お 洒 落               岡田 好史

 最近,室内小型犬の耳に付けるリボン飾りをインターネットで販売していると聞きました。私の家にも,白い小型の柴犬とシベリアンハスキーを飼っています。愛犬家の中には,時には自分の子供より大事に育てて居る方が居ます。
 犬に取って外出時の可愛い洋服を着せるのは迷惑かなぁ〜と思いました。リボンなら自宅の犬にも付けて,オシャレにしてあげようと思っていましたが,な,何と耳が垂れている犬しか付けられないと聞かされた時は「ガーン」と衝撃を受けてしまいました。残念です!

阿波風の投稿ですか。  中田 光茂

 なにを書こうかといろいろ考えてみましたが,やっぱり,頭をやわらかくすることかな。
 思考をやわらかくする。そうしないと,相手のことなんて見えてこないです。特に人生観において,自分の思いが強いと。人が嫌がっているのに,強制するのは暴力に近いのじゃないかな。
 自然体で穏やかに生きていければと思います。

讃岐の空 1             村上 哲史

 「おはよう。いい天気になってよかったなぁ」
 汽車の中から聞き慣れた元気な声とともに,アンパンマンのような屈託のない笑顔が現れた。海原紀子さん,年齢不詳。赤いフレームのアメリカ製車椅子に乗ったパワフルなおばさんだ。数年前に農作業中の事故で車椅子を使うようになったらしいが,詳しくは知らない。というか,お互い過去の話はしたことがない。聞けば教えてくれるだろうし,こちらもイヤではないが,知ったからといってどうということはない。それよりも,今を,これからを楽しく共有できればそれでいい。
 「ほんまほんま,ちょっと曇っとうけど,これぐらいが暑(あつ)〜の〜て丁度ええかも」
 実は今日は,ボク等が所属しているNPO法人JCI Teleworker's Networkの初めての日帰り研修旅行なのである。JCI Teleworker's Networkがどういう活動をしている組織なのかは次の機会に説明するとして,ボク等はこれから徳島駅に集合し,8:21発特急うずしおに乗り込んで高松へと向かおうとしているわけである。
 この計画は数ヶ月前から立てていた。ボク等のように車椅子利用者はJR等の公共交通機関を利用することがほとんどなく,汽車やバスに乗ったことがないという方も多い。そこで,会員同士の親睦を兼ねてJRの旅を体験してみようということになったわけだ。
 「今日はよろしくお願いします」
 「こちらこそよろしくお願いします。私も楽しませてもらいます」
 母が丁寧に挨拶する。その間に助役さんは簡易スロープをセットし,母に代わって車椅子を汽車の中へと押し上げた。
 日曜の車内は意外と広く,涼しかった。

つづく

やまどりのはなし           たかしま れいこ

 一年に数回,山道でやまどりに出会います。尾が長く,大きな鳥で,ももたろうのお供をしたキジによく似ています。
 ご先祖は鳳凰(新しい1万円札の裏にいる鳥)かもしれないと思いたくなるような,りっぱなスタイルです。
 やまどりに会うと,なにかいいことがあるような気がします。なんだかすごく明るい未来が待っていてくれているようなワクワクした気分になります。(ちょっとおおげさですが。)
 ところが一年ほど前,一週間ぐらい続けて毎日出会ったことがありました。そうなると「ありがたみ」がだんだん減ってカラスに出会うのと大差ない気分になりそうで,「これはまずいぞ! なんとかしなければ!!」と思い,やまどりに「ちょっと出て来すぎじゃないの?」と声をかけました。……
 それから一年間やまどりは全く出てきません。あんなこと言ったからもう会えないのかなと少々悲しくなったとき,この間久しぶりに出てきてくれたのです。本当にうれしかったです! そして気が付きました。
 やまどりに会うといいことがある……のではなく,会うこと自体がいいことなんだ!!と。