のうさぎのはなし            たかしま れいこ

 ある昼下がり山道をゆっくり車で下っていると,横の茂みから,野うさぎが一匹ぴょんと出てきました。グレーの毛で耳がピンと立ってピーターラビットそっくりです。突然現れた車にびっくりしたのでしょう。車に背を向けてピョンピョン逃げていきます。すぐまた横の草やぶに帰ればいいのにひたすら車の前をまっすぐ跳ねていきます。追いかける気はないのですがどうも誤解されているようです。うさぎ君,どこまでがんばるつもりかな?と,ちょっとおもしろくなってうしろをついていくうち少し心配になってきました。うさぎ君の心臓,だいじょうぶかな・・・もう100メートルぐらい走り続けているのです。でも少し先でもっと心配になりました。すぐそこのカーブはとても見通しが悪いのです。うさぎ君対向車にぶつからないかな? でも対向車はせいぜい一日数台ぐらい,確率はゼロに近いと思ったときカーブミラーに何かが映りました。くるま?!じゃなくて赤いバイクです。うさぎ君はちょうどカーブの真ん中です。しまった!と思った瞬間,初めてうさぎ君は止まりました。幸いバイクも止まり私も止まりました。はさみうちになったうさぎ君は一瞬困った顔で私を見ましたが,そこでやっと横の草の中へ消えました。よかった・・・バイクの郵便屋さんも私も笑ってすれちがいました。山道の運転もけっこう気を使います。

初  詣                     山本 シズ子

 今年の元旦は,平野部に雪はありませんでしたが,山の上の方は白くなっていました。
 中津峰の鶴林寺へ初詣に行ったら,なんとも美しい景色で,森林公園は初めて見るような美しさでした。
 お正月から良いことがあるかなと思いながら「おみくじ」を引いてみて
 びっくり!  大吉でした。
 今年もどうか,みんなが無事に過ごせますことをお祈りしました。
 帰りはばらお婆羅尾峠の方に廻り,里(勝浦町)の母親(90歳)顔を見せ安心させて帰ってきました。

竹野内くんのドラマが見たーい  平 澄子

 去年の夏頃「人間の証明」に出演してから,最近ドラマに全然出ていないのでとても残念です。
 娘が「竹野内くんは他の役より,ラブストーリーの方が似合ってるね。」と言います。私も娘同様,恋愛小説をドラマ化した役の方が,すごくいいと思います。
 どうか,竹野内豊出演のドラマが近々放送されますように……。
 神さま,よろしくお願いします。

苦集滅道                    近藤 隆二

 お釋迦様の教えに四諦・八正道・十二因縁があります。四諦とは,苦諦・集諦・滅諦・道諦のことで,人間の苦しみは,自我欲望の心を使った時に集まってくる。その苦しみより逃れんとするには,八正道(八つの正しい道)に従えば,苦しみは去り,喜びや幸せが訪れる。苦しみの心は十二因縁より起こる,と言う教えです。極楽と地獄の教えも,自分中心の心で地獄の苦しみを作り人様のことを考えて思いやる心で極楽になる。今住んでいる社会や環境がどうであろうと,自分の心の使い方考え方ひとつで極楽にも地獄にもなる,ということを,お釋迦様が教えてくれています。明るく温かい心が伝わり,暗く冷たい心で自分も他の人へも冷たい心が広がってゆく。結局自分自身の日々の心の持ち方使い方です。

黄泉の国探訪ツアー         大西 雅子

 昨年の暮れ,12月27日にイザナミの命が葬られたという比婆山今の高越山に登りました。
 寺の奥の頂上から少し行ったところに古い鳥居が4つならんでおり,ちいさな祠がありました。祠の下はいかにも人を葬ったような雰囲気です。石をこんもりと盛ってある形跡があります。そこは,イザナミ神社とは書かれていませんでしたけれど,県の古い書物にはイザナミ神社とあります。山道の途中には白蛇を祀った穴があり,その一帯はまるで大昔の世界。現代社会から太古の昔にタイムマシンでワープをしたような感覚でした。
 それにしても寒かった,雪のようなものがちらちら。道も水も氷ついて,雪もあちらこちらに解けずにあります。顔も冷たくて,思うようにしゃべれません。携帯電話も寒さでおかしくなりました。
 そこから,つぎに,イザナミとイザナギが国生みや神々を生んだというオノコロ島,現在の舞中島のイザナミ神社に行きました。イザナミ神社は日本中でここ舞中島にしかありません。ここは,ほんとうにオノコロ島という雰囲気がします。神社の下は大きな岩になっており,ああ,この岩根に太柱を立てて,ぐるぐる回って,国生みや神々を生んだなあという図が目に浮かびます。
 あとは,岩津にある神代文字で書かれた碑や杯状穴という穴がある石版(ドルメン)がある神社を見て帰りました。山道では,野生の猿やイノシシ,そして雉,野鳥が私たちを迎えてくれました。