北の里山の会ってなぁに

里山って聞いたことがありますか?

本州では、田んぼや溜池があって、その裏山のことを里山と呼ぶことが多いようです。かつては薪をとったり炭を焼いたり、そして地表に落ちた木の葉をかき集めて堆肥をつくったりと、水田をつくったり生活をする上では欠かせない林だったそうです。関東から西の地方は、もともとは常緑広葉樹の林だったはずですが、人の手が加わることによって長い間にコナラなどの落葉広葉樹の林になりました。このように人々の生活とのつながりで里山の自然が成り立ってきたのです。しかし40年ほど前から、薪や炭は石油に代わり、堆肥は化成肥料に取って代わられ、里に住む人たちは次第に里山から遠ざかっていきました。この結果、里山は次第に「藪」と化して、いつしか里山がもつ独特の自然は消えつつあるという状態になってきました。今、本州各地では、人の生活と共に成り立ってきた自然をなくしてもよいのだろうか、という思いから、多くの場所で里山の自然を取り戻そうという運動が繰り広げられるようになってきています。

北海道ではどうでしょう?

 北海道では、開拓からの歴史が比較的浅く、人々と裏山の森や林の関係が密接になる前に、石油や化成肥料の時代がやってきてしまいました。ですから、本州のような里山という考え方がないのでは、というようなこともいわれています。ただ、本州の里山といわれるような場所にある森や林、つまり人里に近い森や林は、街が生きていくためにさまざまな形に姿を変え、その姿を失ってきました。札幌での例をあげると、この13年間に中島公園100個分の身近な森や林をなくしたといわれています(札幌市,2000)。身近な森や林の全体の割合にすると11%にもなります。

北の里山の会

 私たちは、このように身近な森や林が少なくなっていくのは、単に街が発展してきたからというだけではなく、私たちがそのような森や林に関心を持ってこなかったからではないかと考えました。もっと関心をもってつきあえば、その変化にも気がつくし、身近な自然としての価値をみいだすこともできると思ったのです。前にもいったように、北海道では「里山」はない、といういわれ方もしますが、でもあまり難しいことを考えるのはやめて、私たちの身近なところにある森や林を里山って呼んでしまおう。ということで、2000年5月、身近な森や林のことを考える会、そして行動する会、「北の里山の会」をつくりました。

 今、北の里山の会では次のような活動をしています。

有明の森で

毎月第4日曜日、森とつきあうためのスキルを身につけることを目的に、植えた木の間伐などをやっています。実のところ活動を始めたのは2000年10月からで、まだ計画的な活動ではありません。この1年間、じっくりと森を観察しながら、これからどのように手を入れていったら「あずましい」自然として、私たちとつきあいやすくなるかを考えたいと思っています。

 私たちは百万都市にありながら、このように周りを森や林に囲まれているという恵まれた環境にいます。ぜひこのような環境を生かし、自然をもっと身近に感じてみませんか。

こちらから活動状況をご覧いただけます。 ====>有明の森で