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←私の自慢のシャントです。(笑)
でも、3年目で瘤が大きくなりすぎ
て、手術を薦められています。
2003年2月現在
★血液透析とは

(1)どのくらいの人が透析を受けているの?
腎不全になって腎臓の働きが失われてしまうと30年前までは尿毒症で 死ぬしかありませんでした。
しかしながらこの血液透析が発明されたことで、 腎臓の働きが0になっても寿命を全うすることができるようになったのです。
事実、新潟県には30年以上も血液透析を行っている方がいらっしゃいます。
現在全国で約20万人が透析療法を受けています。

その5%は次にお話するCAPDで、残り95%が血液透析を受けています。
現在、毎年約3万人があたらしく透析療法を開始し、約1万人が心不全、感染症、 脳卒中、癌などでなくなられます。

透析を始める原因は糖尿病が38%、慢性糸球体腎炎が36%を占めます。
もっとも、世界の多くの国では透析療法を受けたくても経済的に受けられずになくなられる方は今も後を絶ちません。
日本は米国よりも透析療法は充実しており、なんといっても透析患者には身体障害者1級手帳が交付されるため医療に伴う経済的な心配が要らないという恵まれた環境にあります。
反面、臓器移植はあまり進まず年間500件以下と米国の2万件の足元にも及びません。

(2)透析を始めるのはいつ?
さて、透析を始めなければならないのはどんな場合でしょうか。
前項でも申し上げたように原因に関わらず腎臓の働きが10%以下に減った場合です。
その条件をまとめました。
血液検査で言うと血清クレアチニン値が8.0mg/dl以上、血清尿素窒素が100mg/dl以上、または1日の尿量 が利尿剤を使っても500ml以下しかでず、むくんだり心不全を 起こしている場合、血清カリウム値が6.0mEq/L以上で心電図に影響が出ている場合、 血液が酸性にかなり傾いて(pH7.30以下)重曹(アルカリ剤)を飲んでも良くならない場合、 その他にも透析をしないと生命が危険と考える場合に、医師は迷わず透析を始めます。
尿毒症になると吐き気がして呼吸困難になり、出血しても血液が止まらなくなり、 さらに進むと精神状態がおかしくなって昏睡状態に陥ります。

痙攣を起こすこともあります。慢性腎不全では一度失った腎臓の働きは元に戻りません。
ですから、血液検査をしてこうした症状が出る少し前に透析療法を始めるのが、
体に後遺症を残さず社会復帰を早めるのです。

(3)血液透析の実際
血液透析は週に3回(月、水、金か火、木、土)に行います。
1回にかかる時間は4〜5時間です。
透析を行う施設を透析センターとか腎センターと呼び、病院に併設されている場合と、 透析だけ行っている入院施設のないクリニックがあります。
大きなセンターでは50以上のベッドがあって、そこで一斉に血液透析が行われます。
大方は2シフトといって朝9時から午後1、2時までの昼間透析と夕方5時から6時に始まる夜間透析があります。
ですから働いている人はこの夜間透析を受けるわけです。

血液透析の原理を
図1に示します。また実際の機械を写 真で示します。
血液透析をするには血管に針を刺してまず血液を取り出すわけですが、 その為には内シャントをつくります。シャントというのは吻合といって静脈と動脈を丁度手首の脈を触れる付近でつなぎます。
局所麻酔の手術で2〜3時間かかります。
つないでから通常1週間〜10日前後使えないので事前に作っておく必要があります。
シャントをつくると動脈の血が静脈に直接流れ込んで静脈が太くなり針を刺しやすくなるのです。
そこで2本の針をこの太くなった静脈に刺します。

一本は血液の流れの上流に刺し、血液を管の中に取り出します。
取り出した血液はポンプで流れる速さを調節して透析器(ダイアライザーとも呼ぶ)の中をとおります。血液が通 るところはとても細い毛細管(セロファンの強化したものなど種々のプラスティックでできている)でこれを束ねることで血液が触れる表面 積を増やしているのです。
この血液の通る細い管の外を透析液が流れます。



図1 血液透析 血液透析の機械

透析液とは正常の血清に含まれているのと同じ濃度の電解質(イオンでナトリウム、 カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)とアルカリ剤(重曹)が含まれているきれいな液のことです。
これが1分間に500ml流れ、血液は1分間にこの管を200ml流れるように調整すると最も効率よく透析できるのです。
そしてこの管の壁を通して血液中の毒素や余分なイオン(カリウムやリン、マグネシウム)そして酸が透析液のほうに出て行くことで血液がきれいになります。
汚くなった透析液は捨てられます。

なんとこの透析液は一人の患者さんに120L以上使われるのです。
もし100人の患者さんを1日で透析するには12tもの透析液が必要なのです。
ですから、阪神淡路大震災のときこの水の確保が最大の課題になりました。
この透析液は濃縮液を35倍水道水で希釈して作られます。
この水道水にはアルミニウムなど有害な物質が含まれているので逆浸透圧装置(ROアールオーと略す)できれいにして使われます。
★以上の説明は腎臓ネットHPよりの転複写です★