阿の波風・・・・・?

               岡田 好史

 このマガジンの表紙を見て,ふと私の作った風鈴を思い出しました。その風鈴の材料は秘密なんだけど,この場を借りて発表します。
 まず土は鳴門の萩原土です。ひもは藍染めで,短冊は山川の阿波和紙です。土の風鈴の音色は柔らかくて人の心に残る音だと私は思っています。野外展などで販売していると,赤ちゃんを抱いた20代前半のママとかに人気があったのには驚かされました。その風鈴の銘は「阿波風鈴」と言う名で販売していました。
 去年の徳島市ロープウェー眉山山頂にその風鈴を2個飾って来ました。今年も元気よく観光客の耳に語りかけたと思っています。また風鈴を作る時はDr.エンドーの展示時に間に合うように作陶したいと思います。

高嶺ルビー

               吉川 直子

 山中湖への一泊旅行の帰りに中央道伊北ICで降りてヘブンリーブルーと赤そばの花を見に行きました。途中の高速道路を走行中に信州方面では白い蕎麦の花は枯れて収穫寸前になっていたので赤い蕎麦の花は見ることが出来ないかなと諦めていました。上伊那郡箕輪町の留美庵という蕎麦屋さんの前にはヘブンリーブルーが野の花のように雑草と一緒に咲いていてそのお店の裏手に赤い蕎麦の花の畑がずっと続いていました。
 お店の人にヘブンリーブルーの朝顔の畑のことを尋ねると箕輪西小の奥にあるという返事です。赤蕎麦の実を使った蕎麦を大急ぎで食べて「赤そばの里」方面へ急ぎました。山の中の入会地のような場所に一面に赤い蕎麦の花が咲いていたんですが・・・
 天上の青といわれる朝顔は何処にもありません。駐車場の係りの地元の人に聞いてみると今年は作っていないとか,残念でした。早朝に赤富士を見て午後には赤蕎麦の花を見たので満足と思うことにしましょう。

自然には勝てない

               姫田 和幸

 前回「自然には勝てない」と書きましたが,本当に勝てない光景(事実)を見て(知って)しまいました。具体的には書けません。筆の遅さがバレてしまうからです。ごめんね。

讃岐の風  序章

             村上 哲史

 なんとか間に合った。
 羽ノ浦駅に着いたのが7時24分。急いで母に徳島駅までの往復切符を買ってもらい,改札をすり抜ける。ボクの車椅子は比較的小さいので難なく通り抜けることができたが,大きなサイズの車椅子ならここを通るのは不可能だ。
 ホームへ向かうために線路を渡るのも容易ではない。気を付けないと車椅子の前輪が線路の溝に落ち込むのだ。慣れていないと落ち込まないようにと意識しすぎて慎重に渡ろうとするから,なお落ち込み易くなる。ここは一気に駆け抜けるのがコツである。そしてその後に待ち受けているのがホームへの急な坂。駅とはなんとバリアの多いところだろうか。
 ホームに上がって1分もたたないうちに目的の汽車が来た。と同時に,先程まで切符を切っていた女性の駅員さんが簡易スロープを下げて横に立つ。何日か前からこの汽車に乗ることを連絡しておいたので準備してくれたのだろうと感謝しながら近くの乗口から乗ろうとすると,最後尾から同じような簡易スロープを下げた見覚えのある男性が近づいてくる。徳島駅の助役さんであった。
 横にいた女性の駅員さんは,何が起こっているのか飲み込めない顔をしていた。こちらに向かっている男性が助役さんだということを知得したのかもしれない。だとしたら「こいつは何者」とでも思ったのだろうか。どうしていいか分からず,その場に立ちつくしていた。
 「向こうにお友達もいます。付いてきて下さい。」
 女性の駅員さんもしばらくは付いてきていたが,助役さんの制止で後ろに下がる。他の客はもうすでに乗り込んでいて,ホームにはボク等4人の他に誰もいないような気がした。
 朝の空気がとても美味しかった。

                  つづく