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大河ドラマ「義経」

ストーリー

2005年1月9日放送
第一回「運命の子」(演出:黛りんたろう)

寿永3年(1184年)2月7日、摂津の一ノ谷。
断崖絶壁の上に源義経(滝沢秀明)率いる源氏軍が現れる。
義経郎党の武蔵坊弁慶(松平健)伊勢三郎(南原清隆)駿河次郎(うじきつよし)喜三太(伊藤淳史)佐藤継信(宮内敦士)佐藤忠信(海東健)鷲尾三郎(長谷川朝晴)をはじめとする源氏軍は、義経の「方々、参る!」という掛け声と共に崖下に陣を張る平家軍に奇襲をかける。
沖に浮かぶ船には総大将で平清盛(渡哲也)の三男の宗盛(鶴見辰吾)や幼い安徳帝(市川男寅)を抱いた清盛の妻の時子(松坂慶子)が、一ノ谷の東の生田の森には四男の知盛(阿部寛)や五男の重衡(細川茂樹)らがいて義経軍に対するが、奇襲攻撃を受けた平家の陣はみるみる炎に包まれていく。
今は敵味方に分かれた義経宗盛らだったが、かっては兄弟のようなひと時を過ごしていた時期があった。
物語は25年前へと溯る。


平治元年(1159年)12月。
平清盛と勢力争いをしていた源義朝(加藤雅也)が、後白河上皇(平幹二郎)二条天皇を内裏に幽閉し反乱を起こした。
清盛天皇上皇を救出して内裏に攻め入り、義朝の率いる軍勢を破った。
世に言う平治の乱である。
京の町を追われる義朝と嫡男の頼朝(池松壮亮)ら一行。
義朝今若(中村陽介)乙若(吉川史樹)と乳飲み子の牛若の3人の子を連れた都でも評判の美貌を持つ愛妾の常盤(稲森いずみ)と遭遇し、常盤に腰刀を渡し「子らを頼む」と告げ東国へと逃亡する。
頼朝は道中で義朝とはぐれた後に平氏軍に捕らえられ、義朝は尾張国(愛知県西部)で味方の裏切りにより謀殺される。
清盛は平治の乱の功績により正三位に叙せられ、これが平家の世の始まりとなる。

常盤は幼い子らを抱え実家へと向かうが、実家は残党狩りに合い無残な姿となっていた。
雪の中を彷徨い歩き疲れて小舟で寝ていた常盤らは、とある寺の住職に助けられる。
住職から義朝の死を聞かされた常盤は子と共に後を追おうとするが、牛若の無邪気な顔や義朝の言葉により思い留まる。

平家では捕らえた頼朝の処遇を巡りある事件が起きていた。
清盛の弟の頼盛(三浦浩一)から頼朝の面差しが亡き清盛の弟の家盛に似ていると聞かされた清盛の継母の池禅尼(南風洋子)が、頼朝の助命を清盛に求めたのだ。
拒否する清盛に対して、食を断つという行為に出る池禅尼
嫡男の重盛(勝村政信)池禅尼の為に、清盛頼朝の助命を進言する。
そこへ、自分の母が捕らわれたと知った常盤が3人の子を伴って清盛の元へ出頭する。
自分の命と引き換えに、捕らえられている母親と我が子を助けて欲しいと訴える常盤に対し、清盛は追って沙汰を下すと告げて立ち去る。

頼朝が美濃の大炊の長者に預けた源氏に代々伝わる「髭切りの太刀」が、清盛の元に届く。
頼朝により検分が行われ、頼朝の「髭切りの太刀に相違ない」という言葉に満足する清盛
その夜、清盛は父の時代からの知り合いであり腹心でもある京の組紐屋のお徳(白石加代子)の訪問を受ける。
お徳清盛の産みの母の鶴羽(堀越美穂)の話をし、母を思う清盛の心の内を指摘すると共に常盤鶴羽に似ていると清盛に告げてその場から去って行く。

清盛今若乙若を仏門に入らせ、常盤牛若には洛中に住むことを許し、頼朝は伊豆へ配流という寛大な沙汰を下す。
ある日、牛若と共に七条に住む常盤の元を、清盛が訪れる。
「今宵、伺いたいが」という清盛の申し出を受け入れる常盤
その夜から常盤清盛の愛妾となる。

5年後。
成長した牛若(神木隆之介)に竹とんぼを作る清盛
常盤はそんな2人を微笑んで見守る。
屋根の上に飛ばした竹とんぼを取るために木に登る牛若
遊びに来た清盛の五男の重衡(岡田慶太)が下りれなくなった牛若を助ける。
そこへ清盛常盤が現れ、重衡が「父上」と清盛に駆け寄る。
牛若清盛を「父上」と呼んで駆け寄るが、清盛はそれを許す。
その光景に驚く常盤
この時、常盤清盛の子を身籠っていた。

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2005年1月16日放送
第二回「我が父清盛」(演出:黛りんたろう)

長寛2年(1165年)。
牛若(神木隆之介)平清盛(渡哲也)の家人の平盛国(平野忠彦)邸で、清盛の子の知盛(森聖矢)重衡(岡田慶太)らと共に相撲をとったりと、兄弟のように楽しい時間を過ごしていた。
そこへ盛国と共に現れ、牛若たちの様子を見た清盛の長男の小松殿こと重盛(勝村政信)は、源氏の血を引く牛若に何らかの処分を与えるよう清盛に進言する。

牛若盛国邸から母の常盤(稲森いずみ)と住む七条の館に帰る為に都を歩いていた。
そこへ荷駄を積んだ暴れ馬が駆けてくる。
人々が逃げる中、1人の少女うつぼ(守山玲愛)が馬に気付かず道の真ん中に立っている。
牛若は咄嗟にうつぼを突き飛ばし、馬の前に両手を広げて立ちはだかる。
馬は衝突寸前に止まるが、馬に積まれた荷駄が落ち、豆などが道に散らばる。
駆け寄る浮浪者たちを追い払う荷駄の持ち主の五足(北村有起哉)烏丸(高橋耕次郎)
五足牛若を盗人の手先と思い込み殴りつける。
うつぼ里親(廣澤恵)が止めに入り、五足烏丸は馬を連れて立ち去る。
後を追った牛若は、盗人の手先ではないことを五足に何度も主張する。
五足は骨のある牛若を見直し、それぞれ名乗り合う。
館に戻った牛若は、母の常盤盛国邸で相撲を取ったことを嬉しそうに語る。
六波羅の清盛邸では、清盛の妻の時子(松坂慶子)が相撲で傷だらけの知盛重衡を叱っていた。

清盛常盤の館で、大和絵の描かれた屏風を見ていた。
そこには摂津の福原の絵が描かれていた。
夢の都だと常盤に語る清盛
清盛はうまく竹とんぼが作れなくて機嫌の悪い牛若に作り方を教え、常盤牛若の歳を尋ねる。

夏のある日、時子重盛の妻の経子(森口瑤子)時子の弟の時忠(大橋吾郎)の妻の領子(かとうかずこ)をはじめとする平家の女性達は舟遊びに出かける。
そこで時子領子から、清盛常盤を愛妾にし七条の館へ通っていることを聞かされる。
3日後、常盤盛国邸に呼び出される。
盛国常盤が話していると時子が現れ、自らを盛国の妹と名乗り同席する。
いろいろと尋ねる時子常盤が伽羅の香をしていること、一瞬気分を悪くした常盤の様子から身籠っていることに気付く。
戻った時子は弟の時忠を前にして思いを爆発させる。
なだめる時忠に、夫の仇である清盛に身を預けた常盤と、女の弱みに付け込んだ清盛に対する激しい怒りをぶつけ、常盤の産んだ子は今までのようには引き取らないと告げる。

清盛は宋から来た客人を招く席に、重盛と三男の宗盛(伊藤隆大)に同席するかを尋ねる。
即座に同意する重盛に対して、陰陽師に占ってもらった上でと答える宗盛に怒る清盛
清盛が去った後、自分は清盛に嫌われていると訴える宗盛を優しく諭す重盛

常盤邸にて、宋から招いた客人を前に清盛は屏風絵を披露する。
屏風絵には墨で書かれた落書きがあり、その場に常盤牛若が呼びつけられる。
清盛より尋ねられた牛若は臆することなく認め、清盛に屏風絵に書かれた絵について尋ねる。
牛若の態度に好感を持った清盛は、怒ることなく屏風の落書きに自ら線を加えて船の絵を描き、牛若に海や船や港、貿易について語る。
牛若に対する清盛の態度に不快な思いを持つ宗盛
重盛清盛の話から、清盛が福原に都をと考えていることに気付く。
皆がいなくなった頃、屏風絵の前に1人現れた宗盛は、怒りをぶつけるように屏風絵に石を投げつける。

常盤は女の子(能子)を出産する。
ある夜、清盛時子宗盛に対する不満を語る。
時子宗盛を庇い、常盤牛若に対しての気持ちを清盛にぶつけ涙を流す。
清盛常盤に、大蔵卿の一条長成(蛭子能収)の元に嫁いで能子を引き渡すよう告げる。
受け入れる常盤だったが、牛若だけはもう少し手元に置きたいと清盛に懇願する。
清盛常盤に肩身の狭い思いをさせたことを謝り、牛若を手元に置くことを許す。
能子時忠領子夫妻に預けられ、常盤牛若と共に一条長成の元へと嫁ぐ。
人の良い公卿の長成に迎えられた常盤は、牛若に今後は長成を父と思うように諭し、平家の人間との付き合いを止めるようきつく言い渡す。

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2005年1月23日放送
第三回「源氏の御曹司」(演出:木村隆文)

長寛2年(1165年)。
火事や干ばつが度々起こり、京の町は飢えた人々が大勢溢れていた。
町を歩いていた牛若(神木隆之介)五足(北村有起哉)は、今の京の悲惨な状況は平清盛(渡哲也)が自分の官位ばかりを考えているからだと話す。
そこへ平家の公達の行列が通り、五足の投げた石が平重盛(勝村政信)の乗っていた輿に当たる。
慌てて逃げる五足烏丸(高橋耕次郎)牛若
走り去る牛若の後姿を見た重盛は、このままでは各地の源氏の者達が牛若の元に集まるのではと危惧し、父の清盛(渡哲也)牛若の早急な処分を強く求める。

頻繁に屋敷を抜け出しては五足たちと遊ぶ牛若
五足たちの元にあかね(萬田久子)が現れ、そこにいた牛若に名前を尋ねる。
後から現れた男、奥州の商人の吉次(市川左團次)は、あかね源義朝(加藤雅也)の遺児である牛若の身辺に気を配るよう命じる。

常盤(稲森いずみ)の夫となった一条長成(蛭子能収)常盤に、清盛から呼び出されて牛若を即刻仏門に入れるか、西国へ流すかいずれかを選べと言われたと話す。
常盤牛若に鞍馬山の寺に入るように告げる。
激しく嫌がり、自分の出自について常盤に問う牛若
常盤は腰刀を牛若に差し出し、「母の言うことが聞けぬのなら、これで母を刺すことです」と言い渡す。
思いもかけない常盤の態度に牛若は言葉を失う。

都から北へ3里ほど離れた鞍馬山の寺に、常盤牛若は向かう。
山門に迎えに現れた覚日律師(塩見三省)牛若を託す常盤
常盤の持つ「松籟」と一対となる笛の「薫風」を牛若に渡し、常盤牛若の前から去って行く。
牛若の鞍馬寺での生活が始まり、暫くした頃、牛若は寺からの脱走を試みる。
途中で捕まり、覚日律師に連れ戻される牛若
覚日律師牛若を弱虫だと叱り、森羅万象全ては牛若の胸の中にあると諭す。
ある夜、夜中に寺を抜け出した牛若は樹林の中で不思議な人物を見つけて後を追い、あるお堂に辿り着く。
中には毘沙門天像があり、そこに先ほどの人物が現れる。
その人物、陰陽師の鬼一方眼(美輪明宏)牛若に、毘沙門天や森羅万象などについて語る。
翌朝、寺で目を覚ました牛若は昨夜のお堂へと向かう。
牛若はそこに現れた覚日律師から「遮那王」という名を与えられる。

翌年、清盛の妻の時子(松坂慶子)は従二位に叙せられ、清盛も内大臣となる。
宋から手に入れた品々を後白河上皇(平幹二朗)に献上した清盛は、上皇に平家一門32人がそれぞれ写した経文を厳島神社に奉納することを告げる。
西国に想いを向けている清盛に、それとなく嫌味を言う上皇
遮那王は夜中に母恋しさに寺を抜け出し一条邸へ向かうが、門の前で常盤の言葉を思い出し、そのまま一条邸から立ち去る。
途中、五足たちに呼び止められる遮那王
そこへお徳(白石加代子)朱雀の翁(梅津栄)が通りかかり、お徳遮那王に「あなたは人を惹きつけやすいから気をつけるように」と告げる。

写経32巻を厳島神社に納める平家一門。
清盛は従一位太政大臣にまで登りつめていた。

度々寺を抜け出していた遮那王は、隠れた小屋で以前暴れ馬から助けた少女のうつぼ(守山玲愛)と再会する。
ある日、覚日律師遮那王の元に、吉次義朝の弟で遮那王の叔父にあたる新宮十郎義盛(大杉漣)が現れる。
義盛(後の行家)遮那王に、遮那王は源氏の棟梁の義朝の子という立場で平家及び清盛は源氏の敵だと告げる。
父と慕っていた清盛が敵と知りショックを受けた遮那王は、寺を飛び出し渓谷へ辿り着く。
そこに現れた鬼一方眼の「何事も受け入れること」という言葉を聞いた遮那王は、様々な想いを振り切るかのように滝へと飛び込む。

月日が流れ、滝には逞しく成長した遮那王(滝沢秀明)の姿があった。

(一部敬称略)
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