「心の中の四大聖人」(3)孔子様
               坂本 眞人

 孔子様とお弟子さんとのやりとりに,次のような一章があります。
「子貢(しこう)と問いて曰(い)わく,一言(いちげん)にして以(もっ)て身を終うるまで,之(こ)れを行うべき者ありや。子(し)曰(い)わく,そ其れ恕(じょ)か。」
これを現代風に訳しますと,
「一生を通じて,身につけて行っていくことを一言(ひとこと)で言うならば,それは他者の身になって考える思いやりの心(恕)であろう。」
ということでしょうか。
 この孔子様とお弟子さんのやりとりで,お弟子さんがこの困難なこの世の一生で一番大切なことを一言でいうとどうなりますかという難問に,孔子はさらりと,それも漢字一字で,それは「恕」ですよ,と答えられた所に,何とも言えない師弟の愛といいますか,師弟の真剣勝負といいますか,そのようなものを感じます。
 最初,この「恕」という漢字を「怒(ど)」という「いかる」とか「おこる」という漢字と間違いかけました。「恕」と「怒」は,「口」と「又」の違いだけで意味が全く反対のようなものになります。

「恕」…他者の身になって考える思いやりの心
「怒」…怒声(どせい)とか激怒(げきど)で用いる「いかり」とか「おこる」という意味

 漢字とは大変おもしろいもので,「恕」という漢字があるのさえ知りませんでした。孔子様は偉大なかたで,人生とか漢字を知り尽くしていたかたではないでしょうか。それですから,突然のお弟子さんの,この世の一番の難問にも,さらりと,それもひとこと,漢字たった一字で「恕」と言うことが出来たのではないでしょうか。
 次に,この「恕」の意味について考えてみたいと思います。「他者の身になって考える思いやりの心」と辞書的な意味にはあります。自分のことで精一杯の現代人にとって,果たして他者の身になって考える思いやりの心など持てるのでしょうか。昔よく親に「自分の足を自分で踏んで他人が足を踏みつけられたときの痛みを知れ!」と言われたものです。「他者への思いやりの心」は,瑞々しい感受性がなければなかなか持てない心ですね。自然に目をやりますと,「色即是空(しきそくぜくう)花が散り,空即是色(くうそくぜしき)葉っぱ出る」のように瑞々しい緑の新緑の季節になり,まるで青の協奏曲(?)のようです。このような自然の中で「他者への思いやりの心」,「恕」ということを静かに心に受けとめ自分を反省している今日この頃です。


春眠暁を・・・           相原 史朗

 4月も早いもので下旬にさしかかりました。原稿を打つ度に時間の流れの早さを感じているような気がする今日この頃です。
 桜も散って暖かくなってきました。時々暑く感じるような日もあるのですが。
 これだけ暖かいと,何か妙に朝が眠たく感じます。冬場は寒くてなかなか起きられない,と言った感じなのですが,今は眠たくてなかなか起きられない,と言った感じです。まさに「春眠暁を覚えず」と言ったところでしょうか?
 この言葉には,「春の夜は気持ちがよく,つい夜更かしをしてしまうので,朝になったのも知らずに寝てしまう」・・・と言った感じの意味があるみたいです。最初,単純に「春は暖かいから眠くなってしまう」,と言う意味で使っていたのですけど何か的はずれな感じでした。
 改めて調べてみると,ホント深いものがあるなとつくづく感じました。
 よくよく考えてみると,最近の僕は,「春眠暁を覚えず」の言葉通りの生活を送っているような気がしてなりません(苦笑)。

『 楽 天 』            小川 浩一

 さて,今日の日記のタイトルはこれです。
『楽天』
 ボクがここ(この楽天広場)を選んだのも,この楽天という名前が気に入ったということも理由の一つに挙げられます。
 あらためて,辞書を引いてみますと・・・
「楽天」全てを天命として,くよくよしないこと。のんきなこと。
「楽天家」くよくよしない人。のんきな人。
「楽天主義」現実を肯定し,理想は必ず実現できるという人生観。オプティミズム。
「楽天的」くよくよしない様子。気楽な様子。
 どうですか。文章に書いたり(打ち込んだり),読んだりしただけで,元気になりやしませんか!? ボクは,今思えば子供の頃から「楽天的」な人間でした。
 母からの案ずる言葉にも,返す言葉はいつも・・・「楽勝!楽勝!! 何とかなるし,何とかするからー」っと,ずっとこんな感じだったんです(笑)。別に,努力をしないとか,したくないとか・・・現実逃避しているとか・・・そんなんじゃありません。勿論,今,目の前に起きている現実に関しては,真っ向から,向き合っております。向き合っていくんです。その上で,いかに肯定的に捉えることが出来るか!を重要視しております。
 持って生まれたもの,性格もあるのでしょうけど・・・まず,普段から何事にもポジティブに捉えることが出来るよう,訓練(意識付け)していくことです。今日,当たり前のことを,当たり前のように書いております。それでも,厭世観の中で生きておられる方々に,少しでもいいから,このことをお伝えしたいと思うのです。
「お気楽人間(バカ)」大いに結構ではありませんか。見方さえ変えていけば,悪いこと,嫌なことの中からも,必ずプラスの光(こと)が見えてくるんです。
 まぁ,考え過ぎんのも問題だけど,どうしようもならんことをいつまでも考え過ぎてしまうくらい,無駄な時間はないと思ってますよ。ボクは・・・。さぁ♪ 今日も『楽天的』にいきましょう!!
 今日もありがとうございます。感謝!「合掌」

宮川町の京踊り         藤井 久美子

 4月8日,京都,宮川町の京踊りを観に行きました。春の京都は街中,今にもこぼれんばかりの桜が満開で,楽しい一日となりました。桜にまつわる想い出は多くて,そのひとつひとつをなぞりながら,桜をながめていると,飽きることがありません。
 宮川町の歌舞練場は,先斗町の道筋という場所柄か,着物を粋に着こなした年配の女性も目につき,後姿まで見とれてしまい,思わず通行人にぶつかりそうになりました。


 会場に入ると,二階でまず御茶をいただきます。今年はなんと舞妓さんの御茶を立てている席の前から2番目でお手前も髪の結い上げや化粧,衣裳がよく見えてラッキーでした。
 踊り見物は一階の指定席で,席まで案内され,いい席から艶やかな踊りを堪能しました。最後に舞台や花道から,舞妓さんや芸妓さんが手ぬぐいを投げてくれるのですが,受けたつもりがとなりの婦人の手と一緒に掴んでしまい,思わず,手を離しました。
 今,アメリカのハリウッドでは,ベストセラー小説の「さゆり」をスピルバーグ監督が中国女優のチャン・ツゥイ主演で舞妓さんの映画を撮って,年末には日本でも公開される予定です。早速,文庫本の上下巻を買ってきたら,一気に読むほどの,ストーリーの展開で年末の映画の公開が待たれます。