目的から考えると本質が見えてくる(2)

 

1.目的を考える

 私達は、意識する・しない、にかかわらず目的を持って行動しています。目的は、私たちの行動の意味を明らかにし、何をしなければいけないか、を明確にする重要な役割を担っています。したがって、目的を明らかにすることは、大切なことであるといえます。

 今やっいることの目的を考えてみましょう。そして、さらに目的の目的は何かを考えてみましょう。そうすると、自分が何を達成したいのかが分かり、今やっている行動の意味が見えてきます。

 それでは、一歩踏み込んで、目的の目的を考えることの意義は、何なのかを考えてみましょう。
目的の目的は何かを考えることで、目的の階層ができます。上位の目的と下位の目的の関係が重要です。この関係は、
下位の目的は、上位の目的を達成するための手段の関係にあります。

 例えば、文章を作成して、ホームページに載せ、情報を発信する、ということで、この関係を、考えてみましょう。

文章を作成する

ホームページを作る

情報を発信する

 

 文章を作成する目的は、ホームページを作るためです。ホームページを作る目的は、情報を発信するためです。

 情報を発信するのが、上位目的で、文章を作成して、ホームページに載せることは、下位の目的で、かつその目的を達成するための手段になっています。

 情報を発信する目的を達成するためには、ホームページを使うのが唯一の手段ではありません。本の出版、雑誌への投稿という方法もあります。また、文章ではなく、写真や音楽など、やろうとする内容で色々な情報発信の媒体を選択することができます。目的から考えると色々な手段を考え出すことができるのです。

 以上のように、下位の目的は、上位の目的を達成するための手段であり、今まで目的であったものは、上位の目的に対しては、手段という関係にあります。次の図のような関係になります。

 

 上位の目的から、手段を考えると、下位の目的が、上位の目的を達成するための手段になり、無数の手段・方法が考え出されるのです。

 通常、1つの目的に対して、複数の手段があります。

例えば、私は、札幌の郊外に住んでいますが、大通り公園に行くとします。

 「大通り公園に行く」という目的を達成する手段は、たくさんあります。歩いて行く(40〜50分ぐらいかかります)、自転車で行く、バスで行く、地下鉄で行く、車で行く、等々、大通り公園に行く方法は色々あります。

 このように、ある目的に対して、複数の手段を考えることができます。

 

 

 目的と手段の関係を図示すると次のようになります。

 ある目的の目的は何か、また、それぞれの目的を達成する手段は何かを考えていくと、体系的に目的−手段の関係で捉えることができます。

 このような目的と手段の関係を使うと、問題・課題を解決することが可能になります。目的を明確にし、それを達成するための手段を、目的―手段の連鎖から考え出すのです。

2.目的を表現する

              目的は、

何々を何々する(名詞+動詞)

            という形式で表現します。

 例えば、手を洗う、手を乾かす、テレビをつける、文章を作る、ホームページを作る等々、のように表現します。

 先ほどの「大通り公園に行く」を上の表現方法で表すと、「大通り公園に場所を移動する」、その手段は、「足を使う」、「自転車を使う」、「バスを使う」、「自転車を使う」、「地下鉄を使う」等の表現になります。手段は、全て、場所を移動するための手段になっています。

 何が目的なのか、分からないという場合もあると思います。その時には、次の方法を実行してみてください。目的が分かります。

 それは、否定法という方法で、目的を考える対象が、無くなったり、やめたときに、何が困るのかを考え、困ることを目的とするのです。

 例えば、冷蔵庫の目的は何かを考えるとします。冷蔵庫が無くなったら何が困るでしょうか。食べ物の保存ができなくて困りますね。これを目的にすればいいのです。

 「食べ物を保存する」、これが冷蔵庫の目的です。

このようにして、目的を考えていけば良いのです。

(参考 村上 哲大:「目的発想法」)

 

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