Screaming for Vengeance

TRACK -1 Sworn to Avenge……Condemn to Hell
―復讐を誓い……地獄を宣言する―



 雷光が煌き、雷鳴が轟く。不毛の荒野である“悪夢の大地”より、一人の男が生還した。
 暗雲が天空を埋め尽くし、大粒の雨が真っ黒に焼け爛れた大地に降りしきる。水を受け付けぬほど硬く乾いた“悪夢の大地”よりも、男の心は硬く乾き……そして、凍り付いていた。
 過去の惨劇を……憎しみをその心に抱えたまま……
「…………」
 男は天を仰いだ。大粒の雨が彼の顔を濡らし、その鍛え上げられた肉体へしとど流れ落ちた。雨に濡れるその顔の右半分は傷だらけで、右目も変色しており、めしいていた。
「……帰ってきたぞ……」
 遠くで雷鳴が轟く。彼の声はその音にかき消されるほど小さく、そしてか細いものだ。
「……貴様の死の番人になるために……」
 彼は天を仰いだまま、垂れ込める暗雲を見つめ呟いた。また雷光が煌き、彼を明るく映し出したが、その瞳は眩い雷光を以ってしても映し出せぬほど暗く禍々しい闇の輝きを放っていた。
「……レガート……!」
 うなるような呟きの直後、雷鳴がより大きく轟いた。まるで、彼の心の叫びに呼応するように……
 悪夢の大地……漆黒の土地と呼ばれ、中に迷い込んだ者は二度と抜け出ることは叶わぬと言う伝承のある、過去の惨劇の場……



TRACK 0 Wasting My Hate ―忘れ得ぬ憎しみ―




 復讐とは虚しさと哀しさを生むだけだ……憎しみという刹那を拭い去ることはできないし、何も満たされることなどない。
 憎しみからはそれ以上の憎しみしか生まれない。
 無論、俺だってそんなことはわかっている。
 だがな……今の俺にはそれしかない。
 復讐以外に自分自身を支えることのできなくなった俺……破滅と解かっていることに身を染める以外に、生きていく道を見つけることができなくなった俺……
 それでも生きねばならぬなら、憎しみという心の波に呑まれ復讐という業火でその身を焼き尽くすことを選ぶ……

 忘れ得ぬ憎しみを感じたあの日から……

 復讐を誓い、地獄を宣言し、死の番人となったあの日から……