猫の危険性の検証

はじめに

子供ができたときに、「赤ちゃんができたの?じゃぁ猫はあきらめないとね」とあちこちで言われた。
もっと直接的に「処分したら?」などとのたまう奴もいた。


うちの子はもうじき3歳になるが、元気だ。


世の中ではそういった声に流され、泣く泣く猫を処分した家庭もあるだろう。

でもしばしまて。

そういう情報の確たるデータをご覧になったことがあるだろうか?
また一方で「心配することはない」とする獣医の意見もあるがこれもデータに裏付けされたものがあっただろうか?

このページではあくまで統計的な裏付けをもとに猫の危険性を検証するものである。

考えられる要因

なぜに猫がかくのごとく危険物あつかいされるのか。
その理由は

1)赤ちゃんが動くようになると爪で顔や目に怪我をさせる
2)赤ちゃんが寝ていると顔に覆い被さって窒息死させる
3)猫は病気をもっている
4)猫の毛がとびまわって不衛生

等があげられる。
つまりまとめると、

・猫を原因とする死亡事故があったか
・猫を原因とする傷害事故があったか
・猫が所持している病気による感染があったか
・猫の毛を原因とするアレルギーが発生したか

の点が考えられる。

死亡事故があったのか

厚生労働省がだしている人口動態調査死亡数,性・死因(外因・死因基本分類)別の中での生物による死因は以下のとおり

  平成11年 平成10年 平成9年
外因総数
50269
24973
49644
24706
43025
22512
W53  ネズミによる咬傷
-
-
-
-
-
-
W54  犬による咬傷又は打撲
-
1
-
2
2
2
W55  その他の哺乳類による咬傷又は打撲
7
-
3
4
10
1
(W55.0 家庭内)
- - - - (1) -
W56  海生動物との接触
-
-
-
-
1
-
W57  無毒昆虫及びその他の無毒節足動物による咬傷又は刺傷
-
-
-
-
-
-
W58  ワニによる咬傷又は打撲
-
-
-
-
-
-
W59  その他の爬虫類による咬傷又は挫滅
-
-
-
-
-
-
W60  植物のとげ及び鋭い葉との接触
-
-
-
-
-
-
W64  その他及び詳細不明の生物による機械的な力への曝露
-
1
-
1
1
-

猫は哺乳類であるため、W55の中に分類されるが、その中で家庭内の死亡はわずか1件。
「その他の哺乳類」に猫も入るだろうが、熊、狐、狸、いたちetcがすべて含まれる。

とすると、猫に噛まれて死ぬ可能性のあった人間は平成9年から11年までの3年間でわずか1名であり、
さらにその1名も猫である可能性はきわめて低いといえよう。

窒息するのか

さて、猫に乗られて窒息させられるには、ある程度の年齢以上になるとよほどの状況でない限り無理であろう。
したがって、今度は乳児の死亡原因について考察する。

人口動態調査 /下巻乳児死亡 第1表

この中でBa51その他の不慮の窒息がこれにあたる。少なくとも平成11年には66人の赤ちゃんが亡くなった。

では不慮の窒息で1歳未満の数値はどのようなものか。Ba51の定義は『W75-W84の残り』となっている。

人口動態統計(下巻 死亡 第1表ー1)死亡数、性・年齢(5歳階級)・死因(三桁基本分類)別

残念ながらこれが猫が原因とみられるかどうかは統計資料上不明である。
ただ全体で7919人が不慮の窒息でなくなり、そのうち144名が1歳未満であるという事実しかこの資料からは浮かび上がってこない。
とすると、なぜ『猫によって』『赤ちゃんが窒息』という事柄がでてくるのだろうか。

みなさんにお願いしたい。もしどこかで「猫によって窒息した」ないし、その種の情報をみたことがある、また紹介しているサイトがあればぜひ、私ゆずまでご連絡いただきたい。

参考サイト

Future Children
 育児の部屋/育児グッズの選び方、猫との共存など興味深いサイトです。もちろんこちらのTeo君も元気に猫のしっぽを追いかけているそうです(^^)

人と動物が仲良く暮らしていくためのホームページ
 獣医さんの佐野さんのHPです。「人畜共通感染症」のコーナーを読めば、必ず安心できるはずです。

しっぽの花園】 [ペットと赤ちゃんのいる生活]の中でも[ペットのいる暮らし]がお奨めです。非常にわかり易くまとめておられます。またこぼれ話は一見の価値がおおありです(笑)

べびわん こちらもいろいろつらい思いをなさって、その中からいろいろまとめておられるサイトです。もちろんこちらでも元気にいっしょにくらしてますよ(^^)