■北の里山Report■
No.3-6----03/12/09
森あそび入門
北の里山の会(森のハーモニスト)
濱田智子

第6回 里山へ帰ろう
 一年中で最も寒い季節です。

 ぐっと冷え込んだ朝、紺碧の空を背景に、枝の先まで真っ白ぐ凍った樹氷が日の光を受けて輝く光景には、凛とした美しさがあります。

冬芽を観察しよう
 厳しい冬を生き抜くために、北国の樹木は木の最も進化した姿をしています。その特徴が、落葉広葉樹の冬芽です。冬に木の種類を見分けるには、樹形や幹の模様による方法もありますが、経験が頼りのこうした方法に比べ、一番正確なのは冬芽の特徴を一つ一つ観察することです。
 冬芽をじつくり見たことがありますか?芽の付け根に葉痕(ようこん)と呼ばれる模様があり、小さな点のようなものは、幹と葉の間を水や養分が行き来した管の跡です。この葉痕の形がユニークで、オニグルミは猿の顔、キハダは馬蹄形、ヤチダモはとんがり帽子の小人のような形をしています。歩くスキーやかんじきに足下を整えて、樹木観察に出かけてみませんか?

里山で遊ぼう
 さて、咋年の4月から六回に渡って寄稿させていただいた「森あそび入門」も、今月が最終回です。私から皆さんにお伝えしたかったのは、身近な森とのふれあいを日々の生活の中に取り戻そう!というメツセージです。

 北海道では、本州の雑木林のように人里近くの森が、燃料等の供給源として数十年サイクルで利用されてきた歴史がありません。人の暮らしと共に森林が育ちゆく豊かな関係を築けないまま、多くの里山は樹種転換や分譲、あるいは開発が進められ、その価値を見失ってきました。そうした入と森との関係を現代に見合った形で取り戻し、人間の生活も森林も共に豊かになってゆく関係を築いてくことができたら…。そのための第一歩が、森で遊ぶということではないでしょうか。

2002/02 当別町広報

第5回たき火をしよう
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