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2.遠景の着彩

基本的には遠景から前景へ全体に薄く色を塗って1行程ですが、この作例は遠景から前景まで1つの段階をほぼ完成に近い状態にしながら制作しています。この進めかたは初心者には余りお薦めできません。(一度エラソーに言ってみたかったー)このやり方は最初にちゃんと色彩計画をやっておいて行うことをお薦めします。つまりこの方法を実践するなら、一度小さい紙にラフに習作を描いてみるのが良いでしょう。その方がイメージどうりに出来き上がる成功率もぐんと上がります。

この作例に於いては使った絵の具の種類は説明しません。正規に描く前に絵に他の紙に単色、あるいは混色したものを試し塗りしそれから着彩することをお薦めします。(実は作者本人がよく覚えていない)                      


1.まず、下に絵に見られる色を事前にパレットに作っておきます。

2.ここで、作っておいた色をすぐ塗るのでなく、色を塗る前に空と山の範囲まできれいな水で濡らします。

3.雲の色を置いて行き、乾き具合を見計らって山の色を置いていきます。乾いてから山の色を塗ると山のエッジがくっきりと残り   、遠近感が得られません。また湿り過ぎていても巧くいきません。

  山の色を置くとき気を付けたいのは、山の稜線の下描きぎりぎりに色を置くとその範囲からからはみだしてしまうので、少し内   側でとどめておきます。少し稜線が崩れても気にしないことです。

  この濡れているうちに色を置いていく技法はウエット・オン・ウエット(又はウエット・イン・ウエット)と呼ばれています。

4.私の場合、右側の茂みまで一気に描きましたが、この箇所はエッジが出ても良いと思うので後で着彩しても良いと思います。

5.完全に乾かし、わずかにある平野の部分と左の茂みを描き入れます。

  アトリエで制作する場合も、乾かす際はヘアードライヤーは使わず自然乾燥によるほうが味わいのあるテクスチャーが得られる   でしょう。特にウエット・オン・ウエットの場合、ヘアードライヤーによる乾燥は厳禁

 

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