東海道五十三次


遠 江 國 (一)
(と お と う み の く に)

第二十四次:金谷宿
               (かなや)
(静岡県榛原郡金谷町)


「大井川遠岸」


大井川を渡るといよいよ遠江國だ。
この大井川橋、渡るのに15分かかった。


金谷宿、JR「金谷駅」裏の常夜燈。
ここから旧道の登りが始まる。


「平成の道普請(平成3年、町民約600名の参加で430mが復元された)の石畳を登り始めると、
上からかなりの勢いで降りてくる人がいる。「お元気ですねー。」と声をかけたら、
「な〜に、土地のものだから上り下り、ちっとも苦にならないって。」と申しておりました。


諏訪原:
陽射しの強さに折畳みの雨傘を日傘代わりに差す。


間の宿:「菊川」
静かな、落ち着いた町でした。

”間の宿”は原則として旅人の宿泊は禁じられていた。
川止めの場合でも、金谷宿の許可がないと旅人を泊める事は出来なかった。
その際も、尾頭付きの料理は出すことが出来ず、考え出された「菜飯(なめし)田楽」が名物になった。
(「菊川の里」にあった金谷町観光協会の案内板から抜粋)


ゆるい傾斜ながら
長〜いのぼり坂が続く。

箭置(やおき)坂を登り
平らになって登りきった、
と思うとまた登り坂になる。

今思い出しても
暑くてまいった。

夏は歩かない方が良い。
そう言えば、誰にも
会わなかった。

第二十五次:日坂宿
              (にっさか)
(静岡県掛川市日坂)

12:20 やっと「久延寺」着:本堂脇に「夜泣き石」がある。


”子育て飴”のお店「扇屋」さん。
100歳になるおばあちゃんの写真が店先に飾ってあったけれど、声をかけたが誰もいなかった。


突然犬が飛び出してきて、先導し始めた。度々振り返り、
得意のポーズで「こっちだ、こっちだ。ちゃんとついて来いよ!」と言わんばかりだった。


見渡す限り、茶畑。奥の山は栗ケ岳

明治初年、川越制度の廃止に伴い人足の人達の救済事業として
牧ノ原が開拓され、大茶園となった。(箱根西坂の農業開拓と通じる)


「小夜の中山」(さよのなかやま)


この辺が廣重の画の所なのかな?


「七曲がり」の急坂を下り、日坂宿に。


1:30 旧宿場に入る。 本陣跡、隣で、
「こんにちは。」「どこから来られたんだか?」
・・・・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・・・・・
「このあいだ京都から青年が自転車で来た。」
(自転車でまわっている人もいるんですねー!)
・・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・・・
食事がまだなので聞いてみたら、この辺はない、とのこと。
ガックリ。かなり歩いたので腹ぺこ。


高礼場跡


1:55 「事任(ことのまま)八幡宮」


本殿参拝。
この五所神社も参拝。
「御札」を頂き、宮司に
バスの時間を聞いたら
「14:13」とのこと!

驚いて参道を駆け戻るが、
バスは目前を行ってしまった!

「時刻表」を見たら次は
1時間32分後の、15:45!
 

1号線に出て食堂を探す。やっと見つけた食堂は廃業。ガックリ。 
タクシーでも通らないものか。 空き腹を抱え掛川駅まであと2時間歩く覚悟をした。

と、車がすーと寄って来て、「宮司にお送りするようにことづかりましたの。」 
なんという神様か! 願ったことは叶う(事任)、そのままだ!



お蔭で、現代の「早駕籠」で
掛川駅に。
誠にありがとうございました。

新幹線ホームの売店で
駅弁「一豊御膳」。
掛川城所縁の山内一豊の
妻を偲んだネーミングだ。

朝、島田宿を出てから
ずっと歩き通しで
3時前、やっと昼飯。
 

第二十六次:掛川宿
(静岡県掛川市)

9月、再び掛川。
「新町の七曲り」


右に左に何回か曲がって、大手門に着く。


8:30 「大手門」:立派なもんだ。




文明年間(1469〜1487)に駿河守護大名・今川義忠が築き、
天正十八年(1590)山内一豊が城主となる。
NHK大河ドラマ平成18年度はその一豊と”内助の功”で有名な妻・千代の「功名が辻」。

現在の城は平成6年(1994)本格的な木造の城として復元。
(なんだか、昔の絵はがきのような構図になってしまったナー。)


「二の丸御殿」:国指定重要文化財。江戸時代の藩の政治や大名の生活がしのばれる貴重な建物。

映画「雨あがる」(主演:寺尾聰・宮崎美子)に出てくるのは、この御殿。


さて、旧道に戻る。
旧道は駅近くの賑やかな中心街を通らず、その北を行く。


逆川を渡った辺り。


掛川特産:葛布のお店があった。

「東海道名所図会」: ”名産葛布 葛布を色ゝに染めて呉服の市店に出す
多くは鞠袴に用ゆ これ掛川の名産也” とある。


倉真(くらみ)川沿いを歩く。前方に「大池橋」が見えてきた。


「秋葉山遠望」


天竜浜名湖鉄道。左がすぐ「西掛川駅」。
電車が来ればナー、と思っていたら本当に来たので、あわてて撮った。


「曽我鶴」蔵元
飲兵衛だから、立ち止まらずにはいられない。


10:25 善光寺門前 
「ここは東海道真ん中のお寺です。この椎の木の葉風にあたり休息してください。」
とあったので、暫し休息す。


しばらく歩くと、間の宿:「原川」。松並木が残っていた。 
掛川宿とはそろそろお別れで、間もなく袋井宿に入る。


「遠江國(二)」に続く

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