「世界でいちばんブラブラさせて」と,
時々思ってみる
             森 悦光

 今日,1月14日,「徳島市昭和小学校」へ総合学習(陶芸の部)の講師として行きました。
 6年生の陶芸に興味を持っている29人の子供達。目をキラキラ輝かせて,土をさわる子供達の弾んだ声に,私も精一杯のロクロを披露し,楽しい時間を過ごさせていただき,また,作る喜びの手伝いを致しました。
 帰り際,一人の女の子に「陶芸家になりたい。どうすればなれるのか」と質問され,「勉強すれば」と答えましたが,この紙面で私は言います。「女陶芸家になるのは,やめた方がいいわよ」と。
 女陶芸家で生活をたてるのは大変だと思います。それに,作品とか商品を注文されると,限られた時間の中で注文品が期日までにうまく焼き上がるかと心配したり,毎日がプレッシャーの連続で,毎日がつなわたり,そんな繰り返し……。なんだけど,そんな所から底力がわいてくるのかも知れない。
 そうね,一部,撤回。好きであればお金が無くても楽しいかもね。あんまり頑張らなくても,陶芸家になれますよ。心と体を鍛えておけば。
 そして,時々「世界でいちばんブラブラさせて」と口ずさむ脳天気さがあればね。

クリスマスの客              松林 幸二郎

 我が家は,クリスマス前の週末に日本の知人の娘さんと彼女の友達(ローザンヌで半年勉強していた),そして23日から26日まで,ナタリアが英国の語学学校で友人となった韓国からの青年(男2人,女1人)を迎えてともに心温まるクリスマスを祝う幸いを与えられました。
 30年も前,やはり英国の語学学校で知り合ったスイス人の家内の実家に,友人らとともに転がり込んだ浮薄な私を,少しも嫌な顔をせず暖かく迎えてくれたハイディの家族ですが,30年後,立場がまったく逆となった訳です。思慮に富み,素直で屈託のない韓国の青年と接していると,ひところ家族の絆や年長者や礼節を大切にした日本人を思い起こさせてくれ,世代の差や文化の壁も感じませんでした。私たちの前の世代が韓国の人々に大変なご迷惑をかけたお詫びの意味もこめて,私たちも日本料理やスイス料理を誠一杯情熱と心を込めて作りましたが,彼らの喜びようは予想をこえたものでした。
 私も青年時代,3年半の世界放浪の旅のなかで様々の国で幾度も身に余るもてなしをうけ,それは年月を経ても決して色あせない貴重な宝となっていますが,きっと彼らもこの白いアッペンツェルの古い農家でのクリスマスを決して忘れないだろうと思い,このような機会が与えられたことに心より感謝しました。


 写真:我が家の伝統クリスマス料理“フォンデュー シノア”(中華風フォンデュー)を囲んで,気持ちのいい韓国青年3人。

「神を祀る」日本の文化  相原 雄二

 日本列島を眺めてみると,南北34キロにおよぶ細長い島国で,多様な四季があり動植物の種類も多く,食物も豊富で様々な野菜や果物が手に入ります。しかも四方海に囲まれ海の幸,山の幸にも恵まれています。この大自然の四季が季節ごとに美しい姿を見せてくれるのがこの日本です。この自然の中で育まれた日本独自の信仰が神道です。神道は,世界的に見ても非常にまれな信仰です。宗教に相当する概念がありません。教祖,経典,典礼,教団,宣教師もいない。神像や十字架といったものも存在していませんし,そもそも神道とは古代から日本の国に存在してきた固有の信仰,文化の総称で外来の宗教と区別するために「神道」と呼ぶのです。恵まれた自然と共に暮らしてきた日本人は古来から山の神,海には海の神,森,木,あらゆる自然に神が宿ると考え,まさに八百万の神の国で自然に畏怖の念を抱き,敬虔な祈りを捧げ自然との共生の思想が昔から根付いていました。自然とあるがままに受け止め畏敬し感謝し自然に溶け込もうとする考え方があり分かち合う文化となって発展しました。神道とは自然崇拝の多神教が民族の体質として世界に誇れる日本人の魂を具体化した信仰で他の宗教と同一視するには無理があります。現在の日本を見るに政治,社会,教育のあらゆる分野で混迷を深めモラルなき無責任社会となっている原因は,すべてこの最も大切な信仰,「神」祀りを忘れた為であります。昨年の暮れ開業して2年近くなる娘から,美容室に「神壇」を造りたいのでどうしたらよいかと連絡があり私はよろこんでその労をとることにしました。朝にお誓いと感謝,夕に反省と感謝,日々自然の恵みに手を合わせながら仕事が出来る,この文化を子々孫々まで受け継いで行きたいと思います。

自 然 農
徳島自然農塾小松島実践道場世話人
  キダブン身土不二屋 創業店主 貴田 収

 家業の文具・書籍店は息子夫婦が継承し,何とか晴農雨読の生活が出来るようになり,育つものは何からでも育てている。
 昨年(2003年)12月より自然農で作った野菜・米を使った田舎食堂「粟ばたけ」を開業。だんだん市民に受け入れられ成長中。
 身土不二屋(地産地採の無農薬野菜の販売)は,食堂で使う野菜が足りないぐらいで,目下休業中,只今は売るより作れの段階です。
 今年秋より,納屋の隣に鶏舎をつくり,烏骨鶏を飼っている。卵の自給が出来るようになる。果樹を畑の周りに100本(50種)近く植え,だんだん生りだした。
 今年,畑(貴楽農園)の中に建てた農機具小屋の2階で宿泊して自然農を体験出来るようにしました。無料ですので,全国の皆さん何時でもお越し下さい。但し畑の野菜は差し上げますが,自炊してください。
 今年,新居見実修田で古代米9種類作り,案外よく出来て,12月に収穫祭(反省慰労会)をする。参加者約30名。
 古代米つくりに国会議員の後藤田正純さんが参加してくださった。来年は,水野真紀奥さんとやがて誕生するお子さんと家族ぐるみで参加してくれるのを楽しみにしている。