手塚 治 森 直哉
最近,「ブラックジャック」「鉄腕アトム」などのアニメを見かけるので,今回は「手塚 治」について,ちょっと知ってることを書こうかと思います。
手塚治というと,先にも出てきた「鉄腕アトム」の作者で有名ですが,実は今の日本のアニメ界や教育向けの書籍のキャラクターをはめ込んでの説明などの進歩は,この人がいなくては実現できなかったといわれています。
手塚治は,ディズニーの映画に非常に感銘をうけ,
「ぜひともあのようなすばらしいアニメを日本にいれたい」と考えた日本のアニメ会の創始者であります。ちなみに当時一緒に立ち上げたのが,今「ハウルの動く城」で有名な「宮崎駿」もその一人でした。
手塚治の漫画に対する概念は,
「難しい本を難しい顔をして読まず,難しい本を簡単に読めればいいね」であります。それで,教育用の本の中に挿絵をいれ,そのキャラクターが動き出し,詳しく説明してくれるようになりました。難しい本にストーリーができてきました。
当時,手塚治はこうも言われました。
「子供にとって,漫画はおやつだ!!」
この言葉は,当時,漫画に対する世間の批判があり,漫画は教育上よくないとの批判に対して手塚治がいった言葉です。意味としては,成長期の子供にとっておやつというのは,食事と食事の間のもっとも必要な食事(エネルギー摂取)のひとつであるということから,主食ではない。しかし必要である,この微妙なところを表現していったみたいです。
世界でもっとも書籍の発行が多いのは日本です。もちろん愛読者数(年間に本を読む冊数)も世界一位です。これは,ただ単に日本人が本が好きだからではないと思います。漫画の発行部数が全体の半分を占めてる結果です。
国際映画大賞に選ばれた「千と千尋の神隠し」は世界中の人に感銘をうけました。今,日本のアニメはディズニーを越えたといわれています。それは,手塚治なくして実現できなかったといわれてるそうです。僕もそう思います。
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おーい,木下さん! 松林 幸二郎
早いもので,今年もあと数日で第一アドヴェントを迎えます。丁度一年前の第一アドヴェントの夜,東スイスに住み,闘病していた徳島小松島出身の一人の日本人男性が,スイス.日本の家族の誰一人に看取られることなく,寂しくこの世を去りました。異国で,スイス人の妻と10歳になる娘を遺し,志なかばで逝かねばならなかった彼の心情を思うと嗚咽がとまりませんでした。
日本に発つスイス人宣教師から依頼されて,4年ほど前から,脳腫瘍をやむ同世代の木下さんをひと月に一度ぐらいでしたが,手製のぜんざいや饅頭を,あるときは日本からのビデオや70年代のフォークソングコレクションを携えて見舞ってきました。芝山君から徳島の海産物を送ってもらい,彼のため調理して喜んでもらったこともありました。普通なら,その不遇をかこち,打ちひしがれていて当たり前の境遇にあった木下さんでしたが,意外と明るくて,逆にトラブル続きで苦しんでいた私が,その人懐っこい笑顔で逆に励まされたこともありました。知り合ったときはすでに脳腫瘍が進行し,言葉もありませんでしたが,私たちの心は確かに通っていると感じました。
木下さんには日本に兄が2〜3人と姉がいることは知っていましたが,病室には木下さんとの交信や,身内として気遣っているような痕跡はまったくなく,不思議な気がしました。病んで8年以上になるというのに一度の見舞いすらしなかった兄姉が,葬式が済んで一ヶ月以上してから遺骨を故郷に埋めたいとやってきて,私は通訳やら大使館との交信で最後のご奉仕をさせていただきました。
“なぜ,弟が病んで孤独にうちひしがれているとき見舞ってやってくれなかったのか……”
との言葉を出せずに飲み込んだ私ですが,その後,兄姉からは一言の礼状もなく,釈然としないものを感じたものでした。
しかし,木下さんはきっと広い心で兄姉を赦していたのだろうと今思っております。地上では会話できなかった木下さんですが,天国では思いっきりお喋りをしたいものですね。木下さん!
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自ら苦労してこれを人(猪)に頒かつ 相原 雄二
趣味の一つに家庭菜園がある。両親が遺してくれた畑に十年位い前より,お米以外の穀物,葉物を中心に植えて楽しんでいます。
しかし,ここ四・五年手塩に掛けた作物を,私に断ることなく黙って拝借する輩に頭を痛めております。今年は特に多くの台風上陸で例年これだけは残していた里芋まで掘られてしまった。
このことを心友に話したところ,思い掛け無い言葉が返ってきた。「いいことをして上げたね! そのイノシシの家族はお腹一杯食べられきっと満足しているでしょうね?」何言っているんだ,と心の中で反論しようと思ったが,話を聴いている内に,己の心の狭さに愕然とする。神仏様はこの世に悪や無駄は創造していない。土を耕し草を採り手間隙かけた労力と時間は確かに私の努力には違いないのですが,よくよく考えてみると,太陽も空気も水もまた作物が成長するのも特別私が努力した結果でないことに気付く。全て大自然の恵み,自分の努力の結果は尊いものですが,それを全部自分や家族のみのためだけに使う自分本位の生き方でいいのか? 自分の努力の結果を独占するのではなく,できうるかぎり他人や社会そして動物(イノシシ)に還元していく心の広さを学びました。自分で作づけしたお野菜は食べられないが,まわりからいろんなお野菜を頂戴し,今のところ飢えることはございません。お陰様でありがたいことです。
でもイノシシさん,ほどほどにしておかないと,今度はあなたたちが食べられちゃうよ。合掌。
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わたしの孫は 自然の子
徳島自然農塾小松島実践道場世話人
キダブン身土不二屋 創業店主 貴田 収
名前は,貴田皓(2才半)キダブン身土不二屋の三代目になる予定である。住まいは別であるが,昼間は二代目を継いでくれた息子夫婦といっしょに店にやってくる。開口一番,「じいちゃん,畑に行こう。トットさん(放し飼いの烏骨鶏)にウマウマ(エサ)をやりに行こう」です。田畑は店のすぐ裏,歩いて一分足らずの所なので,雨降りの日でも傘をさしていきます。
私の自然農の田畑「貴楽農園」は,十年以上耕さず,農業肥料も使わず,健康で清浄そのものです。鳥や虫,へび,もぐら,みみず,昆虫たちの楽園です。お米,麦,野菜,果物も草々の中でよく育ちます。孫の皓君は,いちご,みかん,いちじく,柿,トマト,キュウリ……畑の中に育つものを生のまま,人参やカブ,大根まで喜んで食べてしまいます。朝日を見ては,
「お日さんきれいな。夕焼け美しいな。お月さん雲の中で寝んねしたな。風涼しいな。」と,朝昼夕夜,春夏秋冬の移ろいの中で豊かな感性が育っています。
自分とは,自然の中の一部分であること。自然の中で他のそれぞれのいのちたちと自分のいのちもひとつになって,自他の区別なく一体となって,楽しくキラキラと元気に生きる知恵を育んでくれています。
自然は最良の教師であり,最高最善の環境です。あなたも是非,お子さま,お孫さんといつでも思いついた時には,貴楽農園に遊びにお越し下さい。
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