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大河ドラマ「義経」

ストーリー

2005年1月30日放送
第四回「鞍馬の遮那王」(演出:黛りんたろう)

承安元年(1171年)。
成長した遮那王(滝沢秀明)は鞍馬寺の生活に馴染み、出家はしていなかったが修行を続けていた。
ある日、京の町へ行こうとする遮那王覚日律師(塩見三省)が呼び止め、「三条に住む吉次(市川左團次)を訪ねること、自らの名を秘密にすること、母の常盤(稲森いずみ)を訪ねないこと」の3つを守るように遮那王に言い渡す。

遮那王が京へ向かう目的は、吉次が連れて来た叔父の新宮十郎義盛(大杉漣)にもう一度会い、自分の出自の詳細を尋ねることだった。
三条にある吉次の家を訪ねた遮那王を、あかね(萬田久子)が迎える。
吉次は留守の為にあかね遮那王をもてなし、平清盛(渡哲也)が病に倒れた時の様子を話す。
ある日、清盛は寸白という病(サナダムシなどの条虫によって起る病気)で床に着き、その時に清盛は出家し、妻の時子(松坂慶子)も病平癒の為に出家したこと、清盛後白河上皇(平幹二朗)が見舞い薬草などを渡し、その後、上皇清盛の病平癒後に出家し法皇となったこと、清盛が福原に屋敷や港を作ったりしているのを京の人々は福原に都を移す準備ではないかと噂していること等をあかね遮那王に語る。
そこへ戻ってきた吉次に、叔父の新宮十郎義盛の所在を尋ねる遮那王
理由を聞く吉次遮那王は自らの出自について詳しく知りたいと答えるが、吉次は言葉を濁す。
あかねから組紐屋のお徳(白石加代子)も詳細を知っていると聞き、お徳の家を訪れる遮那王
お徳に会えず町を歩く遮那王は、悪僧の大日坊春慶(荒川良々)に殴られそうになっていた女を助ける。
その女は成長したうつぼ(上戸彩)だった。

寺に戻った遮那王の前に鬼一方眼(美輪明宏)が現れる。
遮那王方眼に、「父の仇の清盛を憎むことも許すこともできない」という苦悩を打ち明ける。
方眼から「悩みぬけば良い」と諭された遮那王は、方眼に弟子入りを志願し武術の教えを請う。
その日から方眼による厳しい修行が始まる。
闇の中を走り、兵法書を読み、林の中で棒を振る等、武術の稽古に励む遮那王

一方その頃、比叡山延暦寺と園城寺との確執は激しくなり、ついに平家の軍勢が武力で鎮める騒ぎとなる。
騒動の責任を問われた比叡山は、僧の1人である武蔵坊弁慶(松平健)に責任を被せ、騒動の首謀者として比叡山から追放する。

六波羅の清盛邸では、清盛時子が娘の徳子(中越典子)の行く末を心配していた。
清盛徳子の嫁ぎ先に心当たりがあることを時子に告げる。

六波羅の重盛邸に、寺を追い出された弁慶が抗議に現れる。
応対した重盛(勝村政信)の嫡男の維盛(賀集利樹)に追い払われた弁慶は、夜の川岸や昼の町中で平家の公達から太刀を次々と奪い取るという平家に対する復讐を始める。

ある夜、林の中で武術の修行をする遮那王の前に烏天狗の面をつけた集団が現れ、遮那王に襲い掛かる。
遮那王は応戦し、見事に最後の1人の天狗の面の鼻先を折る。
男が天狗の面を取ると、それは方眼であった。
方眼は修行の終わりを告げ、腰刀を褒美として遮那王に授けて鞍馬を去って行く。

ある日、意を決した遮那王は母の常盤に会う為に一条邸へと向かう。
一条邸の門を叩き見回りの兵に見咎められた遮那王は、お徳の家へと逃げ込む。
お徳常盤清盛について尋ねる遮那王
遮那王の決意を聞いたお徳は、遮那王の父の源義朝(加藤雅也)が討たれた後に常盤遮那王ら子供の命乞いに六波羅に出向いたこと、清盛が乳飲み子の牛若に実母を知らない自分を見て助けたこと、清盛遮那王にとって父の仇であるが命の恩人でもあると語る。
お徳の家を後にする遮那王に対し、常盤を恨むなと諭す五足(北村有起哉)
お徳遮那王に、平家の兵から逃れる為にと女物の被衣を渡す。

頭から被衣を被り、母からもらった笛を吹きながら鞍馬寺へと向かう遮那王は、五条大橋に差し掛かる。
橋の向こうに大きな人影が立ちはだかる。
桜舞う春の夜、運命の出会いが待ち受けていた。

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2005年2月6日放送
第五回「五条の大橋」(演出:黛りんたろう)

頭から被衣を被り、母の常盤(稲森いずみ)からもらった笛を吹きながら鞍馬寺へと向かう遮那王(滝沢秀明)は、五条大橋に差し掛かる。
橋の向こうに、平家の公達から太刀を奪い取っていた武蔵坊弁慶(松平健)が立ちはだかる。
弁慶の存在に気付いた遮那王は、大事な笛を懐にしまい、被衣を深く被りゆっくりと歩いていく。
歩み寄る弁慶遮那王を女だと思い、そのまま2人は橋の中央ですれ違う。
ふと振り返って遮那王を見た弁慶遮那王の腰刀に気付き、呼び止め遮那王の被衣を取り去る。
無視して歩く遮那王の前に立ちふさがった弁慶は、腰刀を要求するが遮那王は断る。
弁慶は力づくで奪い取ろうとするが、遮那王はひらりと身をかわす。
橋の欄干へ飛び移る遮那王の懐から笛がこぼれ川へと落ちる。
怒った遮那王は、長刀を振り回す弁慶に腰刀を抜いて応戦する。
遮那王は、橋のあちらこちらを軽々と飛び渡って弁慶を翻弄し、弁慶の向う脛に折れた長刀の柄で一撃を与える。
倒れた弁慶に「気がふさいでいたので相手をした、許せ」と告げ、去って行く遮那王

桜の花も散った頃、平清盛(渡哲也)時子(松坂慶子)に、娘の徳子(中越典子)を入内させ高倉天皇の中宮にと考えていること、表立って動けない清盛の代わりに平家一門の女性に立ち回ってほしいことを話す。
時子は弟の時忠(大橋吾郎)の妻の領子(かとうかずこ)、息子の重盛(勝村政信)の妻の経子(森口瑤子)知盛(阿部寛)の妻の明子(夏川結衣)重衡(細川茂樹)の妻の輔子(戸田菜穂)の4人を集めて相談する。
入内は摂関家からという慣わしがある為、時子達はいろいろと知恵をめぐらす。
明子は、過去に摂関家出身ではない待賢門院璋子白河院の養女となった後に後白河法皇(平幹二朗)の父である鳥羽帝に入内した例があると話し、徳子後白河法皇の養女にと提案する。
そこで、時子の妹で法皇の女御の建春門院滋子(中江有里)を通じて法皇に奏上してもらうという案が出る。
時子らが直接会うことの出来ない滋子には、同じく時子の妹で滋子の侍女である冷泉の局に橋渡しを頼むということで話はまとまる。
滋子法皇に、徳子法皇の養女にした後に高倉天皇の女御にと願い出る。

鞍馬寺で代わりの笛を作る遮那王に、覚日律師(塩見三省)は幼馴染が会いに来ていると告げる。
遮那王に会いに来たのは、以前、都で遮那王が悪僧から助けたうつぼ(上戸彩)であった。
遮那王はそれが幼い頃鞍馬で共に育った少女だと気付く。
うつぼ遮那王に自分の身の上を話す。
孤児だったうつぼお徳(白石加代子)五足(北村有起哉)とも知り合いで、お徳の世話で鞍馬の里親の元にもらわれる。
7年前、悪さをして寺を追い出されたうつぼの兄の大日坊春慶(荒川良々)が都に戻り、鞍馬の里親を騙しうつぼを遊女宿に売る。
「同じ生きるならもっと伸び伸びしたい」と思い遊女宿を逃げ出して来たと笑ううつぼを、眩しそうに見る遮那王

一方、弁慶は世話になっている寺で6日も食を取らず、五条大橋での遮那王の姿を思いながら「生き仏だ」と空を見つめて呟く。

うつぼを送って都に出た遮那王は、ならず者に襲われている五足烏丸(高橋耕次郎)に遭遇する。
止めに入った遮那王は、五足らの組紐を持って逃走するならず者達を追うが、平家の牛車を守る侍の列にぶつかってしまう。
牛車に乗っていた時子は、うつぼらが遮那王の名を叫ぶのを聞き、侍相手に立ち回る遮那王を見つめる。
ある神社の境内に逃げ込んだ遮那王は、舞の稽古をする白拍子の(石原さとみ)に出会う。
遮那王が追われていることに気付いたは、垂衣を遮那王に渡し機転をきかせて遮那王を助ける。
は大事な笛を失くしたと話す遮那王に、自分の笛を貸し与える。
名を告げ立ち去るの後姿を見つめる遮那王

ある日清盛邸に、源氏だが平治の乱で平家側に付き、清盛の信頼も厚い源頼政(丹波哲郎)が訪ねてくる。
頼政清盛に、平治の乱で頼朝(池松壮亮)から手に入れた源氏の「髭切りの太刀」見せてほしいと願い出る。
太刀を見た頼政は、太刀に作者の銘が入ってないことに疑問を抱きその旨を清盛に告げる。
清盛の命で盛国(平野忠彦)が柄を外して検分すると、そこには別の銘が入っていた。
偽者を本物と欺いた頼朝を思い出し、怒りを堪えて一点を見つめる清盛
その夜、清盛邸の前を通った朱雀の翁(梅津栄)烏丸は鵺のような叫び声が館から響き渡るのを聞く。

翌朝、清盛邸を訪れた重盛は、庭の木々の無残な状況に驚く。
家人の家貞(来須修二)から縁の下に捨てられていた折れた髭切りの太刀を見せられた重盛は、夜中に激しい怒りで太刀を振り回す清盛の姿を想像して愕然とし、弟の宗盛(鶴見辰吾)知盛重衡、叔父の頼盛(三浦浩一)時忠、家人の盛国を召集する。
時子から遮那王が洛中を徘徊していることを聞いた一同は、伊豆に配流中の頼朝の見張りの強化と遮那王に対しての警戒を強める。

鞍馬寺の遮那王から借りた笛を吹きながら、のことを思い出していた。
盛国は一条邸を訪れ、常盤長成(蛭子能収)遮那王の行動について問い質す。
常盤から何も聞き出せず怒る盛国とその家人の貞光(竹本美知数)
馬で都を通る貞光うつぼの兄の春慶が駆け寄り、以前紹介した女について尋ねる。
貞光春慶に、遮那王を捕らえるよう持ちかける。

夜、外で火を囲んでいた五足烏丸は、髭を伸ばし虚ろな表情でフラフラ歩く弁慶に声をかけられる。
身軽で笛を吹く女のような稚児を探しているという弁慶に、知らないと答える五足烏丸

一方、春慶は同じ孤児の喜三太(伊藤淳史)と共に、うつぼ遮那王を寺から呼び出すように頼む。
即座に断ったうつぼお徳の元に向かう。
うつぼの話と五足から弁慶のことを聞いたお徳は、五足遮那王に都に近付くなと伝えるよう命じる。
鞍馬寺に辿り着いた五足覚日律師は、遮那王常盤が危篤という使いが来て都へ向かったと告げる。
必死に都へと走る遮那王を、春慶喜三太ら仲間が武器を手に待ち伏せていた。

(一部敬称略)
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