遠 江 國 (一)
(と お と う み の く に)
(かなや)
(静岡県榛原郡金谷町)
「大井川遠岸」
大井川を渡るといよいよ遠江國だ。
この大井川橋、渡るのに15分かかった。
金谷宿、JR「金谷駅」裏の常夜燈。
ここから旧道の登りが始まる。
「平成の道普請(平成3年、町民約600名の参加で430mが復元された)」の石畳を登り始めると、
上からかなりの勢いで降りてくる人がいる。「お元気ですねー。」と声をかけたら、
「な〜に、土地のものだから上り下り、ちっとも苦にならないって。」と申しておりました。
諏訪原:
陽射しの強さに折畳みの雨傘を日傘代わりに差す。
間の宿:「菊川」
静かな、落ち着いた町でした。
”間の宿”は原則として旅人の宿泊は禁じられていた。
川止めの場合でも、金谷宿の許可がないと旅人を泊める事は出来なかった。
その際も、尾頭付きの料理は出すことが出来ず、考え出された「菜飯(なめし)田楽」が名物になった。
(「菊川の里」にあった金谷町観光協会の案内板から抜粋)
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ゆるい傾斜ながら 長〜いのぼり坂が続く。 箭置(やおき)坂を登り 平らになって登りきった、 と思うとまた登り坂になる。 今思い出しても 暑くてまいった。 夏は歩かない方が良い。 そう言えば、誰にも 会わなかった。 |
(にっさか)
(静岡県掛川市日坂)
12:20 やっと「久延寺」着:本堂脇に「夜泣き石」がある。
”子育て飴”のお店「扇屋」さん。
100歳になるおばあちゃんの写真が店先に飾ってあったけれど、声をかけたが誰もいなかった。
突然犬が飛び出してきて、先導し始めた。度々振り返り、
得意のポーズで「こっちだ、こっちだ。ちゃんとついて来いよ!」と言わんばかりだった。
見渡す限り、茶畑。奥の山は栗ケ岳
明治初年、川越制度の廃止に伴い人足の人達の救済事業として
牧ノ原が開拓され、大茶園となった。(箱根西坂の農業開拓と通じる)
「小夜の中山」(さよのなかやま)
この辺が廣重の画の所なのかな?
「七曲がり」の急坂を下り、日坂宿に。
1:30 旧宿場に入る。 本陣跡、隣で、
「こんにちは。」「どこから来られたんだか?」
・・・・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・・・・・
「このあいだ京都から青年が自転車で来た。」
(自転車でまわっている人もいるんですねー!)
・・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・・・
食事がまだなので聞いてみたら、この辺はない、とのこと。
ガックリ。かなり歩いたので腹ぺこ。
高礼場跡
1:55 「事任(ことのまま)八幡宮」
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本殿参拝。 この五所神社も参拝。 |
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「御札」を頂き、宮司に バスの時間を聞いたら 「14:13」とのこと! 驚いて参道を駆け戻るが、 バスは目前を行ってしまった! 「時刻表」を見たら次は 1時間32分後の、15:45! |
1号線に出て食堂を探す。やっと見つけた食堂は廃業。ガックリ。
タクシーでも通らないものか。 空き腹を抱え掛川駅まであと2時間歩く覚悟をした。
と、車がすーと寄って来て、「宮司にお送りするようにことづかりましたの。」
なんという神様か! 願ったことは叶う(事任)、そのままだ!
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お蔭で、現代の「早駕籠」で 掛川駅に。 誠にありがとうございました。 新幹線ホームの売店で 駅弁「一豊御膳」。 掛川城所縁の山内一豊の 妻を偲んだネーミングだ。 朝、島田宿を出てから ずっと歩き通しで 3時前、やっと昼飯。 |
(静岡県掛川市)
9月、再び掛川。
「新町の七曲り」
右に左に何回か曲がって、大手門に着く。
8:30 「大手門」:立派なもんだ。
文明年間(1469〜1487)に駿河守護大名・今川義忠が築き、
天正十八年(1590)山内一豊が城主となる。
NHK大河ドラマ平成18年度はその一豊と”内助の功”で有名な妻・千代の「功名が辻」。
現在の城は平成6年(1994)本格的な木造の城として復元。
(なんだか、昔の絵はがきのような構図になってしまったナー。)
「二の丸御殿」:国指定重要文化財。江戸時代の藩の政治や大名の生活がしのばれる貴重な建物。
映画「雨あがる」(主演:寺尾聰・宮崎美子)に出てくるのは、この御殿。
さて、旧道に戻る。
旧道は駅近くの賑やかな中心街を通らず、その北を行く。
逆川を渡った辺り。
掛川特産:葛布のお店があった。
「東海道名所図会」: ”名産葛布 葛布を色ゝに染めて呉服の市店に出す
多くは鞠袴に用ゆ これ掛川の名産也” とある。
倉真(くらみ)川沿いを歩く。前方に「大池橋」が見えてきた。
「秋葉山遠望」
天竜浜名湖鉄道。左がすぐ「西掛川駅」。
電車が来ればナー、と思っていたら本当に来たので、あわてて撮った。
「曽我鶴」蔵元
飲兵衛だから、立ち止まらずにはいられない。
10:25 善光寺門前
「ここは東海道真ん中のお寺です。この椎の木の葉風にあたり休息してください。」
とあったので、暫し休息す。
しばらく歩くと、間の宿:「原川」。松並木が残っていた。
掛川宿とはそろそろお別れで、間もなく袋井宿に入る。
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