70年代男性デュオ2枚屋


 ジャッカル

[ディスコグラフィ]
 *シングル* ポリドール
「リバプール十字軍」 麻生香太郎/馬飼野康二/馬飼野康二 DR6285 1979.
 C/W 「野性時代」 麻生香太郎/馬飼野康二/馬飼野康二
「恋のあやつり人形」 伊藤薫/伊藤薫/佐藤準 DR6331 1979.
 C/W 「Try Try Try」 伊藤薫/伊藤薫/川上了


以前ご紹介した際に皆様より色々な情報を頂きましたので、
セカンドシングルも入手した事だし改めてご紹介しましょう。
メンバーはマオ(右・三田村佳)とレオ(園田としき)というお二人。
どこから寄せ集められたのかは解りませんが、
当時のNM路線ではなく、あくまでアイドルとしての甘ったるい夢を見てそうな
お二人ではないでしょうか。
じゃないとデビュー曲からあんなにヨガらないもんねぇ。
そのデビュー曲「リバプール十字軍」はタイトル通りの倒錯戦士歌謡。
恋敵が共に戦いに向かっていくため、オンナ断ちして兄弟になるという(ちげーよ)
時代もモラルも一般人気も全く無視した展開なのはどういう意図によるものなのか、
作詩の麻生香太郎さんに問い質してみたいところ。
しかしこの相互オナニー唱法は凄い、多分ハーモニーが取れないから
苦肉の策でこういう構成にしてるんでしょうが、逆にスゴいもん産み出してますね。
B面はちょっぴりディスコ歌謡を意識してはいますけど、
なんといってもサビでのヨガリまくり掛け合いが気持ち悪過ぎ。タチネコの役割も
しっかり分かれててしかもタチがなりきれてないところがゲンナリです。
向かい合って歌ってくれてたら完璧でしょう、微笑みあいながらとかさ。
変わってセカンドの「恋のあやつり人形」は完全狩人路線の黄昏れたフォーク歌謡。
ネコ役の方(だってどっちか解んないんだもん)がメインヴォーカルらしくヨガリまくってますが、
タチ役のハモりがイマイチなんだよな。さすがに2曲続けてアレはできないでしょうが。
B面は伊藤薫さんらしいハジケ気味のポップス、アレンジが違ってたらイケるかも。
歌はハモリ多用してるんだけど、どうにも合ってないんだなあ。
こちらはタチ役が2番を担当してるんだけど、頑張ってるのが痛々しいし。
それでも彼らの曲の中では一番マトモかもしれません。これならフラッシュに対抗できるよ。
おウマのイラストが入ったロゴマークまでジャケ裏に記載され、いよいよ本格的に
活動するかと思ったらここで突然のフェイドアウト。理由は他のサイトで解る筈なので
ここには記載しません。
片方の人は芸能活動を続けてらしたみたいですが、活動内容はつかめませんでした。
恐らく当時の歌唱は今のテレビ映像に出てくる事は一切禁止でしょうから、
せめて残った人の方だけでも出て来て、若いタチ率いて二代目ジャッカルなんて
やってほしいところです。


    風来坊
[ディスコグラフィ]
 *シングル* ラジオシティ
「ブルートレイン」 阿久悠/井上忠夫/井上忠夫 RD-1002 78.
 C/W 「黒い太陽」 阿久悠/井上忠夫/井上忠夫
「ZERO ZERO」 阿久悠/長戸大幸/長戸大幸 RD-1010 78.
 C/W 「冬景色」 阿久悠/神谷秀/長戸大幸

あんまり知識も興味もないんだけど、明らかに狩人路線の風来坊。
メンバーは御存知・伊丹幸雄と中神和司のお二人、デビュー曲のジャケ裏にプロフがありますが、
ご丁寧にサッチンの方はご本名が記載されてます。ひた隠すお積もりだったのかしら?
ちなみに「ニックネーム」の欄には当然サッチンではなく“マー坊”と記載されてました。
それより中神クンのニックネーム“レイラ”ってのはどうよ。相方を察しての事だったのか?
そもそもジャケに顔出ししないで楽曲で売るんならニックネームなんて記載しなくてもいいのでは、
と思うのは素人考えなのよね。年齢は記載されてますがここでは触れません。
阿久悠プロデュースが売りだったと思いますが、やっぱりこれも
狩人の対抗馬としての戦略(スタ誕の都倉俊一にも対抗)だったんでしょうか。
デビュー曲で列車モノですから狙ってるのは充分過ぎるほど解ります。
と思ったら「ブルーシャトウ」も狙ってるのね。井上忠夫作曲だからなんでしょうけど。
歌はまぁまぁ、こちらも多少ヨガリが入ってますが、上手い分だけ気持ち悪さはないです。
そこが逆につまんないというか(オイオイ)。B面もタイトルは良さげだし、アレンジも狙ってますが
まっそんなトコでしょという感じ。
セカンドの「ZERO ZERO」は前曲より少しロック歌謡色を強めたもので、
デビュー曲ではキレイなハーモニー(っていうか恐らく中神クンの高音)を聴かせるように
作ってたんですが、こちらはちょっと深刻な歌い方になっております。
正直云うと、この曲歌はいらないでしょっていう感じのメロディが痛いんですよね…
最後の♪ゼロゼロ!だけコーラスがやればいいと思いながら作ってんじゃねーかという感じ。
B面は4分36秒もある大作なんだけど、あんまり通して聴きたくはないなぁ…別に
悪い曲ではないし、コーラスワークもいいんですけど、じゃナニが悪いのかというと
それも解らないくらいに普通のバラードです。ヤバイなこりゃ。
そんなちょっと喰い足りない部分を残して風来坊は自然消滅(多分)してるみたいです。
サッチンの方はその後再度ソロでレコードリリースし、現在も活動を続けてらっしゃるのですが、
お相手の中神クンの方が掴めないんですよ。79年にリューベン&カンパニーの
ラストシングルB面「Sexy Mako」の作詩・曲としてクレジットされてるのを確認してるくらい。
恐らくその後も活動は続けてたんでしょうから(歌唱力はあるしルックスも…まぁこれはいいか)
別名でのリリース、またはバンド加入歴などご存知の方がいらっしゃいましたら
ご教示願います。




    ルイ&マーク


[ディスコグラフィ]
 *シングル* キング
「荒野の少年」 山川啓介/中村泰士/馬飼野康二 BS-1936 75.
 C/W 「おかしな恋人」 山川啓介/中村泰士/あかのたちお
「青春のかげり」 山上路夫/中村泰士/馬飼野康二 BS-1968 75.
 C/W 「鉢植えのスミレ」 山上路夫/中村泰士/あかのたちお
 *アルバム*
『ルイ&マーク・ファースト・アルバム』 SKD-287

狩人フォロワーを念頭にこのページを作りながら、このお二人については
本家・狩人よりも先のデビューです。しかも外人(ナニ人かは不明)。
どっちがルイでどっちがマークかも解りません、勉強不足お許しを。
ところがはっきり云って今回紹介した3組の中では一番歌が上手い!
全篇日本語で歌ってるのに、それでも上手い。これは単に彼らが日本育ちとか
そういう理由なのか、それとも決死の覚悟でデビューしたのか、
興味深いです。てかデビューさせる方もどうかしてるけど(ちなみに芸映所属)。
デビュー曲の「荒野の少年」はその歌唱力を生かしながら少年ぽさを出そうと
頑張った作品。タイトルには程遠く囁きかけるような二人のハーモニーには
ヘナヘナと崩れ落ちそうになりながらそれでもリピートしてしまう感じです。
B面は外人少年デュオのデビュー曲らしいもの(どんなモンだよ)。
恐る恐る歌ってるのがありありと解って聴いてるこちらの方がハラハラ、
生歌なんか聴いたら失神しそうな感じです。
ジャケットも可愛く写ってたデビュー曲でしたが、セカンドの「青春のかげり」では
いきなりルックスが変わってしまって、完全に外国人の兄ちゃんに。
これじゃABBAのメンバーとかいっても騙し通せそうじゃんよ。
(写真提供・セブンティーン、となってますが、もっといい写真なかったのか?)
曲もおとなしめ、というか単なる地味な曲になってしまって聴くのがツライ。
こちらもやっぱりB面の方が良くて、彼らの囁き歌唱にはこういった
メジャー調のほんわかした曲のほうが合ってたような気がします。
ここで期待されるのがアルバムなんですが、残念ながら未入手。
一度見かけたんだけど、どこで見たかすら忘れてしまって…もしかして
洋楽の中に紛れちゃってんのかな。
是非いつか発掘して、ここでご紹介できたらいいなと思っております。
その前に、彼らが現役で本国では大スターだったらちょっとステキかも。





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