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挨拶と「萩大名」「萩代議」の
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現代狂言
−狂言とコントが結婚したら−

2006年7月2日(日) 大槻能楽堂

−「連句」−

東方朔南原清隆
オタク天野ひろゆき(キャイ〜ン)
詐欺師ウド鈴木(キャイ〜ン)
建築業者ドロンズ石本
施工主の妻森一弥(エネルギー)
代議士ルー大柴
秘書平子悟(エネルギー)

大神野村万蔵
童子野村太一郎


楽 士
弦楽器田中悠美子
管楽器稲葉明徳
打楽器和田啓
(敬称略)


天上の草木は人間の言葉を糧に育ち、地上の言葉が痩せれば天上の植物も痩せる。
下級役人の神様の東方朔は、大神の良い言葉を探せという命の下、地上に降り立つ。
そこは、日本の秋葉原。
「良い言葉はござらぬか」と道行く人に尋ねる東方朔に、声をかけるオタク青年。
オタク青年は東方朔を神様のキャラクターでコスプレしていると思い込み、いろいろと尋ねる。
東方朔が木や花が元気になる言葉を探していると知り、オタク青年は「萌え〜」はどうかと告げる。
「萌え〜」は胸がキュンとしてゾワゾワ〜とする時に使うという説明が解らない東方朔に、オタク青年は「良い場所がある」とフィギアショップに連れて行こうとする。
道中でオタク青年が「暇で退屈でどうでもいい日々を送っている」と話すと、東方朔はその場にヘナヘナと倒れこんでしまう。
虚しい言葉を聴くと、東方朔は身体が萎えてしまうという。
そこに代議士と秘書が登場し、選挙演説をして去って行く。
立派なことを言っていると感心する東方朔に、オタク青年は全部ウソだと話す。
2人はようやくフィギアショップに到着。
東方朔は着せ替え用の裸のフィギアを見て胸がゾワゾワ〜とするが、生きた人間が良いと話す。
オタク青年は今度は東方朔をメイド喫茶に連れて行く。
「お帰りなさいませ、ご主人様」という挨拶を聞き、オタク青年の自宅と勘違いする東方朔。
オタク青年は「学校ではウザイ、サムイ、キモイと言われる」と話し、東方朔は「ウザイ、サムイ、キモイ」いう言葉に萎えて倒れこんでしまう。
そこに詐欺師が現れ、2人に声をかける。
詐欺師は東方朔が倒れている原因はストレスと告げ、「アミノ酸入り磁気ネックレス高級羽毛布団アルカリイオン水」という毛生え薬を売りつけようとする。
酷いと嘆く東方朔に、自分も騙されたと話す詐欺師。
家のリフォームを頼んだ相手が悪徳業者で、今も自宅で妻と業者がやりあっているらしい。
妻に邪険にされている詐欺師は、「昔の優しい人は今いずこ」と嘆く。
東方朔は業者をこの目で見たいと言い出し、3人は東方朔の力で詐欺師の家へ。
詐欺師の家では、詐欺師の妻が欠陥箇所の修正を必死に訴えていたが、悪徳業者は言葉巧みに上手くかわして去って行ってしまう。
腹を立ててヤケになった東方朔は酒を飲みたいと言い出し、3人は東方朔の力でクラブへ。
酒を飲んで大神のことを愚痴る東方朔。
そこに現れた代議士の秘書は東方朔に同意する。
「胸がいっぱいになる仕事がしたい」という秘書の言葉を褒める東方朔は、いきなり踊ろうと言い出して1人舞を舞う。
その後東方朔は秘書を女役にしてタンゴを披露し、オタク青年は歌を歌い、詐欺師も楽しく踊る。
そこに代議士が現れる。
「私だけ」と叫ぶ代議士につられてオタク青年たちも「ウザイ」「ダサイ」「キモイ」と叫びながら踊り、それを聞いてすっかり萎えて元気を失くしてしまう東方朔。
その時「夕焼け小焼け」が流れ、「閉店だ!夕焼け小焼けで帰るんだ!」と叫ぶ代議士。
そこへ大神の使者の童子が現れ、東方朔の帰りが遅いのを心配した大神がここへ来ると告げる。
地上に降りた大神を迎える東方朔。
「良い言葉は見つかったか」と問われ、思わず見つかったと答える東方朔。
早く聞かせるよう言われるが、東方朔は「こころ」と言った後に言葉に詰まってしまう。
東方朔に「萌え〜」のジェスチャーを見せるオタク青年。
その後順に詐欺師、秘書、代議士がジェスチャーを見せ、東方朔は言葉を紡ぐ。
童子に復唱させた「こころ 萌え 優しき人は今いずこ 胸いっぱいに 夕焼け小焼け」を聴き、「良い歌じゃ」と満足する大神。
「良い言葉と出会ったな」と告げる大神に、「はい、良い人と出会いました」と答える東方朔。
詐欺師と秘書は故郷や実家に帰ると言ってその場を去り、代議士は秘書の後を追う。
去ろうとするオタク青年を呼び止め、オタク青年の頭に自分の烏帽子を被せる東方朔。
オタク青年は自分のキャップを東方朔に渡して去って行く。
東方朔はキャップを被り、大神や童子の後を追い天上へ戻って行く。


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