みんな仲良くしよう?       陶久 敏郎

 “みんな仲良くしよう”
 耳障りの良い誰もが納得する,理想に満ちた言葉である。
 聖徳太子が,憲法十七条の中で“和を以って尊しと為す”と謳ったことは余りにも有名である。日本人は,ムラ社会をつくり稲作農耕を続けてきた過程で争いごとを好まない共同体文化を築いてきたし,現在の日本外交の基軸も憲法と国連を中心とした善隣友好外交である。それから,全会一致を好む意思決定方法も,こうした日本文化の発露と言える。
 確かに,“みんなと仲良くしたいとか,みんなに好かれたい”とか言う思いを完全に否定する人は希少であろう。学校などでは,みんなと仲良くすることを教育の理想に掲げて子どもを指導している。
 しかし,古今東西,現実の人間社会の実相に照らしてみれば,このことを実現することは不可能であるし,このことを人に強いることは偽善であると言わざるを得ない。私は,自らを省みてそう思うのである。
 好きな人と仲良しの人が少し,嫌いな人と仲の悪い人も少し,そのどちらでもない人が大多数というのが実際のところではないだろうか。自分に敵意を持ち危害を加えようとする人と仲良くしろとか好きになれと言うのは,宗教家ならいざ知らず,誰にでも出来ることではないし不自然で不健全でさえある。
 仲の悪い人や嫌いな人がいることは仕方がないし,むしろ自然でさえある。無理に仲良くしようとか好きになろうとか,そんなことをしなくて良い。大事なことは,好きな人と友好的関係を持続するための智恵,嫌いな相手と身の破滅に至らないようにする智恵,そのどちらでもない人と当たり障りなく付き合う処世術。そういうことを,身に着ければよいし,教えればいいのである。

 元                         中山 佳那子

 「黒と白とどっちがいい?」と聞いてみた。
 ある子は白。ある子は黒。またある子は間を取って灰色と言う。
 白も黒も裏を取ってみれば一緒だ。
 だけど,どっちがいい?と聞かれると,そう悩む子もまたいない。
 同じようだけど,明らかに違う色。それは,灰色も同じ・・・。
 ってことは,好きな色は,はっきりしている。
だけど,それを色じゃなくて,大きなことや複雑なことになると話が変わってくる。
 なんか,不思議だけど・・・・・・・・・・・・・
 「黒と白どっちがいい?」きっかけはめっっちゃ簡単なんだと思われまする。

すべてのことはメッセージ    中山 昌男

 動く大地に驚くのに,
   動かぬ大地に何故驚かぬのか
      (江戸時代の詩人の歌だそうです)

 大自然の驚異,パワーを目の当たりにして
 改めて,生命の営みに目を向けなをします。
 空,大地,私の体や心と向き合って
 愛する,妻や子供と向き合って
 日々,すべての存在すべての出来事に
 耳を澄まし,心を澄まして行きたいものです。

中国の経済発展とひずみ    南谷 幸久

 中国は今めざましい経済成長を続けている。自動車産業は今や世界の自動車生産国のトップレベルになろうとしている。三年前まで年間生産台数が200万台であったが,昨年度は440万台となり,ドイツを抜いて世界で3位なり,2010年には約1,000万台になると予想されており,世界のトップレベルになると、言われています。中でも上海近郊には外資系の大手自動車会社が進出してしのぎをけずっている。ワーゲンは18年前に中国に進出して,今や大きなシェアを維持している。日本のトヨタ,ニッサン,ホンダ,も広東省等に本格的に進出して,世界の各自動車会社が全部出揃ったことになります。
 中国は経済発展と共に1993年に石油の輸入国になり,今では輸入量で日本を抜き将来は米国を凌ぐといわれている。中国の都市部では今大気汚染が深刻になっており,特に重慶などはスモックが,充満して30年前の四日市の状況だといわれている。そして中国は二酸化炭素でも,アメリカに次いで二番目の排出大国になっている。やがて日本にも偏西風によって大気汚染の影響で酸性雨や砂汚染をもたらすことになります。
 このように中国の環境問題は,日本にとっても大きな問題であり高度成長している中国ですが,影の部分では高度成長にインフラやエネルギーの供給が追いつかず,電力不足,貧富の格差,治安の問題も深刻になっている。これからの中国の発展は日本の発展に繋がるだけにこれらの,ひずみを注意深く見守って行く必要があるとおもいます。
 そして日本も中国との間には,いろいろと問題がありますが,日本は技術力で協力しながら環境問題を解決することが,日本の利益に繋がるのではないでしようか?