3-4
2002,11,10


 札幌市森林組合の増田さん・遣水さんのおふた方に講師として来ていただき、はじめてのチェーンソー技能講習会を開催しました。

 前日までは、大荒れの日となる天気予報で、もし降ったら、という準備までして臨みました。こんな具合に天気予報がはずれるのは、大変うれしいことで、当日はうってかわって、いいお日柄でした。

間伐したせいか、心持ち紅葉もきれいになったようです。

■10月の例会(チェーンソー講習)報告■

●チェーンソーの使い方●

 まずはエンジンのかけ方からです。チョークのひき方、エンジンの止め方、それから使用するオイルや混合比のことなど、機械を取り扱う上での基本的なことを教えていただきます。それと、本当はこういうズボンをはくんだよって実物も見せていただきました。

 彼らが軽々とチェーンソーを操作しているのを見ると、自分でもすぐにでもできそうな錯覚に陥りそうでした。

 話を聞くだけでは技能講習にはならないので、全員にチェーンソーを使ってもらいました。すでに何回か使っている人は大丈夫なようでしたが、はじめての人はやっぱり怖かったようです。エンジンの回転数を上げずに(歯を回さないで)丸太に切り込んでいくので、丸太に食い込むだけだったり、歯が逃げて逆に危なかったり、という状態でした。十分注意しながらも、怖がらずに機械とつきあうということが大切なようです。

 今回は、実際に自分たちで立木を切り倒すまでには至りませんででしたが、受けの作り方、追い口の切り方、ツルの残し方など教えていただきました。この辺のところはいずれまとめてみたいと思っています(いずれ、が多くて、いつになるかわかりませんが…)。

 チェーンソーは機械ですが、いつでも同じ状態で動いてくれるというわけではありません。常に整備が必要です。まず気を遣わなければならないのは、「歯研ぎ」。ちょっと土などを切ってしまうと、切れなくなります。上手に目立てをしなければなりません。歯の方向があっち向いたり、こっち向いたりすると、まっすぐ切れなかったり、切れ味が悪くなります。結構気を遣う作業でした。また、エンジンを快適に回すためのキャブレターの掃除の仕方、チェーンのゆるみ具合の調整なども教えていただきました。

 にわか山子がすぐにプロ並みになるなんてことはありませんが、せっかくの講習の成果を身につけたいものです。

まずは実際に使ってみて、
感触を覚えます。
伐倒のときの受けの作り方、ツルの残し方など指導を受けます。
チェーンソーの整備も大事な項目です。
●ベンチ●
 これまでは、ベンチがなく地べたに直接座るか、丸太に腰掛けていました。今回は太めのカラマツを切って、ベンチをつくりました。
 残念ながら今回の成果ということではなく、増田さんと遣水さんにつくっていただきました。さすがです。あっという間にできあがってしまいました。実は、ちょっとびびって切れないでいたんです。それにタテ切りもできなかったしで…。
 並べたあとは、すっかりくつろいでしまって、今日はもうこの辺で、ということになり解散しました。

 次回からが楽しみです。

チェーンソーでカンナがけのようなことまでしちゃうんです。
すっかりくつろいでしまいました。
●メーンイベント=芋煮●
 今回は、私の提案で、山形のいも煮会の再現ということにしました。
 山形ではお米の収穫が終わると、みんなでサトイモを使ったいも煮会というのをやります。ニュースで、大きな鍋にクレーンや何かで芋をあけて、煮込んでいるのを見たことはありませんか?あれです。今は、たれも含め全部セットになっていて、ゆうパックで取り寄せることができます。
 そんなわけで、いも煮会ということでした。
 なんか、次回からは、それぞれが「ふるさとの鍋」なんてことで特集を組んでみるってのも、一つの手かなぁ、なんて考えてしまいましたが…。
↑これがいも煮です。。
●いろいろな道具●
 森の手入れをするにはいろいろな道具が必要になってきます。今回は何種類か持ってきていただきました。写真の道具は、木登りをするためのものです。はじめての人でもするする登っていきました。これで高い場所の枝払いをします。
もっと上がれるよ。
なお、今回の写真は紅葉の写真を除いて、石山さんの提供です。

●今回の参加者●

 今回は講習会と銘打ったので、大人だけでした。14人です。食べ物で釣ったおかげか、それとも講習会のおかげか?

 次回は子どもさんも、ぜひ。


■今月の本  −本の紹介−■
森環境考古学事始  日本列島2万年
著者 安田喜憲
 私たちが接している有明の森は現在はカラマツ林ですが、本来はサワシバ-ミズナラ群集に分類される落葉広葉樹林です。森林の姿は人手が加わることによって大きく変化しますが、仮に人手が加わらないとしたら未来永劫に一定の状態を示すかというと、決してそうではありません。長いタイムスパンで見れば、気候、特に気温と降水量との関係で、出現する森林は変化します。
 この本は、最終氷期以降の日本列島の植生の変遷を花粉分析で追った結果をまとめたものです。その後、安田先生は花粉分析の手法で、世界各地の森林と文化の歴史的関係を解いています。
 たまには、時間軸をずらして森との関係を眺めてみるのも一考です。なお、北海道での花粉分析の事例は、五十嵐八枝子先生が「北海道・自然のなりたち(北大図書刊行会,1994)」で植物相の変遷について書いていらっしゃいます。これもあわせてどうぞ。

NHKブックス365
日本放送協会 発行,1985/02/10 第10刷
 定価 750円

■11月の例会予告■

 11月の例会は12月1日(第1日曜日)です。いつもと違いますから気をつけてください。浜田久美子さんと一緒に遊ぼうと思っています。
 ところで、お昼は何にしましょうか?
 アイディア募集中です。


■これからの活動予定■

11月30日:

浜田久美子さん 講演会
カデル2・7で開催。
こちらをご覧下さい。
12月 1日: 浜田さんと有明の森で遊ぼう
せっかく浜田さんが東京からいらっしゃるので、この日にあわせて有明の森の例会を開きます。
詳細は後日お知らせします。

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発行人 孫田 敏@ARCS    
E-mail arcson@bc.wakwak.com
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