東海道五十三次


伊 勢 國 (五)
(い せ の く に)


第四十八次:坂下宿
                (さかのした)
(三重県鈴鹿郡関町坂下=現:亀山市関町坂下)


再び1号線に合流、鈴鹿峠に向う


すぐ右に折れて旧道に入り、「市之瀬社常夜燈」


1号線を横断し「西願寺常夜燈」


また1号線に合流しあの山が名勝「筆捨山」:

あまりの景色の素晴らしさに、古の絵師も画くことが出来ず、
筆を置いたので「筆捨山」の名がついたのだそうだ。


「筆捨嶺」


1号線の右下を「鈴鹿川」が流れる


「沓掛」あたり
静かな、昔の佇まいの町だった


「坂下宿」目指してさらにしばらく歩く


「坂下宿」:
往時は本陣だけでも二軒あり、鈴鹿峠を控え、街道有数の宿場だった。
明治以降、鉄路・関西本線等の開発により、急速に寂れてしまった。


「坂下宿」を過ぎて「岩屋十一面観世音菩薩」:
道は次第に登り坂になっている


すると「東海自然歩道」の案内板。
アスファルトの1号線沿いを歩くより、山道の方が良い。
階段もここだけで、どうせすぐ1号線に合流するだろう。


と、登り始めたが、階段が次から次と続く


平らになったかと思うとまた階段。


歩いても歩いても、なかなか山道は終らない。さすがにバテる。


なんとか1号線に出た。


4時前、「お食事処 鈴鹿峠」到着。山の中の宿だ。

今日は7時過ぎにJR「川井田駅」から歩き始め、
「亀山宿」「関宿」そして「坂下宿」を通り、やっと鈴鹿峠の登り口に着いた。



檜の風呂で手足を伸ばし、
晩飯は「猪鍋」だ。
この旅館の女主人が、赤味噌と砂糖で味付けしながら煮始める。

しかしすごい量だ。
これは体も温まる!
先付け:
・山芋・ますの南蛮漬け
・手作りこんにゃく(シコシコ!)
鹿刺し。

こんなに分厚いのは初めてだ。
猪肉と大根の煮物。

猪の歯ごたえがたまらない。
鱒のあらい。

鯉のあらいは食べるが、
鱒は初めて。

この酢味噌がいい味でした。
鱒の焼き物
「熱いうちに食べて下さい」

料理は冷めないように、
食べ終わると一品づつ
一階から運ばれてくる
山菜ときのこの天ぷらと
鱒のフライ。

「いっぱい歩いてきたんだから、
 いっぱい食べて下さい。」
飲んで食べて、もう満腹だ〜!

最後に、
「鰻、食べますか?
 すぐ焼きますけど。」
「う、うなぎ!ハイ、食べます!」

鰻まぶし丼、お茶漬けで食べる。
これは、イヤ、これも、美味かった!
 

翌朝:
「どうもご馳走様でした、お世話になりました。」
「ありがとうございました。気をつけてネ。」


そして息子さんから、猪の牙で作ったキーホルダーを頂く。


昨日の道をすこし戻ると、すぐ「片山神社」入口=鈴鹿峠登り口。


神社を過ぎると、秋の真っ只中だ。


ずっと道は登り道。


杉木立を「鏡岩」に立ち寄る。



「天然記念物 鈴鹿山の鏡岩」:
山賊がここから街道を行く旅人を覗ったんだそうだ。


「鈴鹿峠」:万人講常夜燈
ここ鈴鹿峠から伊勢の海、遥か彼方四国金毘羅神社に、
航海と道中の安全を祈願して建てられた。

地元山中村・坂下宿・甲賀谷の人達、三千人の奉仕で出来上がった。
(重量38t・高さ5m44cm)
どうやってここまで担ぎ上げたんだろう?


峠を過ぎ、1号線と合流。
いよいよ滋賀県土山町に入る。さあ、次は土山宿だ!

「近江國(一)」に続く

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