青 空

               中山 昌男& 娘 佳那子

  何となく空を見上げた

      どこまでも澄んだ青空。

      自分を見透かすような青空。

          青空は私なのだろうか?

無限に広がり自由で優しく生かしてくれる青い空。

      青空…

    いつまでも温かく見守っていて―――


               柿本 竜一

 今,何かをやろうと思っても,また今度,また今度と先のばす。

 今度っていつ?

 今度は今度さ。

 いつくるのだろう,その今度。

先を見るのは大事だけど,

        “今”を観るのを忘れずに。

 そうすれば,今度が今になるかもね。

すべての思いを家族に 2

               田上 豊

 家族とは,「夫婦,親子や血縁関係が基礎成立する小集団社会構成の基本単位」と広辞苑に載っています。
 私たちの目指すものは幸福にあります。
 健康とか,経済とか子供の事とか,人によって価値基準が色々あります。けれども幸せを願っているのは世界中みな同じです。特に子供の結婚が大きなウエートを締めています。
 最近,町内を見てみますと結婚をしていない若者が多くいます。それも高齢の独身者です。子供が結婚をしないで,親は、どのように考えているのでしょうか? ご祖先はどのような思いで子孫をみているのでしょうか。親子のコミニュケーションは! 何処へ行ったのでしょうか。
 マイホーム主義は,自己中心だと異論を唱えた方々の家庭はどうなったのでしょう! マイホーム主義が行き過ぎれば問題があると思いますが,今ほど家族の絆が希薄な時代はないでしょう。
 もっと自分の家庭を大切にしよう。

アケビ採りの想い出

               陶久 敏郎

 秋も深まった頃,私は小学校から帰ると一目散に,近所の友達とアケビを採りに走って行った。
 アケビのある場所はちゃんと知っている。美味しいアケビは村の共同墓地のある山にあり,まるで私たちを待ち焦がれていたかのようにアケビは紅い顔をしている。
 まず,アケビの実っているところの木に登る。現在の私からは想像もできないようなスマートな肢体を枝に絡ませて,瞬く間に目指すアケビに手を伸ばす。
 放課後ともなると陽も西に傾いている。引き寄せたアケビのかずらの間から晩秋の太陽を垣間見る。子供心に強く印象に残った情景を今でも鮮やかに想い出すことができる。
 「バナナみたいやけんど,バナナより美味しいな。このヌルヌルしてねっとりとしたところが甘あてたまらんな」
 とか,友達と話しながら腹いっぱい食べた。
 「もうちょっとしたらあっちのアケビが食べれるけん,また来んか」
 そんな話をしながら墓地山を背にして駆け出した。私と友達の背中に村のご先祖様たちが,
 「気いつけて帰れよ。また遊びに来いよ」
 と,口々に語りかけてくれた。
 いまでもお墓参りに行くたびに想い出す,アケビの味とあの日の情景。いつの日か私も村の子どもたちに,
 「気いつけて帰れよ。また遊びに来いよ」
 と,語りかけることができるだろうか。